コラム

公開日:2025.10.8

太陽光発電システムのメリット・デメリットと導入前に知っておきたいポイントをわかりやすく解説

volume 04

太陽光発電システムの
メリット・デメリット

導入前に知って
おきたいポイントを
わかりやすく解説

太陽光発電システムの導入を検討していると、「電気代の節約につながる」「停電時に備えられる」といった魅力的なメリットをよく目にします。自宅に合った設備を導入し効果を最大限に得るためには、メリットだけでなく、 注意点やデメリット がないかも知ったうえで製品を比較・検討しましょう。

この記事では、太陽光発電システムのメリット・デメリット、導入前に知っておくべき注意点を簡単に解説します。太陽光発電システムの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

1 太陽光発電の基本知識を押さえよう

太陽光発電とは、太陽の光エネルギーを太陽電池(ソーラーパネル)で電気に変える発電方法です。近年では、光熱費の高騰や停電への対策として、一般家庭にも導入が広がっています。

太陽光パネルは屋根などに設置し、太陽光を受けることで発電します。発電した電気は自宅で使うことができます。ただし、太陽光パネルに蓄電機能はないため、余った電気は電力会社に売る「売電」か 、蓄電池を導入して蓄電池にためて活用する方法があります。

売電はFIT(固定価格買取)制度により、一定期間決められた価格での買取が保証されていますが、価格や制度内容は毎年度見直される(注)ため、最新情報の確認が必要です。

  • (注)2025年度認定分は、9月までは10年間一律15円/kWh、10月以降は初期投資支援スキームが導入され、4年間24円/kWh、5年目~10年目8.3円/kWhとなります。

太陽光発電システムの導入率や拡大の背景については、以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

関連記事:
太陽光発電とは?しくみとメリット・デメリット、導入方法をわかりやすく解説

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2 太陽光発電システムにはどんなメリットがあるの?

電気料金の節約や災害時の備えなど、太陽光発電システムが注目される理由はさまざまです。太陽光発電システムには、大きく分けて5つのメリットがあります。

2.1. 電気料金の節約につながる

太陽光発電システムでつくった電気を家庭で使うと、電力会社から購入する電気が減り、電気料金の節約に繋がります。余った電力は売電し、収益を得られるため、光熱費の補填や機器導入費用の回収にあてられます。

2.2. 災害時の備えになる

太陽光発電システムは、災害時に停電が発生しても、自立運転が可能(注)です。そのため、不測の事態が起こったとき、最低限の生活に必要な電力を確保するために必要な最低限の電力を確保する役割を果たします。

例えば、電気ケトルや、扇風機が使えます。また、スマートフォンの充電にも利用でき、情報収集や安否確認にも役立ちます。

さらに、太陽光発電システムと蓄電池を併用すれば、昼間に発電した電気をためておけるので、夜間にも使えます。このように、太陽光発電システムは非常時の生活を大きく支えてくれます。

災害などで停電しても、電気を使えて安心。

※1500Wまで利用可能。仕様によりコンセントの位置は異なります。

  • (注)停電時でも日中に太陽が出ている場合および設備やシステムの故障がない場合に限ります

2.3. 脱炭素社会への貢献が期待できる

自然エネルギーである太陽光を有効活用できる点も、太陽光発電の大きな魅力といえるでしょう。太陽光発電システムを利用すると、火力発電の燃料となる石油や石炭、天然ガスといった化石燃料の消費を減らせます。その結果、二酸化炭素の排出を抑えることが可能です。

例えば、4kWの太陽光発電システムで1年間発電した場合、CO2の削減効果はスギ約200本が1年間に吸収する量に相当するといわれています。

このように、自宅に太陽光発電システムを導入するだけで、社会全体の二酸化炭素削減に貢献できます。

2.4. 節電意識が高まる

太陽光発電システムは、発電量や電気使用量をモニターなどで確認できるため、節電効果を実感しやすく、節電意識が自然と高まります。

日々、電気使用量を意識するようになると、「もっと電気料金を節約できるプランはないか」と考えることも増えるでしょう。

2.5. 断熱効果が得られる場合もある

太陽光パネルを屋根に設置すると、屋根にあたる直射日光を防ぐことができ、「部屋が涼しくなった」「エアコンの設定温度が変わった」など、屋内の断熱効果を感じられたという声もあります。

この効果については、PVソーラーハウス協会が2015年に実施した実験でも確認されています。太陽光パネルを設置したほうが、設置していない住宅と比較して、屋根裏の温度が約10℃も下がったのです。

設置場所や条件によっても変わりますが、断熱効果を得られれば、エアコンの使用頻度が下がり、結果的に電気消費量を抑えられる可能性もあります。

3 太陽光発電システムにはデメリットもある

太陽光発電システムのメリットは魅力的ですが、導入前にデメリットも含めて慎重に検討することが大切です。ここでは、太陽光発電システムのデメリットを4つに分けて紹介します。

3.1. 設置と維持にコストがかかる

太陽光発電システムを設置するときは、初期費用や維持費がかかります。

資源エネルギー庁の資料によると、2024年の住宅用太陽光発電システムの平均設置費用(1kWあたり)は、新築住宅が28.6万円、既築住宅が32.6万円です。5kwの場合は、143万円~163万円ほどの費用が必要となる計算です。

また、10〜15年でパワーコンディショナ(以下パワコン)の交換が必要になったり、設備の定期的なメンテナンスが発生したりと、維持費も発生します。

これらを考慮すると、太陽光発電システムを導入する前に、長期的な視点でコストシミュレーションをおこなうことが大切です。

なお、自治体の補助金制度やリース契約などをうまく活用すれば、経済的負担を抑えられるので、導入時に活用を検討しましょう。

3.2. 定期点検が必要になる

太陽光発電システムは機器の多くを屋外に設置するため、長く安定して使うには定期的な点検が必要です。

例えば、パネル表面の汚れや落ち葉、鳥のフンを放置すると発電効率が低下し、経済効果が得られにくくなります。また、台風や雪、地震による機器のズレや配線の異常は見た目ではわかりにくく、定期点検での早期発見が重要です。

さらに漏電や火災といったリスクを防ぐためにも、安全面の観点から定期チェックが欠かせません。

3.3. 発電量が自然条件などに左右される

太陽光発電システムは、雨や曇りの日には日射量が減少し、発電効率が下がる傾向があります。

また、強い日差しでも外気温が高すぎるとパネルの性能が低下することがあるため、晴天であればたくさん発電できるとは限りません。

日射量だけでなく質や温度などの自然条件の影響も受けるため、できるだけ安定して発電でき、効率的に電気を活用できる太陽光発電システムを選ぶことが重要です。

3.4. 設置に向かない建物もある

すべての建物が太陽光発電システムに適しているとは限りません。例えば、屋根に十分な日射があたらない、屋根の勾配が極端にきつい、面積が狭いなどのケースでは、効率的な発電が難しくなります。

また、金属やスレート以外の屋根材だと設置が難しい、塩害リスクの高い海沿い地域では機器の劣化が早まるといった場合もあります。

そのため、建物や立地の条件を十分に確認したうえで、導入を検討することが大切です。

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4 太陽光発電システムのメリット・デメリットをふまえた5つの検討ポイント

太陽光発電システムのメリット・デメリットを理解したところで、実際に我が家が太陽光発電システムに適しているか、効果を得られるかが気になるはずです。

そこで、ここからは、太陽光発電システムを導入するかどうかを検討するときのポイントを5つ解説します。

4.1. ①回収年数

太陽光発電システムは初期費用がかかりますが、電気代の削減や売電収入によって少しずつ回収していくしくみです。

そのため、経済的にプラスになるかどうかを見極めるには「何年で元が取れるか」が重要な判断材料になります。

初期費用の回収年数は、発電量や売電収入、自家消費量、導入コスト、補助金の有無などによって大きく変わります。

そのため、導入前にシミュレーションをおこない、自宅の条件に応じた目安を把握しておくことが大切です。

4.2. ②建物の条件

太陽光発電システムを導入するには、自宅が設置に適しているかを見極めることが大切です。

例えば、屋根の向きや傾斜、広さによっては、十分な発電量を期待できない場合があります。

一般的に南向きの屋根がもっとも効率が良いとされますが、周囲の建物や樹木の影も含めて影響を考慮しなければなりません。近年では、北面にも設置できるパネルも登場しており、選択肢は広がっています。

設置の可否は、自己判断では難しいため、専門業者にシミュレーションを依頼して確認することが重要です。

4.3. ③ライフスタイル

太陽光発電システムは長期間使い続けることでコストを回収できる設備のため、「この家に今後も長く住む予定があるか」は重要な判断材料になります。

将来的に引っ越しや建て替えを予定している場合、十分な運用期間を確保できず、経済的メリットを得られない可能性があります。

そのため、今後のライフスタイルや居住予定年数を踏まえて、導入を検討しましょう。

4.4. ④予算

太陽光発電システムは、自分で設備を購入するだけではなく、費用を抑えて始められるリース契約や、0円で導入できるPPAモデルなどの導入方法があります。

以下は、一般的な3つの導入方法と費用の目安を比較した表です。

導入方法 購入 PPA リース
所有者 自分 事業者 事業者
初期費用 必要 不要(0円) 不要(0円)
月々の支払い なし 電気使用量分 あり
定期点検費用 自己負担 事業者負担 月額料金に原則含まれる(注)
  • (注)中部電力ミライズの「カテエネリース」の場合

また、国や自治体の補助金制度を使えば、初期費用を抑えられます。補助金制度を活用するかどうかも含めて、導入コストと契約内容のバランスを比較し、自分に合った方法を検討することが重要です。

それぞれの導入方法の特徴や違いを詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。

関連記事:
太陽光発電とは?しくみとメリット・デメリット、導入方法をわかりやすく解説

4.5. ⑤メンテナンスに対する意識

太陽光発電システムを長く安定して使うには、設備の定期的な点検や清掃が必要なため、ある程度のメンテナンス意識が求められます。

太陽光発電システムの導入段階で、信頼できる業者を選定しておくことで、設置後も安心し定期点検を依頼できます。これを実現するためには、サポート体制を十分に確認して、信頼できる業者を選ぶことが大切です。

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5 導入前に知っておくべき注意点

自宅に合った太陽光発電システムを導入して、高い効果を得るためにも、導入前に3つの注意点について理解を深めておきましょう。

5.1. 長期的な視点で投資回収を目指す

太陽光発電システムを設置すれば元が取れると思われる場合もありますが、必ず投資回収が可能とは言い切れません。

実際の回収期間は立地条件や電気使用量、売電価格の変動などによって大きく左右されます。また、近年はFIT制度の終了や売電単価の下落もあり、初期投資を短期間で回収するのは難しくなってきています。

そのため、太陽光発電システムの導入にあたっては、長期的な視点で費用対効果をシミュレーションし、納得したうえで導入するのが望ましいでしょう。

5.2. 国や自治体の補助金制度を活用する

補助金制度を活用すると、太陽光発電システムの導入費用を抑えることが可能です。

国の制度に加え、自治体が独自に補助金を用意しているケースもあり、補助の有無によって導入コストが大きく変わることもあります。

例えば名古屋市では、太陽光発電システムの設置に対して最大12万円の補助が受けられる制度が設けられています(注)。導入前には、必ず居住地の補助金制度を確認して、活用を検討しましょう。

  • (注)2025年度の申請受付は終了しました。

5.3. 業者選びや契約内容の確認が重要になる

太陽光発電システムを安心して導入・運用するには、信頼できる業者を選び、契約内容を十分に確認することが大切です。

設置業者によって、工事の質やアフターサポートの内容に大きな差が出るため、複数の業者から見積もりを取るなど、内容を比較検討することもお勧めです。

このとき確認すべきポイントは、以下のとおりです。

  • 工事内容の詳細:設置場所、施工方法、工期などが明確か
  • 保証期間と内容:パネルやパワコンの保証年数と範囲
  • メンテナンス費用:定期点検や機器交換にかかる費用は自己負担か
  • 解約条件:PPAやリース契約の場合、途中解約の条件や違約金の有無
  • 追加費用:契約後に別途請求される費用があるか
  • 実績:施工実績の件数や年数はどのくらいか
  • 評判:口コミやレビューでの評価はどうか
  • 企業信頼度:設置業者に倒産の恐れがないか

とくに、PPAやリース契約では、所有権や売電収入の扱いも含めて慎重に確認しましょう。

6 まとめ

太陽光発電システムは、電気代の節約や停電時の備え、脱炭素社会への貢献など、さまざまなメリットがあります。一方で、設置コストやメンテナンスの手間、発電量が自然条件に左右されるなどのデメリットも存在します。

こうしたメリット・デメリットを正しく理解したうえで、自宅の条件やライフスタイル、予算に合った導入方法を選ぶことが重要です。

コスト面でのデメリットを強く感じている方には、リース契約の利用も選択肢として考えてみてください。月々のリース料金は発生しますが、初期費用をかけずに太陽光発電システムを導入できます。

リース契約なら、まとまったお金を用意したりローンを組んだりしなくても導入できるため、家計の負担を抑えつつ、太陽光発電システムのメリットを感じられるでしょう。

初期費用を抑えて太陽光発電システムを導入したい方は、ぜひ中部電力ミライズの「カテエネリース」の利用をご検討ください。

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