すだれを使って真夏の日差しを遮ったり、打ち水で涼を取ったり。
エアコンが普及した現代でも廃れることなく、昔ながらの習慣となっている夏の生活の知恵はたくさんあります。
今回は、こうした習慣は本当に効果があるのか検証し、昔ながらの暮らしの工夫による快適さや省エネ効果について紹介します。
すだれ+エアコンの
併用で涼しく省エネに
窓からの日差しを遮るものは、昔ながらの「すだれ」のほか、「カーテン」や「のれん」などさまざま。今回はこの3つの効果を比較します。
こちらは、西日が入る15時から16時の外気温度と比較して「室内温度が何度高くなったか?」を1時間の平均値で示したグラフです(実験時の温度は、外気温度より室内温度の方が高くなりました)。


日差し除けがない場合と比べると、それぞれ熱を遮る効果が十分に期待できることがわかります。
特に優秀だったのは、1時間平均+3.44℃にとどまった「すだれ」。
室内で熱を遮るカーテンやのれんに比べ、すだれは屋外で熱を遮るため、最も効果的と考えられます。
さらに、すだれを使いながらエアコンを運転すると、消費電力量を53%も削減できることも実験からわかりました。


外からの熱を最も効果的に遮るすだれとエアコンの併用はとても効果的で、涼しいだけではなく節約にもなります。
打ち水は、適量の水を
こまめに打とう
門前や庭に水を撒くことで涼感を得る、昔ながらの知恵「打ち水」。
そもそも打ち水は、気化熱による地面の温度低下により涼しく感じられるものなので、効果を得るためには水の撒き方や水量も重要です。
実験では3600×1150mmのコンクリート面へ1リットルの打ち水をすることで、約1℃の温度低下が約30分程度継続することがわかりました。


結果を見てみると、打ち水の水の量は少ない方が早く温度が下がる傾向がわかります。これは、水量が少ない方が水の蒸発が早く、その分温度も早く下がったと考えられます。
打ち水により効果的に涼感を得るためには、一度の水の量を増やしてたくさん撒くよりも、「適量を30分ごと」などこまめに水打ちを行う方が良いと言えます。
うちわは小刻み
ではなく大きく扇ぐ
扇風機やハンディファンが普及しましたが、それでも「うちわ」もまだまだ健在。
今度の実験では、うちわの仰ぎかたによって風速がどう変わるかを調べました。


実験の結果、「早く小刻みに扇ぐ」より、「ゆっくり大きく扇ぐ」方がより涼感を得られ、約1℃の涼感(体感温度の低下)が期待できることがわかりました。
とは言っても扇風機やハンディファンはやはり優秀で、「弱」でも1m/s以上の風速とうちわを大きく上回る効果に。
うちわでは扇風機以上の涼感を得られることはありませんでしたが、効果的な「大きく扇ぐ」方法はぜひ参考にしてみてください。


今回の実験の概要や試験方法などの詳細データはこちら