家庭のエネルギー消費の中で、暖房に使われる割合は大きいものです。
じゃあ節約しなくちゃと思ってはみるものの、冬場にひとりで暖房をつけるとなかなか暖まらないため、設定温度をどんどん上げてしまうことも。
ところが人が増えてくると、暖房を強めなくても不思議と暖かく感じます。
では、具体的にどれくらいの人がいると、暖かく感じられるのでしょうか。
今回は、室内の人数によるエアコンの消費電力量の変化を実験!
人数の違いによる室内の快適性も評価したいと思います。
- 今回使用する実験機器
- エアコン(Panasonic CS-HX565C2/2015年製造)
・暖房能力(暖房面積の目安:LDK20畳程度)
・暖房定格能力:6.7kW
・暖房定格消費電力:1.65kW
・風向:上下自動、左右自動
・風量:自動
- 今回使用する実験居室
- 30.96m²(19.1畳)のLDK
- 今回の実験環境
- ・室内の初期温度:15℃
・外気の条件:温度7℃、湿度50%
まずは部屋にいる人数によって、
エアコンの消費電力量に変化があるのかをリサーチ!
エアコンを22℃と23℃の2種類で起動し、居室人数を0人、1人、2人、4人の4パターンでそれぞれ2時間運転。
運転2時間の消費電力量を算出しました。


人の入室はエアコンの起動と同時に実行。
グラフを見ると、エアコンが22℃設定の場合も23℃設定の場合も部屋にいる人数が増えていくにつれ、エアコンの消費電力量が減っていくのがわかりますね!
これは、人数が増えると人体からの発熱の総量も増えるためと思われます。
1つめの実験によって、部屋にいる人数が増えると消費電力量が減ることがわかりました。
ということは、人が多いと暖かく感じるのは単なるイメージではないのかも!?
そこで、部屋の人数によって室内の温度に違いが出るのかを調べました。
エアコンを22℃と23℃の2種類で起動し、居室人数を0人、1人、2人、4人の4パターンでそれぞれ2時間運転。
運転2時間後の室内5か所の温度の平均値を算出しました。


人の入室はエアコンの起動と同時に実行。
グラフを見ると、エアコンが22℃設定の場合も23℃設定の場合も人数が増えていくにつれ、徐々に上がっていきました!
これも、実験Aと同様に人数が増えることで人体からの発熱の総量が増えたためと思われます。
2つめの実験からは、人数が増えると室内の温度も上昇すると判明しました。
では、部屋にいる人数によって過ごしやすさにも違いが出るのでしょうか?
快適域を示すPMV(温熱環境指標)の変化を追ってみました!
実験A・Bと同じ条件のもとで、PMV(温熱環境指標)とエアコン消費電力量の変化を計測しました。


PMVについては、着衣量は長袖長ズボン相当、代謝量はくつろいでいる状態にて算出。
※PMV(温熱環境指標)
温度環境に関する6 要素(空気温度、平均放射温度、気流、湿度、着衣量、代謝量)の組合せで求めることができ、ISO-7730として、国際規格となっている。PMVは-3から+3の数値によって表され、±0.5以内が快適な条件とされている。なお、PMV値の意味は「-3:寒い」「-2:涼しい」「-1:やや涼しい」「0:どちらでもない」「+1:やや暖かい」「+2:暖かい」「+3:暑い」とされている。
0人より1人、1人より2人、2人より4人…と、人数が増えるにつれてPMVの数値が高くなるという結果に!
エアコンの消費電力量は、やはり人数が多いほど少なくなりました。
人数が増えると快適な状態のまま室内が暖まり、且つ省エネも叶うわけですね。


今回の実験により、「みんなでいると暖かい気がする」という感覚は正しいことがわかりました。この冬は家族や友人とひとつの部屋に集まって、団らんのひとときを楽しみたいものです♪
また、外気の温度や湿度、居室に入る人の発熱量の個人差、部屋の広さ、エアコンの性能など、さまざまな条件によって消費電力量は変化しますので、今後はさらに細かい条件での実験も検討していきます。