過去は“使い捨て”が主流だった、電池。でも近年、繰り返し使えてゴミの削減にもつながる充電池が支持を得ています。
ただ、充電池の繰り返し使えるメリットは大きいものの、単価が高めなので購入をためらってしまう人も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は充電池と乾電池のコストパフォーマンスや性能を比較検証し、充電池が本当に節約になるのかを調べてみました。
さらに、充電池の充電方法の効率性についても比較しましたのでぜひ最後までご覧ください。
長い目で見ると、
「充電池」は
節約になる!
まず、充電池と乾電池の経済性について比較しました。
それぞれの本体価格を調査し、さらに充電池は1本1回あたりの充電に要する電気代を算出します。
※今回実験に使用した充電池の充電上限回数は「約600回」との記載があった
それぞれの電池の本体価格や電気代をもとに、充電池と乾電池のコストを比較します。
「充電池を100回繰り返し使った場合」のトータルコストは以下の通り。
やはり、充電池は長い目で見るとトータルコストが低いことがわかります。
マンガン乾電池と比較すると2,380円の節約、さらにアルカリ乾電池と比較すると2,661円の節約になることがわかりました。
今回は「充電池は100回の繰り返し使用」での実験でしたが、今回実験に使用した充電池に記載されていた充電上限回数は「600回」。
充電池は、大切に長期間使い続けることで、さらに高いコストパフォーマンスが期待できることがわかりました。
連続使用可能時間が
長いのは
「アルカリ乾電池」!
次に、それぞれの電池の連続使用可能時間について実験しました。
電池を懐中電灯に接続し、電圧と照度の変化を比較することで、長く使い続けられる電池はどれかを調べます。
各電池の電圧が「放電終止電圧※(=機器が作動する電圧領域の最低値:0.9V)」に至るまでの時間とその時の照度がこちらです。
※今回の実験では、放電終始電圧への到達を使用可能時間と仮定した
懐中電灯に電池を一本使う場合、最も長時間連続して使えたのは「アルカリ乾電池」で、次いで「充電池」でした。
一番長持ちだった「アルカリ乾電池」は、非常用持出袋など防災用品として準備しておくのに向きそうです。
また、電池による照度の違いもありました。
使い始めからゆるやかに低下していく乾電池に対して、充電池は放電終止電圧に至るまで高い照度を保っていました。
充電池は、連続使用時間こそアルカリ乾電池に劣りますが、安定した使用感が維持できると言えます。
複数本まとめて
充電する方が、
より経済的!
さらに、充電池を1本ずつ充電する場合と、4本まとめて充電する場合、どちらが良いのか充電方法・充電本数の違いも調べてみました。
「1本ずつ4回充電する」と「まとめて4本充電する」を比較すると、「まとめて4本充電する」ほうが充電電力量が約5%少なく、かつ充電の総時間が短いことがわかりました。
充電池を充電する際は、複数本まとめて行うほうが経済的で、さらに充電時間も短くなるのでおすすめです。
それぞれの電池の
メリット・
デメリットは?
これまで比較してきた性能や経済性について、一覧にまとめました。
トータルコストについては「充電池」が最も経済的で、連続での使用可能時間が最も長いのは「アルカリ乾電池」という結果になりました。
充電池は、購入する初期費用こそかかりますが、何度も充電して繰り返し使えることを考えると、乾電池よりもコストパフォーマンスが高いことがわかりました。
また、充電池は電池ごみの削減にもつながるメリットも大きいです。
ただ、中には充電池の使用を禁止している機器もあるため、取扱説明書をよく読んで確認してから使用してくださいね。
今回は「節約」という観点で比較したので、充電池に軍配が上がりました。ですが、「アルカリ乾電池は連続使用が得意」「安価なマンガン乾電池は小さな電力をこまめに使うリモコンなどに向いている」などそれぞれにメリットがあるため、適材適所を見極めて賢く使い分けたいですね。
今回の実験の概要や試験方法などの詳細データはこちら