~アンケートde実験~カテエネ研究所

電気ケトル、IH、ガスコンロ、電子レンジ。どれが一番おトクにお湯が沸くの? 電気ケトル、IH、ガスコンロ、電子レンジ。どれが一番おトクにお湯が沸くの?

コーヒーやお茶を飲むとき。インスタントフードをつくるとき。
日々の家事の中で「お湯を沸かす」タイミングは何度もやってきます。
沸かす手段はたくさんありますが「一体どれが一番いいの?」と疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。

今回は「コップ一杯分の水を沸かすとき、電気ケトル・IHクッキングヒーター・ガスコンロ・電子レンジの中で、どれが一番おトクなの?」という疑問に答えるべく、各機器で実験。一番おトクな方法を調べてみました。

実験概要

コップ1杯分の湯沸かしにかかる消費電力や料金などの違いを検証するため、『水200mlを沸かす場合』を比べてみます。

今回使用する実験機器
電気ケトル 定格消費電力1250W、IHクッキングヒーター 右左ヒーター3000W 中央ヒーター1200W、ガスコンロ ガス消費量 右左コンロ4200W 後コンロ1270W、電子レンジ 定格消費電力1300W アルミホーローやかん 行平鍋 電気ケトル 定格消費電力1250W、IHクッキングヒーター 右左ヒーター3000W 中央ヒーター1200W、ガスコンロ ガス消費量 右左コンロ4200W 後コンロ1270W、電子レンジ 定格消費電力1300W アルミホーローやかん 行平鍋
今回の実験環境
・室内は、エアコンで26℃設定。
・IHクッキングヒーター・ガスコンロ共に、右ヒーターで加熱。

ポイント1 最も“料金が安い”のはどれ?

今回の実験に使った機器は、電気ケトル、IHクッキングヒーター、ガスコンロ、電子レンジの4つ。
ガスコンロ・IHクッキングヒーターの場合は、鍋・やかんの両方で調べてみました。
IHクッキングヒーターとガスコンロは、火加減についても比較します。

まずは、「最も安いのはどれか?」を調べるために、各機器のエネルギー消費量を調べ、電気代やガス代に換算してみました。

水200mlを沸かす場合の使用機器別料金の比較 水200mlを沸かす場合の使用機器別料金の比較

どれも1円未満と金額が小さくて比較しにくいので、「200mlの水を沸かす作業を100回行った場合」としてこの結果を単純に100倍してみましょう。

すると、以下のような料金想定になりました。

  • 電気ケトル 43.5円
  • ガスコンロ(中)やかん 44.4円
  • ガスコンロ(中)鍋 47.8円
  • IHクッキングヒーター(強) 鍋 51.2円
  • IHクッキングヒーター(中) 鍋 56.2円
  • IHクッキングヒーター(中) やかん 59.4円
  • IHクッキングヒーター(強) やかん 59.9円
  • ガスコンロ(強) やかん 64.2円
  • 電子レンジ 65.1円
  • ガスコンロ(強) 鍋 79.5円

「電気ケトル」「IHクッキングヒーター(強) 鍋」「ガスコンロ(中)鍋&やかん」は、50円前後とほぼ同等。
ただ、「電子レンジ」は65円と差がつきました。

さらに50円前後だった4つの加熱方法を、所要時間で比較してみます。

IHクッキングヒーター(強)31秒 電気ケトル 61秒 ガスコンロ(中)鍋62秒 ガスコンロ(中)やかん 56秒 IHクッキングヒーター(強)31秒 電気ケトル 61秒 ガスコンロ(中)鍋62秒 ガスコンロ(中)やかん 56秒

最も料金が安いのは「電気ケトル」でしたが、同等の金額の機器で所要時間を比較すると「鍋を使用してIHクッキングヒーターで沸かす」場合が、速く沸くということがわかりました。

ポイント2 最も“省エネ”なのはどれ?

次に「エネルギー消費量」(1次エネルギー換算)を比較し、最も“省エネな方法”を探った結果が次のグラフ。

水200mlを沸かす場合の使用機器別の消費エネルギー 水200mlを沸かす場合の使用機器別の消費エネルギー

「ガスコンロ(中)やかん」が最も省エネという結果に。同じ条件で鍋を使った場合もほぼ同等の数値でした。

次いで「電気ケトル」「ガスコンロ(強)やかん」「IHクッキングヒーター(強)鍋」という順でした。微々たる差ですが、少ないエネルギーでお湯を沸かすことができるのは「ガスコンロ」という結果になりました。

ポイント3 「IHは強火」
「ガスは中火」
がおトク!?

ここまで見てきて気になったのが、「IHクッキングヒーターは強火がいい」、「ガスコンロは中火がいい」ということ。
機器によって、火力の選び方にコツがありそうです。

IHクッキングヒーターは、中火より強火の方が、単純に調理時間が減るため、その分省エネになるようです。
それに対してガスコンロは、強火の方が調理時間が短いにもかかわらず、中火と比べると消費エネルギーが倍近くまで上がっています。

これには、それぞれの機器の「熱効率」が関係しています。

熱効率 鍋 中火70% 強火81% やかん 中火73% 強火78% ガスコンロ 鍋 中火34% 強火19% やかん 中火35% 強火24% 熱効率 鍋 中火70% 強火81% やかん 中火73% 強火78% ガスコンロ 鍋 中火34% 強火19% やかん 中火35% 強火24%

ガスコンロは、強火にすると炎が大きくなり、鍋ややかんの底面から炎がはみ出してしまうため、熱効率が落ちてしまったと考えられるのです。

日々の調理法で、消費エネルギーや料金をおさえたいのであれば、IHクッキングヒーターの場合は「強火がおトク」、ガスコンロの場合は「中火がおトク」という場面が多そうですね。

ポイント4 1リットルの場合はどうなったの?

ここまで、200mlの水を沸かす場合を見てきました。
では、水が多いと結果は変わるのでしょうか?

1リットルの水を沸かす場合で実験してみました。

水1Lを沸かす場合の使用機器別料金の比較 水1Lを沸かす場合の使用機器別料金の比較

料金が最も安く、省エネだったのは「ガスコンロ(中)やかん」でしたが、最も速く沸いたのは「IHクッキングヒーター(強) 鍋」でした。

水1Lを沸かす場合の所要時間 水1Lを沸かす場合の所要時間

■1リットルの水を沸かした際の消費エネルギー量/料金/所要時間

  • 電気ケトル 0.633MJ/1.626円/3分55秒
  • 電子レンジ 0.891MJ/2.29円/5分33秒
  • IHクッキングヒーター(中) 鍋 0.930MJ/2.391円/5分1秒
  • IHクッキングヒーター(強) 鍋 0.861MJ/2.213円/2分12秒
  • ガスコンロ(中) 鍋 0.501MJ/1.849円/3分59秒
  • ガスコンロ(強) 鍋 0.621MJ/2.291円/2分40秒
  • IHクッキングヒーター(中) やかん 0.859MJ/2.207円/4分139秒
  • IHクッキングヒーター(強) やかん 0.888MJ/2.282円/2分15秒
  • ガスコンロ(中) やかん 0.433MJ/1.597円/3分26秒
  • ガスコンロ(強) やかん 0.569MJ/2.1円/2分27秒

「電気代やガス代を賢く節約したい!」という人には、水量が少ない場合は「電気ケトル」、多い場合は「ガスコンロ(中)」がおすすめです。

<結論>電気ケトル、IH、ガスコンロ、電子レンジ。どれが一番おトクにお湯が沸くの?「節約したい!」あなたには、電気なら「電気ケトル」、ガスなら「やかんで中火」が安い!「手早く沸かしたい!」あなたには、同等の価格で一番速く沸く「IHクッキングヒーターの強火」がおすすめ。家庭にある機器をうまく使いこなして、賢く節約しよう! <結論>電気ケトル、IH、ガスコンロ、電子レンジ。どれが一番おトクにお湯が沸くの?「節約したい!」あなたには、電気なら「電気ケトル」、ガスなら「やかんで中火」が安い!「手早く沸かしたい!」あなたには、同等の価格で一番速く沸く「IHクッキングヒーターの強火」がおすすめ。家庭にある機器をうまく使いこなして、賢く節約しよう!

今回の実験では、「ガスコンロ」の場合、鍋よりもやかんの方が全体的に効率の良い結果となりました。
気をつけたいのは、火力調整。熱効率の良い「IHクッキングヒーター」は、火力を強めると加熱時間が大幅に短縮され、結果的に省エネになりましたが、「ガスコンロ」は、火を強めるほど消費するエネルギー量が増える傾向に。
それぞれの機器の特性や熱効率を理解して、賢く上手に使いこなしていきたいですね。

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