「揚げ方が難しい…」「後片付けが面倒…」などの理由から、揚げ物は外食や市販の加工品で済ませてしまうという人が増えています。
どうしたら、自宅でも手軽にサックサクの天ぷらを揚げることができるのか??
代表的な具材の「えび」と「さつまいも」で、天ぷら作りの黄金ルールを調査しました!
打ち粉の配合は「小麦粉1:片栗粉1」がおすすめ。
まずは、天ぷらを成功させる大切な下準備「打ち粉」から。配合を、いろいろと試してみました。
※上記は重さ(グラム)の比率になります
その結果、複雑な配合をしなくても「小麦粉1:片栗粉1」というパターンで具材は十分やわらかく、中もしっとり仕上がることがわかりました。
1:1というシンプルな比率は、とても覚えやすいですね。
片栗粉を混ぜるのは、具材のうまみを閉じ込める意味もあります。
また、時間とともに具材の水分が出てベタッとした仕上がりになってしまうため、打ち粉は揚げる直前につけて、その後すぐに衣をまぶして一気に揚げるのがおすすめ。
特に、水分量の多いえびなどは打ち粉を多めにすると衣がカラッと揚がります。
驚き!?天ぷらの衣液を作るなら、これからは「強炭酸水」で!
天ぷらの衣液は卵・水・小麦粉で作るのが一般的とされていますが、カテエネでは泡をたっぷりまとわせてサクサクとした軽さを実現するため、水の代わりにシュワシュワの「強炭酸水」を使ってみました。すると…?
※上記は重さ(グラム)の比率になります
衣液を作る際に、水ではなく「強炭酸水」を使用した結果、天ぷらの衣が泡による隙間を多く含み、より軽い食感に仕上がることがわかりました。
しかも、卵と軽く混ぜるだけでよいため、手間を省けます。
「卵1:強炭酸水6:小麦粉3.5」が、カテエネ的衣液の法則です!
粘りのもとになるグルテンを発生させないため、また炭酸の発泡をキープするためにも強炭酸水は冷やしておくのがコツ。
美味しくてお財布にもやさしい油の量は「プラス3cm」。
以前は鍋に対して6割程度の揚げ油が必要という説もあったようですが、昔に比べて家族の人数が少ない今は、揚げ物の量もそれほど多くないはず。
油の量が多いと経済的にも負担がかかります。そこで、最適な油量を調べてみました。
厚さ1cmのさつまいもを美味しく揚げる油量は「具材プラス3cm」という結果が。
2cmでは具材が鍋底に接触してやや焦げ気味になってしまい、4cm以上は揚げやすいけれど不経済…。
そして最適な温度と揚げ時間は、衣の色具合に注目しながら検証した結果、えびなら180度で1分30秒、さつまいもなら170℃で約6分という参考値が出ました。
長年の経験による感覚やセンスではなく、こうしてわかりやすく可視化されたコツがわかれば、天ぷらのように繊細な料理も美味しく仕上げられますね。
強炭酸水で手間をかけず軽い食感にできるのも、ユニークな発見です。
今回の実験の結果を参考に、ぜひ「おうち天ぷら」を楽しんでくださいね!
実験の企画実施
至学館大学 健康科学部 栄養科学科 伊藤正江准教授(医学博士)