前回の『鍋・フライパン・やかん、いちばん早く沸騰するのはどれ?』という実験では、お湯を沸かすのが最も早いのは「鍋」ということと、蓋をすることで、より一層時短・省エネになることがわかりました。
今回は、その優秀な鍋について、さらに詳しく研究し、鍋の「大きさ」や、「火の強弱」による違いについて比べ、さらに最適解を見つけていきます!
早く沸かしたいなら
小さな鍋より
「大きな鍋」
やかんやフライパンと比べても、最も早く沸騰する「鍋」。
では、鍋のなかでも、小さな鍋と大きな鍋で比べると、どちらが早く沸騰するのでしょうか。
鍋の大きさによる加熱時間の違いについて調べてみます。


加熱時間が短かったのは、「大きな鍋」の3分12秒。「小さな鍋」よりも16秒も短い(▲7.7%)という結果になりました。
小さな鍋の場合、炎が鍋の底面からはみ出すことで、熱効率が低下してしまいます。一方で大きな鍋は炎が鍋の底面からはみ出すことがないため、熱を逃がさず、早くお湯を沸かすことができたのではないか?と考えられます。
ガス料金についても調べてみました。


「大きな鍋」の料金は2.45円、「小さな鍋」の料金は2.65円でした。
「大きな鍋」で沸かす方が、「小さな鍋」で沸かすよりも0.20円安いという結果になりました。


早く沸かしたいなら
「強火」、
省エネ優先なら
「中火」
つぎは、火加減の違いについて調べました。
強火と中火で沸かした場合、沸騰するまでの時間や消費エネルギーに、どのような違いが出るのでしょうか。


1リットルの水を沸騰させるときの加熱時間を、強火と中火で比べてみました。
早かったのは「強火」の2分42秒。中火の場合は4分13秒かかりました。
ただ、消費エネルギーを比べてみると、少なかったのは「中火」の0.536MJ。
「強火」の0.599MJよりも、10.5%も少ないという結果になりました。


そのため、上のグラフからもわかるように、熱効率が高いのは「中火」。「中火」は54.8%と「強火」の48.9%よりも5.9%高いということがわかりました。
これは、強火にした場合、鍋底から炎がはみ出してしまい、それによって熱効率が低下したことが原因と考えられます。
また、ガス料金についても、強火は2.08円、中火は1.86円で強火よりも中火の方が0.22円安いという結果になりました。




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