一人暮らしのプロパンガス代は
いくら？
高くなる理由や節約方法を解説

まずは、政府統計の総合窓口であるe-statのデータを参考に、一人暮らしのプロパンガスの平均的な料金を比較してみました。

季節別

一人暮らしのガス使用量を5㎥とした場合、プロパンガスの1ヶ月あたりの季節別平均料金は以下のとおりです。

• ・春：5,291円/月（令和4年4月）
• ・夏：5,401円/月（令和4年8月）
• ・秋：5,410円/月（令和4年10月）
• ・冬：5,421円/月（令和4年12月）

※出典：石油情報センター 一般小売価格 LP（プロパン）ガス 確報

気温が低くお風呂やガスヒーターの需要が高まる冬の時期に向けて料金が上がっているようにもみえますが、一般にガスの使用量が少ないと考えられる夏でも、冬との価格に大きな差はありません。

一人暮らしの場合は複数世帯と比較してガスの使用量が少ないため、基本料金の支払いの比重が相対的に高いことが要因として考えられます。

地域別

プロパンガスの1ヶ月あたりの地域別平均料金は表の通りです。

平均額の中で一番高いのは北海道で、一番安いのは関東でした。

北海道のプロパンガス代が一番高い理由としては、積雪が多いことはもちろん、面積が広いため配送コストが他県よりかかることが挙げられます。

また、ガス会社の切り替えをしている世帯が少なく、企業間の競争がほとんどないため、ガス代が高いにも関わらず使い続けている人が多い傾向もあります。

一方、関東がもっとも平均額が低い理由としては、人口が多く効率的にガスを供給できるため、コストがあまりかからないことが挙げられます。

また、プロパンガス会社間の競争が激しいため、値下げをして顧客を獲得しようとするガス会社が多いことも考えられます。

プロパンガスをご利用中の方でも、そもそもプロパンガスがどういったものかを知らない人もいるのではないでしょうか。そこで、プロパンガスの特徴や都市ガスとの違い、プロパンガスのメリット・デメリットについて解説します。

プロパンガスとは

プロパンガスは、LPガスと表現されることもあります。

気体燃料であるプロパンやブタンなどの体積を小さくしたうえで輸送をしやすくするために液化したもので、ライターやカセットガスコンロの燃料などと同じものです。

プロパンガスと都市ガスの違い

プロパンガスと都市ガスの違いを簡単にまとめました。

• ・都市ガス：天然ガス。道路下のガス導線を通して供給するもので、プロパンガスより安い
• ・プロパンガス：液化石油ガス。配送されたガスボンベから供給するもので、都市ガスより高い

都市ガスは天然ガスです。気化した天然ガスは空気よりも軽いため、都市ガスの警報器は部屋の上部に付けられます。

道路の下のガス導線を通して供給されるため、ガス導線が張り巡らされている範囲でしか利用ができません。その反面、配送コストがかからず、プロパンガスより安く利用できます。

プロパンガスは液化石油ガスです。空気よりも重いため、ガス警報器は部屋の下部に取り付けられます。

大半が海外から輸入され、プロパンガスが入ったガスボンベを事業者が配送することで各家庭にガスを供給します。そのため配送コストがかかり、都市ガスより高額な傾向にあります。

プロパンガスのメリット4つ

プロパンガスのメリットは主に4つです。

発熱量が高い
まず、発熱量が高いことが挙げられます。都市ガスと比較するとプロパンガスの発熱量は約2.2倍あり、飲食店や工場など、ガスのパワーが必要なところではプロパンガスが好まれます。

どの地域でも使える
どの地域でも使うことができるのも大きなメリットです。都市ガスはガス導管のないエリアでは利用できませんが、プロパンガスは配送さえできれば全国のどこでも使えます。

災害時の復旧が早い
災害時の復旧が早いこともメリットとして挙げられます。プロパンガスはボンベで供給されるエネルギーのため、例えば都市ガスの供給網が破損してしまったとしてもすぐに供給できます。

品質の劣化にも強く、半永久的な保存と使用が可能なのも安心できるポイントです。

環境にやさしい
最後に、プロパンガスは環境にやさしいクリーンエネルギーです。燃焼時の二酸化炭素排出量が石油などに比べて少なく、燃焼後も有害物質をほとんど出しません。

プロパンガスのデメリット

メリットが多いプロパンガスにも、デメリットがあります。

都市ガスと比べて料金が高い
プロパンガスのデメリットは、都市ガスと比べて料金が高い傾向にあることです。

ガス会社や世帯ごとの使用量によっても金額に差はありますが、都市ガスとプロパンガスの全国平均額を比べると、2,000円ほどの差額、60％ほどの開きがあることがわかります。

しかし一人暮らしであれば、用途が給湯だけでほとんどが電化されている場合など、プロパンガスでも費用が抑えられるケースはあります。住居の状況を含めた料金シミュレーションをしてみるとよいでしょう。

一人暮らしのプロパンガス代が高くなる理由は、主に以下の3つが考えられます。

プロパンガスの従量単価が高い

プロパンガスは一般的に、都市ガスと比べて従量単価が高くなっています。

プロパンガスの従量単価は約650円程度であるのに対し、都市ガスは140円から200円程度であることがわかります。

プロパンガスはガスボンベの配送が必要となり、輸送費や人件費などの配送コストがかかってしまう分、単価が上がってしまいます。

地域や契約会社によって値段が異なる

プロパンガスは事業者も多く、自由料金制であることから、地域や契約会社ごとの価格差が生まれやすくなっています。

2023年1月1日時点の都市ガス事業者数が193なのに対し、2022年12月末時点でのプロパンガスの事業者数は16,381。そのため、価格競争のなかで価格を下げて顧客を増やす事業者もあれば、価格競争の少ないところで強気な価格設定をしている事業者も存在します。

高額な料金設定がされている業者と契約してしまった場合、請求が平均より高くなっている可能性があります。

※出典：METI/経済産業省 令和4年度全国の販売事業者数・保安機関数等
※出典：日本ガス協会 都市ガス事業の現状2022-2023 （gas.or.jp）

ガスの使用量が多い

そもそもガスの使用量が多く、ガス代が高くなっている可能性も考えられます。

ガスを使い過ぎていないかをご自身で確認したい場合は、ガス代の請求書などで使用量を確認し、平均的な一人暮らしの使用量と大きな差がないかをチェックしてみましょう。

ご自身のプロパンガス代が平均額より大幅に上回っている場合、日々の節約で抑えられる可能性があります。簡単にできるガスの節約方法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

お風呂場での節約方法

お風呂場での節約方法で重要なのは以下の3点です。

• ・フタをして、お湯の温度を下げないようにする
• ・お湯の設定温度を高くし過ぎない
• ・お湯の使用量を抑える

まずは、浴槽にフタをしてお湯の温度を下げないようにすること、または設定温度を高くし過ぎないことです。

お風呂の追い焚き機能は使用するたびにガス代が発生するため、浴槽はこまめにフタをしたり、保温シートを活用したり、入浴中には換気扇を止めたりすることを意識すると、お湯の温度を下がりにくくできます。

そのうえで、なるべく無駄な追い焚きをしないように心がけましょう。また、設定温度を低めにすることでもガスの使い過ぎを防げます。

次にできるのは、お湯の使用量を控えることです。浴槽に溜めるお湯を少なめに調整することで、ガス代を節約できます。自動の湯沸かし機能がついている場合は設定を見直してみましょう。

シャワーを出しっぱなしにせず、こまめに止めることも大切です。45℃のお湯を流す時間を1分間短縮した場合、年間でガス代約2,070円の節約ができます。こまめに止めるように習慣づけましょう。

＞ カテエネ研究所「お風呂の準備は「給湯で湯張り」と「水から追い焚き」どちらが時短＆省エネ？」

※出典：省エネポータルサイト 風呂・トイレ

キッチンでの節約方法

キッチンでの節約方法で重要なのは以下の6点です。

• ・鍋底の水滴を拭き取る
• ・コンロ周りの掃除をする
• ・お湯の温度を低めにする
• ・まとめ洗いをする
• ・電子レンジを活用する
• ・炎の大きさを調整する

調理前・調理後の工夫としては、フライパンは水滴をきちんと拭き取ってから使うことで無駄なガスを消費しないようにしたり、こまめにコンロ周りの掃除をして火力を最大限に保ったりすることが挙げられます。

また、食器を洗う際に使うお湯の温度を低めに設定したり、まとめて洗うようにしたりすることでも、ガス代を節約できます。

調理中の工夫としては、カボチャやじゃがいもなどの火が通りにくい食材は、それぞれにガスで火を通すより、まとめて電子レンジで加熱したほうが安く済みます。

また、ガスコンロでの調理は強火のほうが早く熱を通しガス代も安く済むように感じますが、実は中火のほうが熱効率も高まり、ガス代を節約できます。どうしても強火で調理する必要がある場合を除き、普段は中火で調理しましょう。

＞ カテエネ研究所「電気ケトル、IH、ガスコンロ、電子レンジ。どれが一番おトクにお湯が沸くの？」
＞ カテエネ研究所「ガスコンロでお湯を沸かすときの、 鍋の「大きさ」と「火加減」の最適解って？」

※出典：省エネポータルサイト キッチン

現在契約しているガス会社や料金プランを見直すことも一つの手段です。

ライフスタイルにあったサービスを提供しているガス会社に切り替えることで、使用量を変えずにガス代を下げることができる可能性があります。一人暮らしの場合はガスの使用量が少ないため、基本料金重視の安いプランがおすすめです。

プロパンガスは都市ガスと比べて地域や事業者ごとの価格差が大きく、なかには悪質なほど高額な請求がされるケースもあります。ウェブ上の料金シミュレーションなどを使いながら複数サイトを比較し、最適なプランを選びましょう。

中部電力ミライズが提供する家庭向けWEBサービス「カテエネ」なら、電気やガスの使用量や料金の推移がグラフにまとめられているので、昨年の料金と比較したり、ご家庭でできる節約ポイントがわかります。

また、電気代やガス代のお支払いでカテエネポイントがたまります。たまったポイントは電気代のお支払いなどにお使いいただけます。

（注）当社のガスをご契約いただく場合、お住まいの地域が東邦ガスネットワーク株式会社の供給エリアで、かつ都市ガスをご利用中のお客さまが対象となります。

賃貸物件の場合でもガスの契約は変更可能なことが多いため、契約やガス会社の見直しもぜひ検討してみてください。

都市ガスが使える地域の方やプロパンガスを選ぶ明確な理由がない方は、料金が安く透明性の高い都市ガスをおすすめします。

今のガス料金が平均よりも高い場合は、日々の使い方や契約の見直しで月々のガス料金を抑えられる可能性があります。

中部電力ミライズが提供する家庭向けWEBサービス「カテエネ」では、いつ、どのくらいのガスを使っているのかを簡単に把握することが可能です。そのため、使用量を抑えて節約する際の参考にできますし、普段の使用量に見合った最適なプランを選ぶ際の目安にすることもできます。

無料で登録ができ、支払料金に応じたポイントを貯めることもできる「カテエネ」にぜひご登録ください。