くらしに役立つコラム

~アンケートde実験~カテエネ研究所

停電時、手回し充電器でスマホはどれくらい使える? 停電時、手回し充電器でスマホはどれくらい使える?

地震などの自然災害時、急に停電が起きたら…?
照明や家電が使えなくなることで生活に影響が出ることはもちろんですが、スマートフォンの充電ができなくなることもとても心配。
スマホは災害時に、情報収集や救急・救助要請などの連絡、安否確認などに活躍してくれます。非常時であったとしても、なんらかの形で充電ができる準備をしておきたいですね。
今回は、停電時でも手で回すだけで発電できる「手回し充電器」の性能について検証してみました。

実験概要

今回使用する実験機器
スマートフォン 使用電池:リチウムイオンでんち 公称電圧:3.8V 公称容量:2900mAh 手回し充電器 定格出力:4.2V/500mA 最大出力:2.1W 機能:LEDライト、防災ラジオスマホなどの充電 スマートフォン 使用電池:リチウムイオンでんち 公称電圧:3.8V 公称容量:2900mAh 手回し充電器 定格出力:4.2V/500mA 最大出力:2.1W 機能:LEDライト、防災ラジオスマホなどの充電
今回の実験方法
・手回し充電器をスマートフォンに接続し、手回し充電を行う。

ポイント1 30分間回し続けても、
わずか1%…!?

今回まず検証するのは、LEDライトと防災用ラジオが付属した「手回し充電器」。
専用ケーブルを使ってスマホに接続したまま、手でハンドルを回します。

まずは、メーカーが推奨する「毎分130回~150回」というペースで、2分間、手で回してみました。
これを3回繰り返しましたが、スマホ充電の残量を示す「%表示」は、全く増えませんでした。

そこで、非常時、家族など数人で手回しすることを想定して「30分間回し続けるとどうなるか」を検証。
手回しの速度を一定に保ち、かつ休みなく回すため、充電器に市販のモーターを連結し、自動で回し続けることができる試作機を独自に製作しました。
この装置を使い、休むことなく30分間、手回し充電器を回し続けました。

異なる回転数における経過時間毎のスマートフォン充電量 異なる回転数における経過時間毎のスマートフォン充電量

回す速度を変えて、3回測定しましたが、30分間で計4000~5000回転しても、充電はわずか1%しか増えませんでした。

手回し充電器に蓄電してから充電する方法も試しましたが、起動中に電源が落ちてしまったため、1%も充電できませんでした。

ちなみに、コンセントから充電した場合はこちら。

当たり前ですが、充電器の電源プラグをコンセントに差すだけで、30分後には24%にまで復活しました。
自力で発電することの大変さが、この結果からわかりますね。

ポイント2 LEDライト&ラジオは
十分使用可能!

今回実験した充電器には「LEDライト」と「防災ラジオ」が標準装備されています。
このライトとラジオは、手回しで使うことができるのか?という点についても検証しました。

スマホ充電時と同様に、必要な回転数で2分間回した場合、どれくらい連続使用できるのでしょうか。

2分間手回し充電した場合の連続使用時間 2分間手回し充電した場合の連続使用時間

2分間手回し充電をすることで、LEDライトは約2時間30分、ラジオは約22分間、連続で使用することができました。

LEDライトやラジオは、手回し充電器を数分回しただけでもしっかりと使用できることがわかりました。
こうしたアイテムをひとつ持っておくと、万が一のときに役立ちそうです。

ポイント3 災害時に役立つスマホ
充電の方法って?

災害時に停電が長引いた場合、このほかにどのような充電方法があるのでしょうか。

ひとつは、蓄電型のモバイルバッテリーや、乾電池式のスマホ充電器。
これらは携帯性も良く、災害時の使用に向くといえるでしょう。

蓄電型のモバイルバッテリーについては、最近は非常に多くの種類があり、ソーラーパネル搭載のため太陽光で発電できるソーラーチャージャー型や、ケーブルがなくても利用できるワイヤレス充電機能搭載型などがあります。

また乾電池式のスマホ充電器は、長期的な停電の場合でも、乾電池を入れ替えることで継続して使用できます。長期保存が可能な乾電池は、長いものだと10年以上備蓄しておくことができるものもあります。

使用人数や使用回数などのシチュエーションを想定しながら、自分のスマホに適したモバイルバッテリーを選ぶとよいでしょう。

蓄電型モバイルバッテリー 乾電池式スマホ充電器 蓄電型モバイルバッテリー 乾電池式スマホ充電器

ポイント4 電気自動車や
ポータブル電源なども
活躍!

さらに近年普及してきた、電気自動車やハイブリット車も、実は停電時の強い味方です。

車両に搭載されている蓄電池を非常用電源として活用できるタイプの電気自動車やハイブリッド車も多く、対応の電気自動車から外部に電力を供給することで、スマホなどの充電はもちろん、家電や照明なども使用できます。

一時的ではありますが、停電時も電気が使えるのは心強いですね。

また大容量のポータブル電源(蓄電池)も、停電時に活躍します。
ポータブル電源とは、キャンプや車中泊、屋外など、電気を確保できないシーンで活躍する家庭用蓄電池のことで、近年は、非常用の備えとしても注目されています。
バッグに入れて持ち運ぶようなサイズではないので、常に持って歩くものではないですが、大人一人で簡単に持ち運びができる大きさ・重さなので、避難所などに持っていくこともできます。

近年、人気のあるポータブル電源は、電源プラグを差し込むコンセントのほか、スマホ充電にも便利なUSB出力ポートがついているものもあります。
700Whのポータブル電源なら、スマホが50回以上充電できるものもあるそうです。
災害時のために、使用人数や用途について考え、必要に応じた備えをしておくと安心ですね。

<結論>停電時、手回し充電でスマホはどれくらい使える?→手回し充電ではスマホの充電残量は1%しか増えなかった。災害時の備蓄としては、モバイルバッテリーなどスマホが十分に充電できるものを選ぼう。LEDライトやラジオ用には、手回し充電器も持っておくと安心。 <結論>停電時、手回し充電でスマホはどれくらい使える?→手回し充電ではスマホの充電残量は1%しか増えなかった。災害時の備蓄としては、モバイルバッテリーなどスマホが十分に充電できるものを選ぼう。LEDライトやラジオ用には、手回し充電器も持っておくと安心。