家電の省エネポイント【冷蔵庫編】
ちょっとした工夫の積み重ねで、冷蔵庫の省エネを実現しましょう!
冷蔵庫は、24時間365日稼働するという意味では、家電の中で最も働き者な機器の一つです。冷蔵庫の省エネ性能は年々上がっていますが、使い方によってさらに省エネを実現することができます。
冷蔵室や野菜室には、ものを詰め込みすぎない!
冷蔵室や野菜室は、空気を循環させることで庫内の温度を一定に保っています。そのため、食品を詰め込みすぎると、庫内の空気が循環しづらくなるため、温度ムラが生じてしまうことがあります。食品は、庫内の「7割程度」を目安に入れるといいでしょう。
庫内に食品がたくさんあると、目的のものを出し入れしづらくなってドアの開閉時間が長くなり、余計な電気を使うことにもなってしまいます。
そうは言っても、実際には詰め込んでしまうこともありますよね?そんな時は、冷気の吹き出し口をふさがないように気をつけましょう。場合によっては電気使用量が約1.2倍になることも!
詳しくは、「みんなが知らない豆ちしき」の「第8回:電気使用量No.1の冷蔵庫!(後編)整理整頓するとどれだけ省エネになるのか知りたい!」もご参照ください。
冷凍室は、しっかりと詰め込む!
冷凍室の場合は、冷蔵室や野菜室と逆です。冷凍室の場合、食品をたくさん詰め込んでおいた方が効率的に冷やすことができます。なぜかというと、冷蔵室や野菜室は「冷気の通り道」が重要なのに対し、冷凍室は「食品同士がふれあうこと」が重要なためです。
冷凍室では-18℃前後まで冷やして食品がカチカチに凍っているため、食品同士が「保冷剤」のような役割を果たします。気体(冷風)で食品を冷やすより、固体(冷凍した食品)で冷やす方が効率的に冷やせるというわけです。
ドアの開閉は素早く、回数もなるべく抑える!
冷蔵庫のドアの開閉は、なるべく素早く行うようにしましょう。開閉時に庫内の空気が漏れて温度が上がってしまうためです。
JEMA(一般社団法人 日本電機工業会)の「冷蔵庫 省エネのポイント 上手な使い方編」によると、ドアの開閉回数を半分に減らすことで約12%省エネになった例や、開閉時間を半分に減らすことで約5%の省エネになった例があります。
冷蔵室、野菜室、冷凍室、それぞれ省エネポイントは違いますが、ちょっとした工夫が省エネにつながります。どれも今日からできることですので、是非、参考にしてみてください。
ライター:安蔵 靖志(あんぞう・やすし)
IT・家電ジャーナリスト 家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)。AllAbout 家電ガイド。日経BP社「日経ネットナビ」「日経ネットブレーン」「デジタルARENA」「日経トレンディネット」などを経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ〜ンの家電ソムリエ」に出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの構成などにも携わっている。