1
冷房と除湿の違いとは?
エアコンの冷房と除湿はどちらも室内の快適性を高めるための機能ですが、そのしくみや使用場面に違いがあります。
冷房は、室内の温度を下げることを主な目的としています。気温が高く、暑さが厳しい時期に活躍します。エアコンが室内の熱を含んだ空気を取り込んで冷やしたあと、冷たい空気を室内に吹き出すことで室温が下がるしくみです。
一方で、除湿は室内の湿度を下げることが主な目的です。湿度が高く蒸し暑い時期だけでなく、梅雨時期や夏の朝晩など、気温が比較的低く湿度が高い場合にも活用できます。エアコンが取り込んだ空気を冷やして水分を集めたあと、乾燥した空気を室内へ吹き出すことで湿度が下がるしくみです。
冷房と除湿を状況に応じて適切に使い分けることで、より効果的に快適性を高められます。
2
除湿の種類
エアコンの除湿機能は主に、再熱除湿と弱冷房除湿、ハイブリッド除湿の3種類があります。ここでは、それぞれの除湿方式のしくみと特徴、そして電気代への影響について説明します。
なお、除湿方式の種類をエアコンの外見から判断することは困難です。知りたい場合は、カタログや取扱説明書を確認するか、メーカーへお問い合わせください。
2.1. 再熱除湿
再熱除湿は、取り込んだ空気を冷やして除湿したあと、再び温めてから室内に吹き出すしくみです。
再熱除湿の特徴は、湿度を下げつつ室温をあまり下げないことです。そのため、蒸し暑い時期だけでなく、梅雨時期や夏の朝晩など、湿度が高く気温が低めの時期の使用にも適しています。
ただし、空気を加熱するため、3つの除湿方式の中でもっとも電気代がかかります。
再熱除湿の機能はメーカーによって異なります。詳しくは、各メーカーのホームページやカタログで確認するのが確実です。
2.2. 弱冷房除湿
弱冷房除湿は、取り込んだ空気を冷やして除湿したあと、そのまま室内に吹き出すしくみです。
再熱除湿のように冷えた空気を再び温めることはしないため、湿度と室温の両方が下がる特徴があります。冷房よりも少し弱い力で除湿するため、室温を大きく下げずに湿度を下げたい場合に効果的です。
風量が抑えられるぶん、電気代は冷房よりもやや安くなる傾向があります。
リモコンに「除湿」とだけ表示されている場合は弱冷房除湿の可能性が高いですが、機能の名称はメーカーによっても異なります。
2.3. ハイブリッド除湿
ハイブリッド除湿は、再熱除湿と弱冷房除湿の両方を組み合わせた方式です。
季節や室温に応じて2つの方式を使い分けられるため、年間を通じて効率的に除湿できるのが特徴です。
電気代は機種や使用状況によっても変動しますが、一般的に弱冷房除湿よりは高く、再熱除湿よりは安くなる傾向があります。
ハイブリッド除湿機能の名称はメーカーによってさまざまです。また、ハイブリッド除湿は、各メーカーの上位モデルに搭載されていることが一般的です。
3
冷房と除湿の電気代はいくら?
基本的に冷房と除湿の消費電力に大きな違いはありませんが、除湿の方式によって電気代が変わります。一般的に、以下の順が電気代の安さの目安となります。
弱冷房除湿 < ハイブリッド除湿 < 冷房 < 再熱除湿
弱冷房除湿は風量が冷房より弱く、ハイブリッド除湿は冷房よりも効率的な運転が可能なため、消費電力が抑えられて電気代が安くなる傾向にあります。
一方で、再熱除湿は冷やした空気を再び温めるため、もっとも電気代がかかります。冷房と比べても再熱除湿のほうが電気代は高くなりやすいでしょう。
ただし、実際のエアコンの電気代は室温と設定温度の差、使用環境などによって大きく変動します。そのため、「冷房のほうが高い」「除湿だから安い」と一概に言い切ることはできません。
電気代を抑えるには、室内の温度や湿度に合わせて適切な機能を選ぶことが重要です。
4
冷房と除湿の電気代を節約するには?
ここでは、冷房と除湿の電気代を抑えるための6つのポイントを紹介します。自身に合った方法を実践することで、快適さを維持しながら電気代を節約できます。
4.1. 気温や湿度にあわせて使い分ける
エアコンの機能を気温や湿度に合わせて適切に使い分けると、消費電力を抑えて効率的に使えます。
湿度が高い日は除湿を、猛暑日には冷房を使用するのが効果的です。例えば、猛暑日に除湿モードのままだといくら設定温度を下げても部屋が冷えにくく、結果的に電気代が高くなる可能性があります。
なお、以下の記事では、真夏の熱がこもった室内を効率的に快適にする方法を紹介しています。室温と省エネの両面から解説していますので、ぜひあわせてご覧ください。
カテエネ研究所「冷房vs除湿。真夏、外出から帰ってきたら、どっちを選ぶ?」
4.2. 風量を自動設定にする
エアコンの風量を自動設定にすることで、電気代を節約できます。
自動運転モードでは、エアコンが部屋の人数や状況を判断して最適な気流を作り出し、運転効率を上げるためです。また、多くのエアコンにはエコ機能が搭載されており、省エネ運転に自動で切り替わります。
これにより、無駄な電力消費を抑えつつ快適な環境を維持できます。
4.3. サーキュレーターや扇風機を使う
サーキュレーターや扇風機を使って部屋の空気を循環させると、冷たい空気が均一に広がり、温度ムラを解消できます。その結果、エアコンの効率が上がり、消費電力を抑えられます。
冷房時はサーキュレーターや扇風機をエアコンに向かって配置するとともに、上に向けて使用すると効果的です。こうすることで空気の流れを作り、下のほうに溜まりやすい冷気を室内に均等に分散できます。
4.4. 窓の遮熱対策をおこなう
窓からの熱の侵入を防ぐことで室内の温度上昇を抑え、エアコンの負荷を軽減できます。
例えば、遮光カーテンやグリーンカーテン、すだれ、よしずなどが手軽な遮熱対策として挙げられます。また、透明な断熱フィルムや緩衝材(プチプチシート)を利用すれば、光を取り入れつつ効果的に断熱可能です。
さまざまな遮熱対策の中から、ご家庭に合った方法を選択しましょう。
4.5. 定期的にフィルター掃除や室外機掃除をおこなう
エアコンの効率を維持し、電気代を抑えるには、定期的なメンテナンスが欠かせません。
取扱説明書を確認し、室内機のフィルター掃除や室外機の周囲の清掃を定期的におこないましょう。もし、室外機の吹き出し口をふさぐ障害物がある場合は、掃除の際に片付けたり移動したりすることをおすすめします。
また、可能であれば室外機を日陰に設置すると、エアコンの運転効率向上も期待できます。
4.6. 電気料金プランの見直しやセット割にできないか検討する
電気の使用パターンに合わせて料金プランを見直すことで、電気代を節約できる可能性があります。
例えば、中部電力ミライズの個人向け電気料金メニューは、家族の人数やライフスタイルに合わせたさまざまな電気料金プランを提供しているのが特徴です。我が家に合った最適な電気料金プランを選択できているか、一度見直してみることをおすすめします。
また、電気とあわせて「ガスプラン」も利用すると、セット割によりさらにおトクに電気を使用できます。
まずは気軽に、いくらおトクになるのか「料金シミュレーション」をしてみてはいかがでしょうか。
中部電力ミライズの個人向け電気料金メニュー