大河ドラマで注目高まる名古屋城!
親子で楽しく歴史を学べる
めぐり方を徳川家康が伝授⁉
vol.
06
学び・子育て
徳川家康が築城を命じ、その後は尾張徳川家の居城として江戸時代から名古屋の繁栄を支えてきた名古屋城。現代でも、国内外からの観光客が絶えない名古屋のシンボル的存在となっています。
2023年1月からは、徳川家康を題材とした大河ドラマがスタート。波乱万丈な家康の生涯が描かれるドラマの放送を機に、家康が築いた名古屋城へと足を運んでみてはいかがでしょうか。
今回は、名古屋にゆかりある6人の武将と4人の陣笠で結成された「名古屋おもてなし武将隊」の一人・徳川家康さんに、親子で楽しむ名古屋城のめぐり方を案内していただきました。
お話を伺ったのは…
名古屋おもてなし武将隊 徳川家康さん
長き戦乱の世に終止符を打ち、260年もの平和な世を築いた初代江戸幕府将軍。2009年に現代に甦り、名古屋城を拠点に名古屋の魅力を全国に発信。甦った
家康は、多くの人から慕わ
れる熱く優しい性格。話が
脱線してしまうこともしばしば
あるが、持ち前の知識量で
名古屋城の魅力を伝えて
いる。
徳川家康が築いた名古屋城は
どんな城?
最初に知っておきたい
名古屋城のキホン
徳川家康率いる東軍と石田三成率いる西軍による関ヶ原の戦い。この戦で勝利した家康は、天下統一の最後の布石として名古屋城の築城を大名らに命じました。家康の九男・義直が初代藩主として入城。そして江戸時代が続いた260年もの間、名古屋城は尾張徳川家の拠点として名古屋の繁栄を見守ってきました 。
明治時代以降も大切に保存されていた名古屋城ですが、第二次世界大戦末期である1945(昭和20)年の名古屋大空襲で天守、本丸御殿など主要な建造物が焼失しました。その後、市民たちの声により1959(昭和34)年に、天守閣などを鉄骨鉄筋コンクリート造で再建。さらに本丸御殿は、10年におよぶ復元計画を経て、2018(平成30)年に現代へと蘇りました。
名古屋おもてなし武将隊の
徳川家康が案内!
親子で楽しむ名古屋城の
スポット5選
日頃から名古屋城で観光客に案内をしている「名古屋おもてなし武将隊」の徳川家康さん。今回は親子で楽しく歴史を学ぶきっかけになるようなスポットを5つ厳選し、紹介していただきました。ぜひ名古屋城観光の際に参考にしてみましょう。
家康親子が必勝祈願した「カヤの木」
名古屋城の正門をくぐってすぐの場所に現れるのが「カヤの木」です。国の天然記念物に指定されており、樹齢は600年以上ほど。この木は、初代藩主であり家康の九男・徳川義直と家康が、大坂の陣に出る際に戦勝祈願をした場所だと言われています。
名古屋おもてなし
武将隊・徳川家康の
おすすめポイント
名古屋の街は名古屋城とともに築き上げられてきた。ゆえにこのカヤの木は、城だけでなく街の成長を長らく見守ってきた樹木なのじゃ。現代に生きる皆々のおじいさんやおばあさんのような存在と思うてほしいのう。
400年前の姿を蘇らせた
豪華絢爛な「本丸御殿」
「本丸御殿」は、かつて尾張藩主の住居かつ藩の政庁として建てられ、のちに将軍専用の宿館とされました。江戸時代の先端技術を注いだ“近世城郭御殿の最高傑作”とも称されており、天守閣と同時に城郭として旧国宝第一号にも指定されています。
一度は空襲で焼失してしまったものの、10年の月日をかけて忠実に復元され、現在は中に入って見学することもできます。現代の匠たちが技巧を凝らして造り上げた天井や欄間、飾金具などは、息をのむほど美しく繊細。部屋ごとに異なる障壁画の輝きにも、圧倒されること間違いなしです!
写真提供:名古屋城総合事務所
名古屋おもてなし
武将隊・徳川家康の
おすすめポイント
当時のありとあらゆる高貴なものを集めた、世界一豪勢なデザイナーズホテルであったと思うぞ。子どもたちには、虎と豹の親子が描かれた障壁画『竹林豹虎図』を見てほしいのう。実は当時、豹はメスの虎と考えられておったんじゃ。ゆえにこれは父上、母上、子どもの家族を描いたものなのだと知って見てみるとおもしろいじゃろう。
写真提供:名古屋城総合事務所
史上最大規模の延床面積を誇る
「天守閣」は旧国宝第一号
1930(昭和5)年、城郭として旧国宝第一号に指定された「天守閣」。史上最大の延床面積を誇り、高さは天守台の石垣も合わせると55.6mと、当時、徳川家康が建てた江戸城に次ぐ大きさです。敷地内の一番高い場所に建てることで、城内外の監視をしたり、権威を敵に知らしめたりするなどの役割を果たしました。
天守閣の頂には、徳川家の権威を示す金シャチが輝いています。北側の雄の高さは2.621mで重さ1,272kg、南側の雌は2.579mで1,215kg。意外と大きくて重いことをご存じでしょうか。
現在、天守閣は設備の老朽化や耐震性の確保などの問題に対応するため、一時閉館していますが外から見学することはできます。
名古屋おもてなし
武将隊・徳川家康の
おすすめポイント
わしがこの城を築いた時は、ほかの城よりも圧倒的な大きさを誇っていたのう。18階建ての高層建築に相当するぞ。てっぺんにある金のシャチホコにも注目じゃ。子々孫々と繁栄し無病息災を願うわが想いを込めておる。
制限時間1分で石垣の「刻紋」を
いくつ発見できるか?
城内の石垣には、一つひとつの石にさまざまな種類の「刻紋」が彫られています。これは石垣工事を行った大名20家が、自分たちの運んだ石を区別するために付けたもの。
家康さんが案内する際、「1分間で刻紋をいくつ見つけられるか?」といったゲーム形式にして楽しんでもらうこともあるのだとか。子どもだけでなく、お父さんお母さんも夢中になって盛り上がるそうですよ。
名古屋おもてなし
武将隊・徳川家康の
おすすめポイント
本丸御殿付近の石垣は、一番刻紋が見つけやすい場所になっておる。刻紋を探す子どもらの姿はとてもかわいらしいものじゃよ。また親子で勝負となると、皆々いい戦いをしよるぞ。ぜひ家族で挑戦してみるがよい。
推定10トンの巨大な「清正石」は実は〇〇石⁉
最後のおすすめは、名古屋城の石垣で最も大きい「清正石」。名古屋城の石垣づくりで大活躍した城造りの名手・加藤清正が運んだと伝えられたことから名付けられました。石の重さはなんと約10トンにもなります。
しかし実のところ、この石を担当したのは黒田長政でした。清正石は実は長政石だったんですね。清正石のエピソードは、単なる説話に過ぎなかったようです。
名古屋おもてなし
武将隊・徳川家康の
おすすめポイント
親も手に負えんやんちゃなわっぱ(子ども)であった加藤清正だが、武士になってゆくと戦にも強く、城も造れる最強の男になっていった。どのような子であれ、しかと成長すれば立派な大人になれるぞということを親子で話してほしいのう。
名古屋城を訪れたら
あわせて楽しみたいポイント
今回はさらに、お子さんと楽しむためのプラスアルファの情報も家康さんに教えていただきました。
グルメも楽しめる「金シャチ横丁」で金シャチと記念撮影
天守閣を眺めたら、ピカピカと輝く金シャチを目の前で見てみたくなるはず。名古屋城から徒歩ですぐの場所に、義直ゾーンと宗春ゾーンに分かれて飲食店やみやげ店が並ぶ「金シャチ横丁」があります。
名古屋城正門側にある義直ゾーンのみやげ店「鯱上々」には、金シャチの実物大レプリカが鎮座。記念撮影はもちろんのこと、金シャチの実際の大きさを体感することもできます。店舗に並ぶ名古屋みやげもチェックしてみてくださいね。
名古屋おもてなし
武将隊・徳川家康の
おすすめポイント
城と双璧をなして名古屋の魅力と言えるのが、なごやめし。名古屋城にて城を眺め、金シャチ横丁にてなごやめしを食らう。そして、金シャチと記念写真を撮る。これで名古屋城での思い出は完璧じゃ!
迫力満点の
サムライ・ニンジャショー!
城内で週末に開催されるサムライ・ニンジャショーも、欠かせない魅力の一つ。殺陣やダンスなどで楽しく歴史を学べる武将隊の演武と、忍者隊のアクロバティックなパフォーマンスで盛り上がります。
また平日でも、武将隊と忍者隊が皆さんをおもてなししてくれます。直接お話が聞けることによって、子どももさらに歴史に興味を持ってくれそうですね。
名古屋おもてなし
武将隊・徳川家康の
おすすめポイント
われらがどう生きたか、どう戦ったかをわかりやすく描いた演武にぜひ足を運んでほしいのう。小さい子どもらが楽しめる「忍者体操」という踊りも用意しておるぞ。
まとめ
今回は「名古屋おもてなし武将隊」の徳川家康さんに、メインスポットの天守閣や本丸御殿はもちろんのこと、穴場的な石垣のことまで、親子で楽しむコツを教えていただきました。歴史が根づく場所は、実際に足を運ぶことで感じることもたくさんあるでしょう。
ぜひ家康さんのおすすめを参考にしながら名古屋城を歩き、尾張名古屋の歴史を親子で楽しく学んでみてくださいね。
施設情報
写真提供:名古屋城総合事務所
名古屋城
TEL:052-231-1700
住所:愛知県名古屋市中区本丸1-1
営業時間:9:00~16:30(本丸御殿・西の丸御蔵城宝館は~16:00)
定休日:12月29~31日、1月1日
観覧料:大人500円、中学生以下無料
https://www.nagoyajo.city.nagoya.jp/