公開日:2025.4.25 VOL.19

パネルヒーターの電気代はいくら?ほかの暖房器具との比較や節電の方法を解説

パネルヒーターの
電気代はいくら?
ほかの暖房器具との比較や
節電の方法を解説

パネルヒーターは静かで安全性が高く、体の中からじんわりと暖まるため、人気のある暖房器具です。しかし、部屋全体が暖まるまでに時間がかかることから、電気代が心配という方もいるでしょう。

この記事ではパネルヒーターの電気代や、ほかの暖房器具と比較した場合について解説します。電気代を節約しながら、パネルヒーターを快適に使う方法も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

1 パネルヒーターとは?

パネルヒーターとは、電気ヒーターを使ったパネル型の暖房器具です。内部の発熱体の温度を上げ、その熱を電熱パネルに伝えて暖める「輻射熱(ふくしゃねつ)」のしくみを利用しています。

空気ではなく物体に蓄熱するため、部屋全体を均一に、じんわりと暖められるのが特徴です。オイルヒーターとしくみは似ていますが、パネルヒーターのほうが速暖性に優れており、その分電気代を抑えやすくなっています。

パネルヒーターには、広い部屋向けで価格が高めの大型タイプと、スポット使い向けで価格が低めの軽量・小型タイプの2種類があります。使う場所や予算に合わせて選びましょう。

なお、以下の記事では、暖房器具別の暖まりやすさについて解説しています。あわせてチェックしてみてください。

カテエネ研究所「エアコン、ファンヒーター、ストーブ…暖房機器のなかで最も早く暖めてくれるのはどれ?」

2 パネルヒーターのメリット

パネルヒーターは、多くの魅力や利便性を持つ暖房器具です。ここでは、パネルヒーターのメリットをくわしく見ていきましょう。

2.1. 空気が汚れない

パネルヒーターのメリットの一つは、使っても部屋の空気が汚れないことです。

石油ストーブやファンヒーターなど、灯油を燃焼させる暖房器具は、排気ガスで空気が汚れがちです。また、エアコンやファンヒーターでは送風されるため、部屋のホコリが舞い上がったり、部屋が乾燥したりする恐れがあります。

パネルヒーターは排気ガスや風が発生しないことから、冬の寒い日でも窓を開けて換気する必要がなく、常にクリーンな空気を保てます。乾燥も予防でき、赤ちゃんや年配の方がいる家にぴったりです。

2.2. 結露が起きにくい

パネルヒーターは水蒸気を発生させないため、結露が起きにくいのが特徴です。

結露は、外気温と室内気温の差が大きくなったときに、水蒸気が水滴となって付着します。

石油やガスファンヒーターでは、燃焼時に大量の水蒸気が発生するため、家の窓ガラスやサッシ、壁の中まで結露が起きるケースもあります。結露が多いとカビやダニが発生しやすく、家の壁材や床はもちろん、健康にも害を及ぼしかねません。

一方、パネルヒーターは部屋全体を均一に暖める特性から温度差が発生しにくく、結露を予防できるため、家にも優しい暖房器具といえます。

2.3. 安全性が高い

火を使わず安全性が高いことも、パネルヒーターのメリットの一つです。

石油やガスファンヒーターは室内で燃料を燃やすため、火事や一酸化炭素中毒のリスクがありますが、パネルヒーターならリスクを低く抑えられます。

また、放熱部分を覆っているパネルの表面温度は約40〜70℃と、触ってもやけどしにくい設定になっています。そのため、小さいお子さんや年配の方がいる家でも安心して使えます。

ただし、長時間触ると低温やけどの恐れがあるため、設置方法には注意しましょう。

2.4. 静音性が高い

パネルヒーターは、使用してもほとんど音がせず、静音性が高いことも特徴です。

エアコンやファンヒーターの場合、どうしても送風音や作動音がするため、夜間や仕事中などは音が気になることもあります。

パネルヒーターは、集中力が必要な仕事中のデスクまわりや、赤ちゃんやペットがいる寝室での利用などに重宝するでしょう。

3 パネルヒーターのデメリット

パネルヒーターはメリットの多い暖房器具ですが、使い方に注意が必要な部分もあります。ここでは、パネルヒーターのデメリットについてくわしく見ていきましょう。

3.1. 暖まるまで時間がかかる

パネルヒーターは、輻射熱で空気をじんわりと暖めるという特性上、部屋全体が暖まるまでに時間がかかります。

使う部屋が広いほど暖まりにくくなり、その分電気代も上がりやすいのがデメリットです。すぐに暖まる暖房器具を探している場合は、エアコンやセラミックファンヒーターを使うと良いでしょう。

セラミックファンヒーターの特徴や電気代について、詳しくは以下の記事をチェックしてみてください。

セラミックファンヒーターの電気代を節約するには?ほかの暖房器具との電気代比較も解説

3.2. 電気代が高め

出力モードや使用時間にもよるものの、パネルヒーターの電気代は比較的高めです。

なかでも、大型タイプのパネルヒーターは小型タイプに比べて消費電力が高く、広い部屋を暖めるために多くの電気代がかかります。

また、「弱」モードではそこまでではないものの、「強」モードにすると、8〜12畳用のエアコンよりもパネルヒーターの電気代のほうが高くなってしまいます。

寒い日は「強」モードでの使用が増えやすいため、エアコンやセラミックファンヒーターと併用または代用すると良いでしょう。

3.3. 部屋全体を暖めるのには向いていない

パネルヒーターは、部屋全体を暖めるのには向いていません。小型タイプならデスクの足元や、トイレ・洗面所などのスポット利用が適しています。

ただし、大型で両面を暖めるタイプや「強」モードでの利用で、狭めの部屋全体をじんわり暖めることは可能です。

とはいえ、ものによってはパネルヒーターだけでは暖かさが足りない場合があるため、広い部屋ではエアコンやセラミックファンヒーターの利用を検討しましょう。

4 パネルヒーターの電気代はいくら?

パネルヒーターの電気代は、1ヶ月で約9,000〜27,000円が目安です。

小型・大型タイプと「弱」「中」「強」のモードに分け、使用時間別の電気代を計算して以下の表にまとめました。

【パネルヒーターの電気代比較】

消費電力 1時間 8時間 1日 1ヶ月(注1)
小型 弱:400W 約12円 約96円 約288円 約8,640円
中:600W 約19円 約152円 約456円 約13,680円
強:1,000W 約31円 約248円 約744円 約22,320円
大型 弱:500W 約16円 約128円 約384円 約11,520円
中:800W 約25円 約200円 約600円 約18,000円
強:1,200W 約37円 約296円 約888円 約26,640円
  • (注1)1日24時間・30日使用した場合
  • (注2)電気料金単価は31円/kWhで計算

パネルヒーターの電気代は、出力モードによって大きく異なります。

「強」モードで1日24時間×30日使用すると、1ヶ月で約22,000〜27,000円かかりますが、「弱」モードなら1ヶ月で約9,000〜12,000円に抑えられます。電気代を抑えるには、「弱」モードでも効率的に暖まるスポット利用がおすすめです。

また、パネルヒーターを24時間使うと「弱」モードでも約300〜400円、「強」モードでは約800〜900円かかります。つけっぱなしにするとすぐに電気代を圧迫してしまうため、必要なときだけ使ってコストを抑えましょう。

5 パネルヒーター以外の暖房器具との電気代比較

パネルヒーターの電気代と、その他の暖房器具との電気代を比較して、以下にまとめました。

【パネルヒーターとその他の暖房器具 電気代比較】

暖房器具 消費電力 1時間あたりの差 8時間あたりの差 1日あたりの差 1ヶ月(注1)
あたりの差
パネルヒーター 1.2kWh 基準 基準 基準 基準
オイルヒーター 1.5kWh +約9円 +約74円 +約223円 +約6,700円
ハロゲンヒーター 0.8kWh -約12円 -約99円 -約298円 -約8,900円
シーズヒーター 0.8kWh -約12円 -約99円 -約298円 -約8,900円
セラミック
ファンヒーター
0.6kWh -約19円 -約149円 -約446円 -約13,400円
カーボンヒーター 0.6kWh -約19円 -約149円 -約446円 -約13,400円
エアコン(暖房) 0.5kWh -約22円 -約174円 -約521円 -約15,600円
  • (注1)1日24時間・30日使用した場合
  • (注2)各暖房器具の最大消費電力の目安に基づき計算
  • (注3)電気料金単価は31円/kWhで計算

パネルヒーターよりも電気代が高いのはオイルヒーターで、1ヶ月使用した場合で比較すると、パネルヒーターのほうが約6,700円安くなります。

しかし、その他の暖房器具に比べると、パネルヒーターのほうが1ヶ月で約9,000〜16,000円高くなります。そのため、パネルヒーターをメインで使うと電気代が上がりやすい点に注意が必要です。

電気代を気にせずに使いたい場合は、消費電力の低いエアコンやセラミックファンヒーターが向いています。温風が部屋の空気をかき混ぜることで、素早く部屋全体を暖められるのがメリットです。

一方で、暖まるまでに時間がかかるパネルヒーターやオイルヒーターは、狭い部屋や足元のみなどのスポット利用がおすすめです。

以下の記事では、冬の電気代の平均や節電方法について解説しています。気になる方はぜひチェックしてみてください。

カテエネ研究所「冬の電気代の平均はどれくらい?高くなる理由やおすすめの節電方法8つ」

6 パネルヒーターの電気代を抑えながら快適に使うには?

パネルヒーターの電気代は、その他の暖房器具に比べるとやや高めです。しかし、ちょっとした工夫をするだけで電気代を抑え、快適に使えるようになります。

ここでは、電気代を節約しながらパネルヒーターを使うためのポイントを紹介します。

6.1. 必要なときだけ使う

パネルヒーターは元の電気代が高めなことから、基本的には必要なときだけ使いましょう。普段は電気代の安いエアコンで部屋全体を暖めるようにすると、パネルヒーターの利用を最低限に抑えられます。

また、常に「強」モードで使うのではなく、天気や室温に合わせて、消費電力の少ない「弱」や「中」モードを組み合わせると良いでしょう。

そのほか、タイマーの活用もおすすめです。仕事前や寝る前に「弱」モードでタイマーをかけておくと、使いすぎを防げます。

6.2. 上にたまった暖かい空気を循環させる

パネルヒーターに加えて、空気を循環させる暖房器具を取り入れるのも方法の一つです。

温かい空気は部屋の上にたまる性質があるため、扇風機やサーキュレーターを使って、天井へ風を送りましょう。

温かい空気が対流して部屋の温度が一定になると、パネルヒーターを「弱」にしても暖かさを感じやすく、電気代を抑えられます。

6.3. 窓の下や冷気が入る場所に置く

パネルヒーターを、窓の下や冷気が入る場所に置くことも有効です。

冬は外の冷気が窓などから室内へ入り込みやすく、部屋がなかなか暖まらないため、それだけ多くの電気代がかかります。

しかし、窓の下にパネルヒーターを設置すると、窓から入ってくる冷気を暖かい空気でシャットダウンできます。その結果、効率よく部屋を暖められるため、電気代の節約に繋がります。

6.4. こまめに手入れをおこなう

節約のためには、こまめに手入れをおこなうことも重要です。

パネルヒーターにホコリがたまると、空気の流れが悪くなって余計な電気代がかかりやすくなります。中にはパネル部分の隙間が細かく、ホコリがたまりやすい製品もあるため、定期的にチェックしましょう。

お手入れの際は、柔らかく乾いた布で表面を拭き、パネル部分のホコリはブラシや小型の掃除機で取るようにします。やけどの危険があることから、必ず完全に冷めた状態でおこなってください。

6.5. 電力会社を乗り換える

電力会社によっては、特定の時間帯に電気料金が安くなるプランが用意されており、乗り換えで安くなる可能性があります。

例えば、中部電力ミライズの「スマートライフプラン」は夜間〜朝の電気代が安くなります。仕事で日中は家にいない方や、主に就寝時にパネルヒーターを使う方におすすめです。

そのほかにも、契約容量別に「ポイントプラン」「おとくプラン」「とくとくプラン」の3つの料金メニューがあります。家族の人数や電気の使い方に合ったプランを選ぶことで、さらなる節約効果が期待できるでしょう。

また、中部電力ミライズが提供する家庭向けWEBサービス「カテエネ」では、電気とガスのセットでガス代がおトクになるプランがあります。

カテエネガスプラン

電気代とあわせてガス代も節約したい方は、ぜひチェックしてみてください。

7 まとめ

パネルヒーターは、輻射熱でじんわりと部屋を暖められる暖房器具です。

空気を汚しにくく、静かで安全性高く使えますが、部屋が暖まるまでに時間がかるため電気代は高くなります。1日8時間利用した場合、1ヶ月の電気代は約9,000〜27,000円が目安です。

パネルヒーターの電気代を抑えるには、エアコンやサーキュレーターと併用して暖房効率を上げたり、必要なときだけのスポット利用にしたり工夫すると良いでしょう。

なお、中部電力ミライズが提供する家庭向けWEBサービス「カテエネ」では、電気料金やコラムの確認で「カテエネポイント」をためられます。「1P=1円」として電気料金の支払いに使えるほか、楽天ポイントやnanacoポイントと交換も可能です。

カテエネ利用で、電気をおトクに使いましょう。

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