怪談話や肝試しは、夏の風物詩として定着していますよね。
みなさんも「背筋が凍る」「寒気がする」・・・、暑さを忘れてしまうような体験したこと、ありませんか?
だったら、そんな「怖さ」を活用すれば、夏もクールに乗り切れるのでは?
そこで、今回は、真夏の熱帯夜を再現、ホラーを見ると本当に涼しく過ごせるのかを実験しました。
夏の夜を再現した部屋で、テレビを視聴
「夏だし、ホラーでも見ようかな・・」、そんな気分になりそうな「熱帯夜のリビング」を再現し実験しました。
実験概要
- 設定環境:屋外環境を外気温度30℃、外気湿度68%※1、エアコンを27℃に設定
- 皮膚の表面温度測定方法:「鼻」「指」「額」「上腕部」の4ヶ所に温度センサ※2を装着、サーモグラフィでも体温変化を測定。
- 実験参加者は夏の服装で、15分間ホラーを視聴。
- 年齢・性別が様々な被験者8名を対象に実施。
- ※1 アメダスデータによる昨年8月中旬の17時~24時の平均程度としました。
- ※2 温度センサ:二種類の異なる金属導体で構成された温度センサである「熱電対」を使用。
たしかに「ゾクっとする」人は発見できましたが、測定した皮膚温度に大きな変化はありませんでした。
「怖い話は納涼につながる。」そのことに、科学的な根拠はあるのでしょうか。
実験で得られた、温度センサ、サーモグラフィによるデータを検証!しかし・・・、ホラーを鑑賞することで、「鼻」と「指」の皮膚温度が若干下がったものの、大きく変化するということはありませんでした。
ただ、参加者に聞いてみると「ゾクっとする」「鳥肌が立つ」「寒気がする」という声も。
恐怖や不安を感じることで交感神経が反応し、肌や末端の血管は収縮、体の表層温度が一瞬下がるともいわれているので、数字には表れないものの、心理的には涼しく感じられるといえるかもしれません。
ホラーでも消費電力に差はなし?
怖い内容の映像って、なんとなく画面が暗い印象がありませんか?
ひょっとして明るい場面が多い映像に比べて、消費電力が抑えられて省エネになるのかも!
そこで、コメディを視聴した場合と消費電力を比べてみました。
テレビの液晶画面は、テレビの内部、画面の裏側からバックライトで照らして画像を映し出しているので、液晶画面の明るさを暗めに設定すると、バックライトに使う電力を低減できるんです。
(テレビの「省エネモード」機能は、画面の明るさを暗くしたり音量を低く抑えることで消費電力を削減します)
視聴時間は同じく15分間、ホラー動画再生後、コメディ動画再生後、果たして消費電力の差は・・・。
残念ながら、「ホラー動画153.2W、コメディ動画152.7W」と、大きな差は見られませんでした。
今回の動画が偶然、明るさにそれほど差のない動画だったからでしょうか?
どうやら、ホラーやコメディなどのコンテンツの質にはあまり関係なく、実際にテレビ画面の明るさや音量を調整して抑えないと、省エネには繋がらないようです。
各作品再生中のテレビの消費電力(全8回の平均値)
ホラー | コメディ | |
---|---|---|
テレビの消費電力(W) | 153.2 | 152.7 |
昔から日本人は「怖い話」を楽しんできました。はじまりは、「お盆の季節に霊を敬うという風習から」とも、
「江戸時代に歌舞伎の夏の演目で「怪談話」が大ブームになったから」ともいわれていますが、程度の差はあっても、大人も子供も好きな人は多いですよね。
そう考えると夏のホラーは「楽しくて」しかも「涼しく感じる」、一石二鳥なエンターテイメントと言えそう!
みなさんも、夏の涼のひとつに「怖い話」を選んでみるのはいかがでしょうか?