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くらしに役立つコラム

ハテナを解決!ガスまるわかり通信 Vol.6

床暖房のガス代はいくら?
電気式・温水式の違いと
すぐできる節約方法

床暖房は部屋を足元から暖めてくれるうえに安全性も高く、寒い冬には非常に重宝します。しかし、電気代・ガス代が値上がりするなか、「床暖房を取り入れたいけどいくらかかるのか不安」「床暖房を安く使いたい」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。

この記事では、床暖房の種類やしくみ、メリット・デメリット、料金シミュレーションを解説します。賢く使いながらガス代を抑える方法についてもご紹介していますので、ぜひご一読ください。

1 床暖房のしくみと種類

床暖房は大きく分けると、電気式床暖房と温水式床暖房の2種類があります。それぞれのしくみや特徴について見ていきましょう。

電気式床暖房の特徴

電気式床暖房とは、床下の電熱線を電気で発熱させることで床を温めるしくみの床暖房です。

電気式床暖房にはさらに、

  • 電熱線式
  • 蓄熱式
  • PTCヒーター

などの種類があります。

電気式床暖房はしくみが単純かつ簡易であるため、部分的に設置することも容易です。取り付けの際の初期費用も安価な傾向にあります。

一方、電熱線を中心に暖まるため床を均等に温めることが難しく、温度ムラが発生しやすいのがデメリットです。

また、ランニングコストとしての電気代が高額になる可能性もあります。しくみ上、床が水濡れに弱くなることから、水吹きの掃除が難しくなる点にも注意が必要です。

電気式床暖房は、初期費用を抑えて床暖房を設置したい場合や、日中は誰も家におらず床暖房の起動時間が短い場合などにおすすめです。例えば、一人暮らしや共働きの二人世帯に適しています。

温水式床暖房の特徴

温水式床暖房は、床下に設置された温水パイプの中の液体(水、もしくは不凍液)を温め、温水を循環させることで床を温めるしくみです。

  • ガス温水式
  • ヒートポンプ式
  • 灯油式

など、熱の供給源による種類の違いがあります。

温水式床暖房は、床全体を均一に温めることができる点や、広い面積を温めてもコストがかかりにくいことがメリットです。

一方、床の裏全体にパイプを設置する必要があることなどから初期費用は高額になる傾向にあります。既存の熱源機で容量が不足する場合、熱源機の入れ替えコストも追加で必要です。

また、不凍液を用いる場合はおおよそ年に1度の交換が必要であり、定期的にメンテナンスの手間がかかります。

温水式床暖房は、ランニングコストを抑えて長時間広い範囲で床暖房を使いたい人におすすめです。例えば、日中在宅のご家族がいる複数人世帯に特に適しています。

2 ガス温水式床暖房に
かかる費用は?

ガス温水式床暖房にかかる費用を、具体的な条件を設定しながらシミュレーションしましょう。以下の前提条件で計算をおこないます。

  • <条件>
  • ・暖房面積:10畳(16.2㎡)
  • ・外気温:5℃
  • ・室温:18℃
  • ・熱損失係数:2.8(W/㎡・K)断熱等性能等級6注1
  • ・ガスシステム効率:0.7(ガスコージェネレーションシステムの場合注2)
  • ・1立方メートルあたりの都市ガス料金:111.95円/㎥(中部電力のカテエネガスプラン3の料金を参考注3)

※出典:国土交通省 住宅性能表示制度における省エネ性能に係る上位等級の創設(注1)
※出典:日本ガス協会 ガスコージェネレーションシステムの仕組み・種類 | 日本ガス協会 (gas.or.jp)(注2)
※出典:中部電力ミライズ カテエネガスプラン3|個人のお客さま|中部電力ミライズ (chuden.co.jp)(注3)

1ヶ月あたりのランニングコストは、以下の式で計算できます。

①1ヶ月あたりの暖房のランニングコスト=1ヶ月の使用電力量÷1,000×電力1kwあたりの料金

1ヶ月あたりの暖房のランニングコストを計算するために、まずは使用電力量を求めます。使用電力量を求めるには以下の式を計算します。

②1ヶ月の使用電力量=q(暖房負荷)÷ガスシステム効率×1日の使用時間×30日

(q)暖房負荷を求めるためには、以下の簡易暖房負荷計算式を使います。

③q(暖房負荷)= A(暖房面積:㎡)×Q(熱損失係数)×ΔT(室内と外気温の温度差)

出典:床暖房で快適.com 「床暖房Q&A」 床暖房のランニングコストの計算方法を教えてください。(①~③)

ここに前提条件を当てはめながら計算をおこないましょう。

④q(暖房負荷)=16.2㎡×2.8(W/㎡・K)×13度=589.68

この数字を②の式に当てはめると、1ヶ月の使用電力量が求められます。

②1ヶ月の使用電力量=589.68÷0.7×8×30=202,176wh

これを①の式に当てはめると、1ヶ月あたりのランニングコストの試算が可能です。

①1ヶ月あたりの暖房のランニングコスト=202,176wh÷1,000×(111.95円/m3 = 8.76円/kw) = 1,771円/月

前提条件にもよりますが、長時間、多くの面積に対して床暖房を使うのであれば、電気式床暖房よりもガス温水式床暖房のほうがお得になります。

3 床暖房のガス代を
節約するには?

ガス温水式床暖房は床を素早く均等に温めてくれる便利な暖房器具ですが、動かし続けていると一定のガス代がかかります。近年ガス代は単価の上昇が続いており、ガス代を節約することが家計にとって重要といえます。

そこで、床暖房を賢く使いながら無理なくできるガス代の節約方法について見ていきましょう。

スイッチの頻繁なON/OFFを控える

スイッチの頻繁なON/OFFを控えることも、ガス代の節約に繋がります。

「温まったら消す」「寒くなったらつける」を繰り返し、床暖房が動いている時間を短くしたほうが節約になると思われるかもしれませんが、実際はスイッチを入れるときにもっとも多くのエネルギーを消費するため、ON/OFFを繰り返すのは逆効果です。

もっともガス代を節約できるのは、使うときは低めの温度でつけっぱなしにしておくこと。温度を抑えると、暖房を起動させながら使用するガス代を抑えられます。

タイマーや省エネモードを活用する

多機能なガス温水式床暖房であれば、タイマーや省エネモードを活用することで快適な環境を保ったままガス代の節約ができます。

例えば、タイマーを活用して外出や就寝の30分前にオフにすれば、在宅中・就寝前は余熱で床が温かいまま過ごしつつ、起動時間を短縮することが可能です。

省エネモードは、部屋の温度にあわせて暖房の強さを調整してくれる機能。温まってきたら温度を下げるといったこまめな調整を意識的にしなくても、快適な温度を保ちながら、必要以上にガス代がかかるのを抑えてくれます。

こういった機能を活用することで、こまめな調整をおこなうことなく、過ごしやすい温度を維持したままガス代を節約できます。

カーペットやラグは敷かない

床暖房を使う場合、カーペットやラグは敷かないほうがおすすめです。

床暖房を使う場合に重要なのは、床からの熱の伝わりやすさ。床にカーペットなどを敷いていると床からの熱を吸収してしまうため、暖房効率が落ちてしまいます。

また、床やカーペットの上から温かさを感じるためには暖房の温度を上げる必要があるため、ガスを余分に使ってしまう恐れもあります。

暖房器具を組み合わせる

コストがかかりにくい他の暖房器具と組み合わせることで、ガス代の節約に繋がります。

例えば、エアコンは部屋全体を暖めるのに最適です。床暖房とエアコンを併用して、エアコンは空気を暖めるために活用し、床暖房はあくまで床を温める目的に使用するようにしてみましょう。

床暖房は床を温めることだけを目的とすれば設定温度を低くでき、ガス代を抑えられます。

カテエネ研究所「エアコン、ファンヒーター、ストーブ…暖房機器のなかで最も早く暖めてくれるのはどれ?」

4 契約しているガス会社や
プランの見直しも

ガスの使い方の見直しに加えて、契約自体の見直しも大幅なガス代の節約に繋がる可能性があります。近年、ガスの小売り自由化により、多くの会社が独自に設定したプラン料金でガスの提供をおこなっています。

基本料金が安く、あまり自宅でガスを使わない一人暮らし向けのプランもあれば、ガス使用量が多いファミリー向けの従量単価が安いプランもあります。利用状況に合ったプランやガス会社に契約を変更すれば、ガス代を節約できる可能性があります。

例えば、中部電力ミライズの「カテエネガスプラン3」はガス温水式床暖房をお使いの人におすすめの料金設計がされています。「電気とセット」(カテエネガスセット)で、よりおトクにご利用いただけます。(注)東邦ガス「床暖トクトク料金1種(乾燥割引なし)」と比べた場合

また、「カテエネ」に利用登録すると、電気・ガスの使用量や料金を月ごとに確認できます。

電気・ガスの使いすぎの見直しになるだけでなく、最適なプラン選択のために使い方を把握するうえでも便利です。

電気・ガスの料金の確認や支払いでポイントがたまることも大きなメリットとなるでしょう。
「カテエネ」は無料で登録・利用が可能です。ぜひご登録ください。

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5 まとめ

ガス温水式床暖房は床を素早く温めるのに適しており、寒い冬でも快適な室内環境を保ってくれる便利な暖房器具です。しかし、ガス温水式床暖房を使う際は一定のガス代がかかります。

ガス代が高騰するなかで暖房費用を抑えながら床暖房を使うには、工夫を重ねながら賢く使うことが重要です。ガスの契約を見直し、ライフスタイルに合わせたプランを選択することが求められます。

中部電力ミライズが提供する家庭向けWEBサービス「カテエネ」では、ガスの毎月の使用量を簡単に確認できます。登録は無料で、電気代の支払いに使えるポイントもためられるお得なサービスです。ガス代を上手に節約するためにも、ぜひご利用をご検討ください。

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