コラム

公開日:2025.10.8

家庭用蓄電池の値段相場はいくら?容量別の目安と導入費用を抑えるコツを解説【2025年版】

volume 05

家庭用蓄電池の
値段相場はいくら?
容量別の目安と
導入費用を
抑える
コツを解説
【2025年版】

家庭用蓄電池の値段は、本体価格だけではなく工事費も含めて比較する必要があります。メーカーのカタログやウェブサイトに掲載されている価格だけを参考にすると、見積もりを依頼したときに乖離が生まれる可能性があります。

この記事では、家庭用蓄電池の値段相場と活用できる補助金、導入費用を抑えるコツなどを解説します。家庭用蓄電池の導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

1 家庭用蓄電池とは?

家庭用蓄電池とは、太陽光で発電した電気や電力会社から購入した電気を貯めて、必要なときに使えるようにする設備です。

例えば、昼間に太陽光で発電した電気が余った場合、家庭用蓄電池に貯めておけば、発電できない夜間にも貯めた電気を使えます。さらに、電力会社から買う電気料金が高い時間帯に、蓄電池に貯めた電気を使うことで、電気代の節約効果を期待できます。

また、地震や台風などの災害時に停電が起こったときも、蓄電池に貯めた電気があれば照明や冷蔵庫、テレビといった家電製品を一定時間使うことが可能(注)です。万が一の停電時に電気が使える安心感は、導入費用に代えられない価値となるでしょう。

家庭用蓄電池についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください。

関連記事:
家庭用蓄電池とは?メリット・デメリットや種類、選び方を解説

  • (注)
  • ・停電時に使用できる機器はあらかじめ専用配線に接続しておく必要があります。専用配線は、平常時・停電時ともに定格出力(自立)まで使えます。
  • ・停電時に蓄電池に電気が貯まっている前提です。

2 家庭用蓄電池の値段相場

家庭用蓄電池の値段相場は、容量区分別に見ると容量が大きいほど1kWhあたりのシステム価格(注1)と工事費が低減する傾向にあります。ただし、合計×容量で計算すると、総額は高くなる点に注意が必要です。費用は設置する建物の条件や業者によって大きく異なります。

また、家庭用蓄電池の値段は、その年によって変わります。

<補助事業における家庭用蓄電システム価格と工事費の総額平均>(注2)

  • ※一般的な既築住宅における価格とは異なります
  • 2023年度:12.1万円/kWh

補助金事業以外で家庭用蓄電システムを導入する場合は、自己負担額が高くなる点に注意が必要です。

蓄電池の価格は市場環境や資材費によって変動するため、実際の販売価格相場がいくらなのかは一概にいえません。そのため、その年の販売価格をチェックするのが無難です。

  • (注1)システム価格とは、家庭用蓄電池本体やパワーコンディショナーなどのシステム全体の価格を指します。
  • (注2)ここで紹介した価格は、経済産業省で2023年度時点における事業者ヒアリング等をもとにして推計した値であり、実際の販売価格とは異なる可能性があります。最新の価格動向については、各事業者への確認をおすすめします。なお、データは令和5年度経産省ZEH事業、令和5年度環境省ZEH事業、令和5年度環境省ZEH-M事業、分散型エネルギーリソースの更なる活用に向けた実証事業(DER等導入事業・C事業)等のデータを基に推計されています。海外製セルを含む設備コストの平均値であることに留意が必要です。

3 家庭用蓄電池の値段に影響する7つのポイント

家庭用蓄電池の値段は、7つのポイントによって変わります。家庭用蓄電池の値段を比較するときは、以下の要因に目を向けてみましょう。

3.1. 蓄電容量

蓄電容量は、家庭用蓄電池にためられる電力量のことで、数値が大きいほど多くの電力をためられます。一般的に、蓄電容量が大きくなるほど、システム全体の価格も高くなる傾向にあります。

蓄電池を選ぶときは、ご家庭の日常的な電力使用量を把握することが重要です。

日中の太陽光発電の余剰電力をどれだけ自家消費したいか、あるいは停電時にどの程度の家電製品をどれくらいの時間使いたいかなど、「どれだけ電気を貯めて使いたいか」を具体的に考えて、ご家庭に最適な容量を選びましょう。

3.2. 蓄電池のタイプ

家庭用蓄電池は、どのタイプが高いと一概にはいえませんが、特徴を理解したうえで選べるように、それぞれの特徴を知っておきましょう。

主なタイプは、以下の3種類です。

種類 単機能型 ハイブリッド型 ポータブル型
特徴 蓄電池だけで電気を貯めたり、使ったりできる 太陽光発電とセットで使う 持ち運びができ、コンセントから充電して使える
太陽光発電
との相性

設置済みの太陽光パネルに追加する場合、単機能型は機能が独立しているため、太陽光パネルと別メーカーのものも選べます。ハイブリッド型は、1台で太陽光発電と蓄電池を制御しており、発電した電気を変換ロスの少ない状態で利用できます。

このように、タイプによって使い方や設置方法、連携できる設備が異なるため、それぞれの特徴を理解したうえで選ぶことが大切です。

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3.3. 蓄電池の構造(負荷方式)

家庭用蓄電池の値段は、停電時にどこまで電力を供給するかという「負荷方式」によっても変わります。

負荷方式の種類は、次の2つです。

負荷方式 特定負荷型 全負荷型
停電時に電気を供給する範囲 あらかじめ選んだ部屋のみ 家全体
メリット 全負荷と比較して長時間電気を使える 停電時も通常と変わらない生活を送れる
デメリット 特定の範囲内でしか電気を使えない 蓄電池に貯めた電気を使い切るのが早い

一般的に、特定負荷型より全負荷型のほうが値段が高い傾向にあります。これは、全負荷型のほうが広範囲に電力を供給する関係上、必要な機器や設計が高度になるためです。

両者は、値段のほかにメリットとデメリットも異なるので、停電時の過ごし方をよく考えたうえでご自宅の使い方に合うほうを選びましょう。

3.4. 蓄電池の中身の種類

家庭用蓄電池は、電池の種類(方式)によっても値段や寿命、安全性が変わります。家庭用蓄電池の内部に使われる電池にはいくつか種類があります。

種類 特徴
鉛蓄電池
  • 安価で過充電に強く、耐久性が高い
  • 重くて大きく、家庭用蓄電池ではあまり使われない
ニッケル水素
電池
  • 安全性が高く、過充電や急速充放電に強い
  • 現在はリチウムイオン電池に置き換わりつつある
リチウムイオン
電池
  • 軽量・大容量で、スマホから家庭用蓄電池まで幅広く普及
  • 高出力・長寿命で、現在の家庭用蓄電池の主流
NAS電池
  • 高温作動(約300℃)・高効率で長寿命
  • 家庭用蓄電池には不向きで、主に工場や大規模施設向け

3.5. メーカーやブランド

家庭用蓄電池の価格は、製造・販売するメーカーやブランドによっても大きく左右されます。

各メーカーがもつ技術力や製品の品質、アフターサービスの内容などが値段に影響を与えます。

そのため、信頼できる複数のメーカーを比較検討し、ご自身の予算やニーズに合った蓄電池を選びましょう。

3.6. 保証内容

家庭用蓄電池の最終的な購入費用は、保証内容によっても変わる場合があります。

同スペック・同価格帯の製品でも、無償保証の期間や内容には差があるため、将来的な修理費や保証追加の有無によって、総合的なコストに違いが出る可能性があります。

また、無償保証が十分ではない場合に限らず、「より長く安心して使いたい」「トラブル時の負担を避けたい」といった理由で、有償保証を追加するケースもあるでしょう。

いずれにしても、有償保証を加えることで購入費用は上乗せされるため、無償保証の内容とあわせて、有償保証の有無や必要性、費用も含めて導入コストを総額で比較することが重要です。

3.7. 購入方法

家庭用蓄電池の価格は、購入方法によっても変わります。

販売代理店や施工業者によっては、価格の設定やサービス内容が異なるため、総額が変わる可能性があります。

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4 家庭用蓄電池の補助金・助成金【2025年】

家庭用蓄電池の導入費用は高額になりがちですが、国や自治体の補助金を活用すれば、初期コストを大きく抑えることが可能です。

ここでは、2025年に申請できる主な補助金・助成金を解説します。

4.1. DR補助金

DR補助金とは、DR(デマンドレスポンス)に対応可能な家庭用蓄電池システムの導入を支援する制度です。

DRとは、電力の需給バランスにあわせて、家庭での電力使用を調整する取り組みのひとつです。

例えば、電気代が安い時間帯に電気を貯めておき、高い時間帯に使うことで、家庭での電気代の節約に繋がるだけでなく、電力系統全体で電気が余っている時は電気を貯め、逼迫している時は蓄電した電気を放電し使うことで、社会全体の電力供給の安定化にも貢献します。

この補助金は、家庭用蓄電池システムの機器代金や工事費が対象で、最大60万円または3分の1以内の補助率で補助額が計算されます。

【令和7年度の交付申請期間】
2025年3月26日から12月5日まで

  • ※補助金申請額の合計が予算額に達したため、2025年7月2日に交付申請の受付を終了しました

来年以降も制度があるかどうかは、以下のWebサイトをご確認ください。

4.2. 子育てグリーン住宅支援事業

子育てグリーン住宅支援事業は、子育て世帯や若者夫婦世帯が省エネ性能の高い新築住宅を取得するときや、既存住宅を省エネリフォームするときに国が支援する補助金制度です。

ZEH(ゼッチ)レベルや長期優良住宅などの高い省エネ基準を満たす住宅が対象となります。

補助額は住宅の性能に応じて異なり、1戸あたり最大160万円が支給されます。

【令和7年度の交付申請期間】
2025年12月31日まで

  • ※予算上限に達したため受付終了
  • ※参考:子育てグリーン住宅支援事業「事業概要

4.3. ZEH関連補助金

ZEH関連補助金は、ZEH住宅の新築や改修が対象となる補助金制度です。

ZEH関連補助金のうちZEH支援事業では、ZEHまたはZEH+住宅を新築・購入する家庭を対象に、家庭用蓄電池システム導入費用に対して上限20万円/戸が支給されます。

【2025年度の一般公募の申請期間】

  • 新規取り組み:2025年4月28日から8月29日まで
  • 単年度事業:2025年4月28日から12月12日まで
  • ※先着方式

4.4. 住宅等の脱炭素化促進補助(名古屋市)

名古屋市が実施する住宅等の脱炭素化促進補助は、市内の住宅における地球温暖化対策として、太陽光発電設備や蓄電システムなどの導入を支援する制度です。

名古屋市民の個人や市内の法人が対象となり、蓄電システムの場合は1kWhあたり1万5,000円が支給されます。

【令和7年度の交付申請期間】
2025年4月16日から2026年2月13日まで

  • ※予算上限に達したため受付終了

5 家庭用蓄電池の導入費用を抑えるコツ

補助金だけでなく、ちょっとした工夫でも蓄電池の導入費用は抑えられます。ここでは2つのコツを解説するので、参考にしてみてください。

5.1. 初期費用0円のリースサービスを利用する

家庭用蓄電池は初期費用が高額になりやすいですが、リースサービスならその負担を抑えられます。リースサービスとは、製品を購入せず、定額料金で利用できるサービスです。

月々のリース料金を支払えば、初期費用0円で手軽に家庭用蓄電池を導入できます。

例えば、中部電力ミライズの「カテエネリース」は、初期費用0円で蓄電池を導入できます。リースについての詳細は以下からご覧ください。

5.2. メーカーなどの割引キャンペーンを活用する

家庭用蓄電池の導入を検討するときは、メーカーや電力会社などが実施する割引キャンペーンにも注目しましょう。こうしたキャンペーンは、蓄電池の普及を目的に実施されており、導入費用を抑えるチャンスとなります。

期間限定で特典があるキャンペーンもあるので、最新情報をこまめに確認することが大切です。

蓄電池を中部電力ミライズに相談してみませんか?

6 家庭用蓄電池の値段を比較するときの注意点

家庭用蓄電池を選ぶときは、つい値段の安さに目が行きがちですが、さまざまな観点から比較検討することが大切です。ご家庭に必要な蓄電容量や機能、メーカー保証内容などを確認し、総合的に判断する必要があります。

しかし、我が家に合った最適な容量や蓄電池のタイプを見極めるには、専門知識が必要です。各メーカーのウェブサイトで製品の価格帯や特徴を確認することもできますが、「どれがいいのかわからない」と悩むこともあるでしょう。

そのようなときは、無理に自分で判断しようとせず、専門業者や販売店に相談してみてください。プロのアドバイスを受けながら選ぶことで、ご自身のライフスタイルやニーズに合った蓄電池を導入できるでしょう。

7 まとめ

家庭用蓄電池は、電気代の節約や停電時の備えとして効果的ですが、導入費用が高額になる点が気になる方も少なくないでしょう。かといって安さだけで製品を選ぶと、「機能が足りなかった」「容量が足りない」といった状況に陥りかねません。

費用を抑えて蓄電池を導入したいときは、まず利用できる補助金・助成金がないかを調べることが大切です。また、メーカーや電力会社がおこなう割引キャンペーンを利用することで、導入費用を抑えられます。

ほかにも、初期費用をかけずに蓄電池を導入できるリースサービスがあります。

例えば、中部電力ミライズの「カテエネリース」であれば、初期費用0円で蓄電池を導入し、災害時の停電や電力需給ひっ迫時に備えることが可能です。

家庭用蓄電池の初期費用の負担を抑えたい方は、ぜひ「カテエネリース」の利用をご検討ください。

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