家電の省エネポイント【テレビ編】

「主電源オフ」は基本NG?
今どきテレビの省エネ術を覚えましょう!

ブラウン管時代に比べて大幅に低消費電力化した薄型テレビですが、使いこなし方によってさらに省エネが可能です。できるだけ電気代を抑えるために「するべきこと」と、「してはいけないこと」を紹介しましょう。

やっぱり「見ないときはこまめにオフ」が基本!

実は、最近のテレビは家庭の消費電力量における比率が以前に比べてかなり下がりました。それは「スマホを使う人が増えてテレビを視聴する時間が短くなったから」……ではありません。ここ10年ほどでブラウン管テレビから液晶テレビやプラズマテレビ、有機ELテレビなどの薄型テレビに移行したためです。(家電コラム「9年間で約3分の1に!?「LEDテレビ」でさらに省エネに」参照。)

プラズマテレビは液晶テレビに比べて消費電力が高めでしたが、最近では国内メーカーのプラズマテレビ生産が終了して、ほぼ液晶テレビに移行しました。液晶テレビも、バックライトの進化(CCFLと呼ばれる蛍光管から、より低消費電力なLEDを用いたものに移り変わりました)によって低消費電力化しました。

とはいえ、やはり省エネは気にしたいもの。まず押さえておきたいのは、ブラウン管テレビ時代であろうと、液晶テレビや有機ELテレビなどの薄型テレビであろうと、「こまめに電源をオフにすることが重要」ということです。

画面はキレイに!たまには拭き掃除を。

その他に心がけておきたいのが、画面をきれいに保つことです。画面にホコリが付いていると暗く見えてしまい、テレビの明るさを上げてしまうなんてこともあります。ですので、1~2週間に1回程度は、柔らかいクロスなどを使って画面を拭くといいと思います。

参考:家庭の省エネ徹底ガイド-経済産業省資源エネルギー庁

テレビで「待機電力」ゼロは、思わぬデメリットが?

省エネの方法として「電源をこまめにオフする」というのは基本中の基本と書きましたが、もう一つ先の方法として「主電源をオフにする」、もしくは「コンセントを抜く」という方法があります。これをすると、「待機電力」(電源オフ時にもかかる電力)が0になるというメリットがあります。

しかし、テレビの場合はデメリットもあります。ひとつは「番組表が見られなくなる可能性が高まる」ことです。

テレビの番組表は、テレビ視聴時や電源オフ時に、自動的に放送経由で取得されます。主電源をオフ(コンセントを抜くのも含む)にしていると、番組表を取得することができなくなってしまいます。そのため、いざ番組表を見たいと思ったときに、番組表を表示するまでにかなりの時間がかかる可能性があります。

主電源オフは、予約録画もできなくなるので不便かも。

もうひとつ、デメリットがあります。それは「予約録画ができなくなってしまう」ことです。

最近の薄型テレビの多くには、録画機能が搭載されているのをご存じでしょうか。BDレコーダーなどを購入しなくても、テレビ自身に録画機能が搭載されているのです。別途、録画番組を記録するハードディスクが必要になる場合が多いものの、便利なので活用している人も多いのではないでしょうか。

通常の電源オフであれば、番組表データの取得も予約録画の実行も当然やってくれますが、主電源をオフにしてしまうとどちらも実行してくれなくなってしまいます。「番組表は新聞でいいし、録画機能は使っていない(もしくはテレビに搭載されていない)」のであれば主電源オフもいいですが、そうでなければ主電源はオフにしない方がいいかも知れません。

一時期に比べて低消費電力化が進んだことから、以前よりも「このテレビは省エネ性がすごい!」というアピールは少なくなってきました。とはいえ、テレビの各機種には省エネ機能が搭載されているものが多く見受けられます。詳しくは、「家電コラム」の「テレビも、センサー機能などで徹底的に省エネ!」もご参照ください。

ライター:安蔵 靖志(あんぞう・やすし)

IT・家電ジャーナリスト 家電製品総合アドバイザー(プラチナグレード)。AllAbout 家電ガイド。日経BP社「日経ネットナビ」「日経ネットブレーン」「デジタルARENA」「日経トレンディネット」などを経てフリーに。デジタル家電や生活家電に関連する記事を執筆するほか、家電のスペシャリストとしてテレビやラジオ、新聞、雑誌など多数のメディアに出演。KBCラジオ「キャイ〜ンの家電ソムリエ」に出演するほか、ラジオ番組の家電製品紹介コーナーの構成などにも携わっている。

近著「予算10万円以内! 本気で原音を楽しむハイレゾオーディオ」(秀和システム)

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