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アンペア(A)と他の単位との違い
電気に関する主な単位には、アンペアの他にボルトやワットがあります。この2つの違いを理解することで、より電気を正しく使えます。
2.1. ボルト(V)との違い
ボルト(V)は電圧の単位であり、電気を押し出す力を示します。電流を流すために必要な圧力のようなもので、数値が高いほど強い圧力であることを意味します。日本のご家庭の場合、通常は100Vとなっています。
アンペアとの違いは、アンペアが電気そのものの量を表すのに対し、ボルトは電気を流すための力を示している点です。
2.2. ワット(W)との違い
ワット(W)は電力の単位で、1秒間あたりに消費される電気エネルギーを示します。電圧(V)とアンペア(A)の掛け算「V×A」で計算されます。例えば、100Vで10Aの電流が流れる場合、消費電力は1,000Wとなります。
アンペアとの違いは、アンペアが電気そのものの量であるのに対し、ワットは消費される電気の大きさを示しています。
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契約アンペア数を調べてみよう
現在の契約アンペア数を確認することは、最適な契約を選ぶ際の判断基準となります。契約アンペア数は以下の2つの方法で確認できます。
3.1. ウェブ検針票で確認する
ウェブ検針票を使って、以下の手順で契約アンペア数を確認できます。
- 現在契約されている電力会社の公式ウェブサイトにアクセスします。多くの電力会社では顧客向けのマイページを提供しています。
- ウェブサイトにログインします。ログインにはアカウントが必要です。アカウントを持っていない場合は事前に登録をおこないましょう。また、アカウントにログインする際には、IDとパスワードが必要です。
- ログイン後、マイページ内の契約情報や電気料金プランの項目を探します。多くの場合、ここに契約アンペア数が記載されています。
ウェブ検針票を利用することで、時間や場所を問わず契約アンペア数を確認できます。中部電力ミライズが提供する家庭向けWEBサービス「カテエネ」でも無料で契約アンペア数を確認できますので、ご契約中の方はぜひご活用ください。
また、紙の検針票でも請求金額を確認できます。電力会社によってはウェブ検針票の他に紙の検針票を発行している場合があります。なお、中部電力の自由メニューでは紙の検針票を発行しておらず、紙で確認する場合は有料で請求書を発行する必要があります。
3.2. 分電盤(ブレーカーボックス)で確認する
分電盤(ブレーカーボックス)で契約アンペア数を確認する場合は、以下の手順で確認できます。
- 分電盤の位置を確認します。分電盤は一般的に、玄関付近の廊下やキッチン、洗面所付近の壁に設置されています。
- 分電盤のカバーがついている場合は分電盤のカバーを開けます。カバーは通常、手前に引くか、横にスライドさせることで開きます。カバーを開ける際は、感電の危険がないよう、濡れた手で触れないように注意しましょう。
- 分電盤の主幹ブレーカーを探します。主幹ブレーカーは通常、他のブレーカーよりも大きく、上部に設置されています。このブレーカーに記載されている数値(30A、40A、50A、60Aなど)が現在の契約アンペア数となります。
- 確認が終わったら、カバーをしっかりと閉めて元の状態に戻します。
以上の手順で、ご自宅の契約アンペア数を確認できます。分電盤の操作に不安がある場合は、電力会社やお近くの電気工事店にご相談ください。
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契約アンペア数を見直すメリット
続いて、契約アンペア数を見直すことによる具体的なメリットを2点ご紹介します。
4.1. ブレーカーが落ちるのを防げる
契約アンペア数が適切に設定されていれば、ブレーカーが落ちるのを防ぐことができます。契約アンペア数が多ければ基本料金は上がりますが、同時に多くの家電製品を使用できるため、安定した電気の使用が可能です。
一方、アンペア数が少なすぎると、必要な電力を供給できず、頻繁にブレーカーが落ちることになります。特に、冬場の暖房器具の使用時や複数の大型家電製品の同時使用時、在宅ワークで電気使用量が増えた時などは、ブレーカーが落ちやすくなります。日常生活での電気の使用状況に合わせて、適切な契約アンペア数を選択することが重要です。
4.2. 節電対策になる
契約アンペア数が適切に設定されていると、以下のような節電効果が期待できます。
●基本料金の削減
必要以上に高いアンペア数で契約していると、基本料金が高くなってしまいます。実際の生活スタイルに合わせて適切なアンペア数に変更することで、無駄な出費が抑えられます。
●電力消費の意識向上
アンペア数の検討に際しては、ご家庭での電気の使い方を振り返ることになるでしょう。これにより、普段の電気の使用状況を意識するようになり、自然と節電の意識が生まれます。
●使用状況に応じた契約
ご家庭の電気の使い方や季節ごとの使用状況に合わせて契約を調整することで、必要な電力はしっかり確保しながら支出を抑えることができます。特に単身や少人数の世帯では、契約アンペア数を見直すことで大きな節電効果が期待できます。
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契約アンペア数を変更する方法と注意点
契約アンペア数をどのように変更したら良いのか分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。ここでは、契約アンペア数を変更する方法と注意点について、4つのポイントをご紹介します。
5.1. ウェブまたは電話で手続きをする
多くの電力会社では、以下のような方法で手続きが可能です。
【ウェブの場合】
- 電力会社のウェブサイトからログイン
- 契約内容変更ページからご希望のアンペア数を選択
- 必要に応じて工事の日程調整
【電話の場合】
- カスタマーセンターに連絡
- 最新の契約内容を確認 ・変更希望のアンペア数を伝える
- 工事が必要な場合は日程を調整
いずれの方法でも、ご都合に合わせて簡単にお手続きいただけます。
中部電力ミライズのアンペア(容量)・契約名義の変更はこちら
5.2. アンペア数を契約できるのは一年に一度のみ
夏は冷房、冬は暖房で電気をたくさん使うため、電気の使用量が少ない春や秋に契約アンペア数を下げて電気料金を節約したいと考える方もいるのではないでしょうか。
しかし、電気の契約は基本的に年間契約となっており、契約アンペア数は一般的には年に一度しか変更できません。使用量が少ない季節だけ契約アンペア数を下げることはできないため、年間を通してもっとも電気を使用する時期に合わせて契約アンペア数を決める必要があります。
家族構成の変化や、新しい家電製品の購入、在宅ワークなど生活スタイルの変化なども考慮しながら、適切な契約アンペア数を選びましょう。
5.3. 集合住宅は大家さんや管理会社に確認が必要になる場合もある
集合住宅でアンペア数を変更する場合は、基本的に次の3つのステップで進めます。
STEP1:必要なアンペア数を決める
一人暮らしなら20〜30A、家族暮らしなら40A以上を目安にアンペア数を決めます。
STEP2:大家さんや管理会社に相談する
建物によって使える電気の量が決まっているため、必ず大家さんや管理会社への確認が必要です。工事が必要な場合は、費用負担や原状回復の確認も忘れないようにしましょう。
STEP3:電力会社に連絡する
大家さんの許可が出たら、電力会社に連絡します。古いメーターの場合はブレーカーの取り替えが必要な場合もあります。
トラブル防止のため、順番を守って丁寧に進めることが大切です。
5.4. 古い物件だと使用できる最大電力量が低い場合もある
古い物件では電気の使用に制限があることが多いため、入居前にしっかり確認しましょう。
古居物件は当時の電力需要に合わせて設計されているため、配線が細かったり、ブレーカーの容量が小さかったりします。特に古い配線方式の物件では、契約アンペア数を30A以上に増やすことが難しい場合もあります。
このような制限は配線工事やブレーカーの交換で改善できることもありますが、工事費用がかかります。賃貸物件の場合は大家さんに相談し、工事をする価値があるか検討することをおすすめします。
工事が難しい場合は、生活の工夫でも対処はできます。電子レンジと掃除機など、電力を多く必要とする家電製品を同時に使わないようにする、消費電力が小さい家電製品を選ぶようにするなど、使い方を工夫することで問題を解決できることもあります。
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契約アンペア数の決め方とポイント
正しいアンペア数を選ぶためには、以下の2つの視点から検討する必要があります。
6.1. 使用する家電製品の量で決める
必要なアンペア数は、家庭でよく使う家電製品の消費電力をもとに計算します。家電製品には必ずワット数の記載があるので、確認しましょう。
例えば、2,000Wのエアコンと1,300Wの電子レンジを同時に使うときの必要なアンペア数は、次の式で計算できます。
(2,000W+1,300W)÷100V=33A
つまり、この2つの家電製品を同時に使うには、最低でも40アンペアの契約が必要になります。特に朝や夜など、家電製品をたくさん使う時間帯を考えて、必要なアンペア数を決めましょう。ブレーカーがよく落ちる場合は、アンペア数を増やすことを検討してみてください。
6.2. 世帯人数から決める
何人で生活するのか、その人数から判断できる推奨アンペア数は以下のとおりです。
- 1人:20A~30A
- 2人~3人:40A
- 4人:50A
- 5人:60A
契約アンペア数は、ご家庭の生活スタイルに合わせて調整するのがおすすめです。例えば、家で仕事をしている人は日中も電気を使うので、通常より大きめの契約が良いでしょう。お年寄りがいる家庭では熱中症や寒さの対策でエアコンを使うことが多いでしょうから、同じように余裕のある設定が必要です。
特に冬場は暖房で電気をたくさん使うので、冬場を基準に、年間を通して困らない契約を選びましょう。ただし、前述のとおり契約アンペア数を大きくすると料金も高くなるので、ご家庭の状況に合わせて決めるのがポイントです。
なお、中部電力をご利用されているお客さまの月間の消費電力量の目安(注)は、契約アンペアが30A以下の方が契約できるポイントプランで100~250kWh、契約アンペアが40A以上の方が契約できるおとくプランで200~450kWh、契約アンペア70A以上の方が契約できるとくとくプランで350kWhとなっています。
あくまで目安の数値ではありますが、上記でご紹介した人数あたりの推奨アンペア数と照らし合わせ、適切な契約を選択しましょう。
- (注)各プラン利用者1か月あたりの使用量目安(年間平均)
中部電力ミライズの電気料金メニュー