~アンケートde実験~カテエネ研究所

エアコン、ファンヒーター、ストーブ…暖房機器のなかで最も早く暖めてくれるのはどれ? エアコン、ファンヒーター、ストーブ…暖房機器のなかで最も早く暖めてくれるのはどれ?

いよいよ冬本番。
家庭でも、いろいろな暖房機器を使っているのではないでしょうか。
家庭で活躍する暖房器具といえば、エアコンやファンヒーター、電気ストーブなど、さまざま。
またファンヒーターと言っても、電気ファンヒーターや石油ファンヒーター、ガスファンヒーターなど、いろいろありますよね。

今回は、これらの暖房機器の中で「最も早く暖めてくれる機器は?」を検証してみました。

実験概要

各暖房機器を使用した際に、室温や、その部屋にいる人の体表温度がどのように変化するかを検証。合わせて、消費電力量やガス・灯油消費量も調べることで、料金も比較する。

今回使用する実験機器
エアコン暖房能力:2.5kW 消費電力:440W 電気ファンヒーター 消費電力:2段階切り替え 670W/1200W 電気ストーブ 消費電力:3段階切り替え 300W/900W/1200W 石油ファンヒーター 暖房出力:2.50kW ガスファンヒーター 暖房出力:2.44kW エアコン暖房能力:2.5kW 消費電力:440W 電気ファンヒーター 消費電力:2段階切り替え 670W/1200W 電気ストーブ 消費電力:3段階切り替え 300W/900W/1200W 石油ファンヒーター 暖房出力:2.50kW ガスファンヒーター 暖房出力:2.44kW
今回の実験環境・実験方法
・実験ハウス(木造)の6畳の居室内で実験した。
(外気温度7℃・外気湿度50%、室内初期温度15℃、室内初期湿度31%)
・温度設定は、安定時10分間(=運転開始から50分~1時間後)における居室内の中央2点の平均温度が、各機器でほぼ同等の室温となるようにした(エアコン:20℃設定、電気ファンヒーター:1200W、電気ストーブ:1200W、石油ファンヒーター:20℃設定、ガスファンヒーター:20℃設定)。
・実験中、サーモカメラで、被験者の体表温度を5分毎に観測した。

ポイント1 最も人を早く暖めて
くれるのはどれ?

今回、実験に使用した暖房機器は、エアコン、電気ファンヒーター、電気ストーブ、石油ファンヒーター、ガスファンヒーターの5機器。
まずは室内温度を約15℃、湿度約30%の状態にして、それぞれの機器を使用した際に、人が「どれだけ暖かく感じるか」を調べるため、被験者3人をサーモカメラでチェックしました。

被験者1のサーモカメラ比較 被験者2のサーモカメラ比較 被験者3のサーモカメラ比較 被験者1のサーモカメラ比較 被験者2のサーモカメラ比較 被験者3のサーモカメラ比較

10分を過ぎたあたりから、機器による違いが出てきました。
被験者①・②はエアコン、被験者③はガスファンヒーターが、それぞれ運転開始10分後以降に、赤色や暖色系の割合が多くなってきています。

ちなみに、この3人の被験者の「顔の上昇温度」の平均値がこちら。

被験者の顔(頬)の上昇温度とその平均値(℃)の表 被験者の顔(頬)の上昇温度とその平均値(℃)の表

運転開始30分後の、顔(頬)の上昇温度が高くなったのは、石油ファンヒーター、ガスファンヒーター、エアコンがほぼ同等という結果になりました。

ポイント2 30分後に部屋を
最も暖めたのは?

次に、運転開始30分後に、最も部屋が「快適」に近づいているのはどの機器なのかを調べるため、室内温度や放射温度、湿度、PMVの平均値を出してみます。

運転開始30分間の室内の放射温度、湿度、PMVの平均値の表 運転開始30分間の室内の温度、放射温度、湿度、PMVの平均値の表

冷えた空気は足元に留まりやすいため、室内温度の測定は、床から0・10・50・90・130・180cmで計測し、足元も含めて部屋全体の温度がどのように違うのかを調べました。

運転開始30分間の室内の温度 運転開始30分間の室内の温度

まず、室内の平均温度と放射温度は、エアコン、石油ファンヒーター、ガスファンヒーターがほぼ同等という結果に。

電気ファンヒーターと電気ストーブは、あまり上がりませんでした。
ただ、これらは「部屋全体を暖める」ことよりも、「近くのものを暖める」「人が機器にあたることで暖を取る」という方が得意な「局所(スポット)暖房」です。持ち運び可能で、場所を移動してシーンに合わせて使用できるという利点があります。

そのため、今回の実験の「部屋を暖める」という点で考えると、他の3機器ほどは室温が上がらなかったと考えられます。

続いて快適さを表す「PMV」についてもみてみましょう。

快適とされる「±0.5以内」には、どの機器も入りませんでしたが、「±0.5以内」に最も近かったのは、ガスファンヒーターの「-0.85」でした。

これは、湿度に着目すると、ガスファンヒーターが32.3%と、最も高い結果になっているためです。
ガスファンヒーターが燃焼に伴って水蒸気を発生させ、湿度を高める効果があるという理由が考えられます。

※放射温度(G球温度)…周囲の全方向から受ける熱放射を平均化した温度表示
※PMV(温熱環境指標)…快適さを表す指標の一つで、温度環境に関する6要素(空気温度、放射温度、気流、湿度、着衣量、代謝量)の組合せで求めることができる。PMVは-3から+3の数値によって表され、±0.5以内が快適な条件とされている。なお、数値の意味は「-3:寒い」「-2:涼しい」「-1:やや涼しい」「0:どちらでもない」「+1:やや暖かい」「+2:暖かい」「+3:暑い」とされている。

ポイント3 料金が一番
安かったのはどれ?

暖房機器を使用していると料金についても気になりますよね。

今回は、この機器の中で「料金が最も安いのはどれか?」についても比較してみました。
各機器を1時間使用した場合のエネルギー消費量を調べて、電気代やガス代、灯油代に換算して比べた結果がこちら。

運転開始1時間後のエネルギー消費量と料金の表 ※1次エネルギー消費量換算値は、電気:9.76MJ/kWh、ガス:45MJ/Nm3、石油37MJ/L(省エネ法施行規則、東邦ガスHP参照)とした。電気料金単価は、25.08円/kWh(従量電灯B :120kWhをこえ300kWhまで)、灯油単価は、1,689円/18L(資源エネルギー庁石油製品価格調査の2018年12月上旬の中部局店頭価格より)、ガス料金単価は165.96円/m3(従量料金単価B:20m3をこえて50m3)とした。 運転開始1時間後のエネルギー消費量と料金の表 ※1次エネルギー消費量換算値は、電気:9.76MJ/kWh、ガス:45MJ/Nm3、石油37MJ/L(省エネ法施行規則、東邦ガスHP参照)とした。電気料金単価は、25.08円/kWh(従量電灯B :120kWhをこえ300kWhまで)、灯油単価は、1,689円/18L(資源エネルギー庁石油製品価格調査の2018年12月上旬の中部局店頭価格より)、ガス料金単価は165.96円/m3(従量料金単価B:20m3をこえて50m3)とした。

この表を見ると、運転開始1時間後の料金が最も安かったのは、エアコンの8.82円。次いで、石油ファンヒーターの12.4円でした。

さらに、3時間半後も比べてみましょう。

運転開始3.5時間後のエネルギー消費量と料金の表 ※石油ファンヒーター・ガスファンヒーターは、1時間毎に2分間、窓を開けて換気をおこないました。※この料金は目安です。使用する機器や場所により異なります。 運転開始3.5時間後のエネルギー消費量と料金の表 ※石油ファンヒーター・ガスファンヒーターは、1時間毎に2分間、窓を開けて換気をおこないました。※この料金は目安です。使用する機器や場所により異なります。

3時間半後の料金でも順位は変わらず、最も安かったのはエアコンの22円。次いで石油ファンヒーターでした。
また電気ファンヒーターが最も高くなりました。

《結論》エアコン、ファンヒーター、ストーブ…暖房機器のなかで最も早く暖めてくれるのはどれ?→早く暖めるのは、エアコン、ガスファンヒーター、石油ファンヒーターが同等。→快適性については、湿度がわずかに 高くなったガスファンヒーターが 快適という結果に。→料金についてはエアコンが  最も安くなった。トータルで見ると、効率よく暖めてくれて、且つ料金も安かった「エアコン」が優秀。 《結論》エアコン、ファンヒーター、ストーブ…暖房機器のなかで最も早く暖めてくれるのはどれ?→早く暖めるのは、エアコン、ガスファンヒーター、石油ファンヒーターが同等。→快適性については、湿度がわずかに 高くなったガスファンヒーターが 快適という結果に。→料金についてはエアコンが  最も安くなった。トータルで見ると、効率よく暖めてくれて、且つ料金も安かった「エアコン」が優秀。

冷房に比べて、料金が高くつく印象がある暖房機器。
今回の実験では、電気ファンヒーターと電気ストーブの料金が高くなりました。長時間利用には気をつけたいですね。
暖房は、用途にあわせて上手く使い分けることが大切。
各機器の性能を知ることは、省エネや節約にもつながります!

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