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セラミックファンヒーターとは?
セラミックファンヒーターとは、電気を用いて内部のセラミックで覆われた電熱線を加熱し、ファンで温風を送り出す暖房器具です。
石油ストーブのように灯油を用意する必要もなく、電気さえ供給できれば暖まるため、暖を取りたいタイミングで気軽に使用できます。
似ている暖房器具としてセラミックヒーターがありますが、こちらは暖めた空気を送るためのファン機能がありません。
そのため、セラミックヒーターは、セラミックファンヒーターよりも暖められる範囲が狭くなります。
なお、以下の記事では、暖房器具ごとに暖めるスピードを検証し、その結果や特徴を紹介しています。それぞれの電気代も確認できますので、ぜひあわせてご覧ください。
カテエネ研究所「エアコン、ファンヒーター、ストーブ…暖房機器のなかで最も早く暖めてくれるのはどれ?」
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セラミックファンヒーターのメリット
ここでは、セラミックファンヒーターの3つのメリットを紹介します。どのような魅力があるのかを、詳しく見ていきましょう。
2.1. すぐ暖まる
セラミックファンヒーターの電熱線が発熱するまでの時間は短く、電源を入れてから短時間で加熱されます。そのぶん、すばやく温風が送り出されるため、すぐに体を暖められます。
速暖性が高いことで、起床後に短時間使用したい場合や、外出先から帰宅してすぐに暖を取りたい場合などに重宝するでしょう。
2.2. 軽量で楽に持ち運べる
セラミックファンヒーターは、コンパクトかつ軽量な製品が多く販売されており、楽に置き場所を移動できます。
簡単に持ち運べることで、電源さえ供給できればデスク下や脱衣所、トイレなど、場所を問わずに使用が可能です。
そのため、セラミックファンヒーターを1台購入しておくことで、多くの場面での活躍が期待できます。
また、春や夏など暖房器具が不要な時期に、省スペースで収納できる点もメリットといえるでしょう。
2.3. 安全性が高い
セラミックファンヒーターは、電源を入れても火を使わないため、比較的安全性が高い暖房器具です。
また、石油ストーブやガスファンヒーターのように二酸化炭素も発生しないため、部屋を閉め切った状態で使用した場合でも、一酸化炭素中毒を引き起こす心配もありません。
セラミックファンヒーターは、転倒時に電源が自動で切れる製品も販売されているので、小さな子どもやペットがいるご家庭でも安心して使いやすいでしょう。
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セラミックファンヒーターのデメリット
ここでは、セラミックファンヒーターの2つのデメリットを紹介します。それぞれの内容を、詳しく確認しましょう。
3.1. 部屋全体を暖めるのには向いていない
セラミックファンヒーターは、局所的に暖めたい場面での使用が想定されている製品が多く、部屋全体を暖めるには不向きです。
部分的に暖めるスピードは早いですが、広い空間を暖めるには出力不足であり、部屋全体を暖めきれない可能性が高いです。
そのため、ある程度広い部屋を暖めたい場合は、エアコンやオイルヒーターなど、部屋を均等に暖める特徴を持った暖房器具を使用するほうが良いでしょう。
3.2. 電気代が高い
セラミックファンヒーターは、ほかの暖房器具と比較すると電気代が高くなりやすいです。電気代が高くなると家計の負担が重くなるため、一般家庭での長時間の使用には向いていません。
そのため、ほかの暖房器具と組み合わせて短時間で部分的に使用する方法が、基本的なセラミックファンヒーターの使い方といえます。
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セラミックファンヒーターの電気代はいくら?
家電製品を使用した際の電気代は、製品ごとの消費電力と稼働時間などで決まります。計算方法は、以下のとおりです。
電気代=1時間あたりの消費電力(kW)×使用時間(h)×電気料金単価(円/kWh)
なお、一般的に家電製品の消費電力は「ワット(W)」で表示されているため、1時間あたりの消費電力を求める際は消費電力を1,000で割って「キロワット(kW)」に変換します。
上記の式を用いて、一般的なセラミックファンヒーターの稼働時間ごとの電気代を算出すると、以下のようになります。
- (注1)1日は24時間、1ヶ月は24時間×30日で計算
- (注2)電気料金単価は31円/kWhで計算
セラミックファンヒーターの1時間あたりの電気代は、弱モード(600W)で約19円、強モード(1,100W)で約34円です。
このように、同じセラミックファンヒーターを使用した場合でも、消費電力の違いによって電気代が大きく変わることがわかります。
また、1ヶ月稼働し続けた場合は、弱モード(600W)でも電気代が1万円を超えるため、常時運転し続けるのは得策でないといえるでしょう。
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セラミックファンヒーター以外の暖房器具との電気代比較
セラミックファンヒーターの電気代だけでは、電気代が高いかどうかを判断しづらいため、ほかの暖房器具と比較します。
主な暖房器具の使用時間ごとの電気代の目安は、以下のとおりです。
【暖房器具ごとの電気代目安】
- (注1)1日は24時間、1ヶ月は24時間×30日で計算
- (注2)各暖房器具の最大消費電力の目安に基づき計算
- (注3)電気料金単価は31円/kWhで計算
それぞれの暖房器具の最大消費電力で使用した場合の電気代を比較すると、セラミックファンヒーターは、オイルファンヒーターに次いで電気代がかかることがわかります。
消費電力が低めの暖房器具であるカーボンヒーターやエアコンと1ヶ月あたりの電気代を比べると、セラミックファンヒーターの方が1万円以上高いです。
そのため、電気代の節約を考慮すると、やはりセラミックファンヒーターは単体で長時間使用するのではなく、ほかの暖房器具との併用が望ましいでしょう。
また、多くの家庭で使用されているエアコンは、部屋を満遍なく暖められますが、全体が暖まるまでに時間を要する欠点があります。一方、セラミックファンヒーターは、広いスペースを暖めるのには不向きですが、すぐに暖を取れる点が魅力です。
このように、暖房器具によって一長一短がありますので、そのときの使用状況に合ったものを使い分けましょう。なお、上記の表は消費電力の一例であるため、使用する製品や使用方法によって電気代が異なる点に注意してください。
以下の記事では、冬の家電製品にかかる電気代や、節電方法を詳しく紹介しているので、ぜひあわせてご覧ください。
冬の電気代の平均はどれくらい?高くなる理由やおすすめの節電方法8つ
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セラミックファンヒーターの電気代を抑えながら快適に使うには?
セラミックファンヒーターは電気代がかかりやすい暖房器具ですが、工夫を凝らすことで電気代を抑えることもできます。
ここでは、電気代を抑えつつ、快適に使用する5つのポイントを紹介するので、使用時の参考にしてみてください。
6.1. 部屋を閉め切った状態で使う
セラミックファンヒーターを使用する際は、部屋を閉め切った状態での使用をおすすめします。
なぜなら、外部から冷気が侵入すると、ヒーターで送り出した温風が暖かく感じづらくなるからです。また、前述したように、セラミックファンヒーターは二酸化炭素を排出しないため、部屋を閉め切った状態でも安全に使用できます。
部屋のドアや窓を閉めた状態でセラミックファンヒーターを使用し、より効率的に体を暖めましょう。
6.2. ほかの暖房器具と組み合わせて使う
セラミックファンヒーターは、部屋を部分的に暖めるものであり、長時間使用すると電気代も高くつくため、ほかの暖房器具と組み合わせて使うと良いでしょう。
例えば、部屋全体を暖める性能に優れたエアコンと組み合わせる方法があります。外出先から帰ってきた後にセラミックファンヒーターとエアコンの電源を入れれば、まずはすぐに温風が吹き出すセラミックファンヒーターで体を暖められます。
その後、エアコンによって部屋全体が暖まったタイミングでセラミックファンヒーターの電源を切り、エアコンのみを使用します。
このような使い方をすることで、電気代を安く抑えながら、効率的に部屋を暖められるでしょう。
6.3. 窓の断熱やすきま風を防いでおく
セラミックファンヒーターの機能を最大限活かすためには、窓の断熱やすきま風を防ぐなどの工夫を凝らすことが重要です。
外部からの冷気を伝わりづらくすることで、無駄な電力を使用せずに体や部屋を暖めやすくなります。暖房効果を高めるために手軽にできる主な対策は、以下のとおりです。
- 厚手のカーテンや断熱カーテンに買い換える
- 窓に断熱シートや緩衝材(プチプチシート)を貼る
- 窓サッシにすきまテープを貼る
- 床にラグやアルミシートを敷く
特に、築年数の古い物件は、窓サッシのパッキンの劣化によって隙間が生じやすく、室内に冷気が入り込みやすくなっている場合があります。
上記のような寒さ対策をできるところから実践し、効率的に室内が暖まる環境を作りましょう。
6.4. よく使う時間の電気代が安い電気料金プランに変える
電気代を抑えるには、セラミックファンヒーターなどの暖房器具をよく使用する時間の電気代が安い電気料金プランに変えることも方法の一つです。
例えば、夜間に暖房器具をよく使う場合は、夜の電気代が安くなるプランを選び、昼に暖房器具を使う頻度が高い場合は、日中の電気代が安くなるプランを選ぶと良いでしょう。
電気料金プランにはさまざまな種類があるため、料金メニューを比較し、我が家に最適な電気料金プランを契約すると、電気代の節約に繋がります。
中部電力ミライズでは、日中に家を空けることが多い方向けの「スマートライフプラン」を提供しており、夜間の電気代を安く抑えられます。
このほかに、電気の使用状況に合わせて以下の3つから最適な電気料金プランを選ぶことも可能です。
どのプランを選べば良いかわからない方は、料金シミュレーションで自分に合ったおトクな料金プランがわかりますので、気になる方はぜひ詳細をご確認ください。
料金シミュレーション
6.5. 電気料金とガス代のセット割にしておトクに電気を使う
セラミックファンヒーターの電気代を抑えるには、電気料金とガス代のセット割を使用する方法もあります。
電力会社によっては、電気とガスの両方を合わせて契約することで、電気代とガス代の合計費用が安くなる可能性があるでしょう。
例えば、中部電力ミライズでは、電気とガスがセットでおトクになるプランを提供しています。ご家庭で1つでもガス機器を使っていれば利用できるので、ぜひご検討ください。
カテエネガスプラン
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まとめ
使用する製品の消費電力によって異なりますが、一般的にセラミックファンヒーターの電気代は、ほかの暖房器具と比較して高い傾向にあります。
そのため、電気代をなるべく抑えたい場合は、セラミックファンヒーター以外の暖房器具との併用や、ご家庭に合った電気料金プランを契約するなどの工夫を凝らすことが大事です。
中部電力ミライズでは、複数の電気料金プランを提供しており、それぞれの生活スタイルに合ったプランを選べます。各ご家庭に最適なプランを選ぶことで、電気代の節約に繋がる可能性があるため、電気料金プランを見直してみましょう。
また、中部電力ミライズが提供する家庭向けWEBサービス「カテエネ」では、ポイント制度があります。
「カテエネポイント」は、カテエネで電気のご使用実績やコラムなどのチェックをすることや、毎月の電気・ガス料金の支払いに応じてたまります。
たまったカテエネポイントは「1P=1円」として、電気料金のお支払いにご利用いただけるため、電気代の節約に効果的です。
電気は毎日使うものなので、「カテエネ」を活用し、おトクに電気を利用しましょう。