地震の備えは何から?今やるべき5つの対策をチェックリストで解説

地震では、けがや火災、停電・断水など、さまざまな被害が起こる可能性があります。被害を減らし、発生後の生活に備えるためにも、日頃から準備しておくことが大切です。
一方で、中部電力ミライズが2026年4月に実施した調査では、回答した3,889人のうち、自宅の防災グッズについて「十分に準備している」と答えた人は6.48%にとどまりました。必要性を感じていても、十分な備えまでできていない家庭は少なくありません。
本記事では、家庭で確認しておきたい地震の備えを「家の中の安全対策」「非常持ち出し袋」「水と食料の備蓄」「家族での話し合い」「火災対策」の5つに分けて解説します。また、実際に地震を経験した方の体験談も紹介します。
カテエネ防災コラム編集部では2026年9月、地震を経験した30名にアンケートを実施しました。寄せられた体験談を紹介しますので、ご家庭の備えを見直す際にお役立てください。
(注)本記事の体験談は、カテエネ防災コラム編集部が募集した地震に関するアンケート回答から一部を抜粋し、趣旨を変えない範囲で表現を整えています。
■カテエネ防災コラム編集部
中部電力ミライズがお届けする「カテエネ防災コラム」。電気・ガスをはじめ、お客さまの暮らしに関わる多様なサービスを提供する中で、皆さまの「もしも」に備える防災サポートもおこなっています。「for 保存食ローリングストックプラン」の展開や、「TSUNAGU STORE(ミライズコネクト運営)」「カテエネWEB商店」などのチャネルを通じた防災への取り組み、そしてお客さまから寄せられるリアルな声を大切にしながら、今日から実践できる有益な防災ノウハウを発信します。
1 保存版|地震の備えチェックリスト
地震に備えて、日頃から確認しておきたいことを5つにまとめました。できていない項目がないか、ご家庭の備えを確認してみましょう。
| 備え | やること |
|---|---|
| 1. 家の中の安全対策 | 寝室の家具の配置を見直す |
| 家具を壁に固定する | |
| 窓や食器棚に飛散防止フィルムを貼る | |
| 枕元に懐中電灯・スリッパ・ホイッスルを置く | |
| 家屋や塀の強度を確認する | |
| 2. 非常持ち出し袋の準備 | 非常持ち出し袋に必要なものをまとめる |
| 乳幼児・高齢者・ペットなど、家族に合わせて必要なものを追加する | |
| 外出時・避難時・自宅避難時に使うものを分けて備える | |
| 3. 水と食料の備蓄 | 水を1人1日3L程度を目安に、最低3日分用意する |
| 食料を最低3日分、できれば1週間分用意する | |
| 賞味期限が切れないよう、定期的に入れ替える | |
| 4. 家族での話し合い | 安否確認の方法と集合場所を決める |
| 避難場所と避難経路を歩いて確認する | |
| ハザードマップで地域の危険度を調べる | |
| 5. 火災対策 | 使わない電気器具のプラグを抜く |
| 感震ブレーカーと住宅用火災警報器を設置する | |
| 消火器の期限を確認する |
| 備え | 1. 家の中の安全対策 |
|---|---|
| やること | 寝室の家具の配置を見直す |
| 備え | |
|---|---|
| やること | 家具を壁に固定する |
| 備え | |
|---|---|
| やること | 窓や食器棚に飛散防止フィルムを貼る |
| 備え | |
|---|---|
| やること | 枕元に懐中電灯・スリッパ・ホイッスルを置く |
| 備え | |
|---|---|
| やること | 家屋や塀の強度を確認する |
| 備え | 2. 非常持ち出し袋の準備 |
|---|---|
| やること | 非常持ち出し袋に必要なものをまとめる |
| 備え | |
|---|---|
| やること | 乳幼児・高齢者・ペットなど、家族に合わせて必要なものを追加する |
| 備え | |
|---|---|
| やること | 外出時・避難時・自宅避難時に使うものを分けて備える |
| 備え | 3. 水と食料の備蓄 |
|---|---|
| やること | 水を1人1日3L程度を目安に、最低3日分用意する |
| 備え | |
|---|---|
| やること | 食料を最低3日分、できれば1週間分用意する |
| 備え | |
|---|---|
| やること | 賞味期限が切れないよう、定期的に入れ替える |
| 備え | 4. 家族での話し合い |
|---|---|
| やること | 安否確認の方法と集合場所を決める |
| 備え | |
|---|---|
| やること | 避難場所と避難経路を歩いて確認する |
| 備え | |
|---|---|
| やること | ハザードマップで地域の危険度を調べる |
| 備え | 5. 火災対策 |
|---|---|
| やること | 使わない電気器具のプラグを抜く |
| 備え | |
|---|---|
| やること | 感震ブレーカーと住宅用火災警報器を設置する |
| 備え | |
|---|---|
| やること | 消火器の期限を確認する |
すべてを一度に揃える必要はありません。まずはできていない項目を確認し、取り組みやすいものから備えを進めていきましょう。
2 地震の備え1. 家の中の安全対策をする
地震によるけがを防ぐためには、家具の転倒やガラスの飛散など、家の中で起こり得る危険を減らしておくことが大切です。
ここでは、家具の固定や配置の見直し、ガラスの飛散防止、枕元の備え、家屋や塀の強度確認など、日頃からできる安全対策を紹介します。
家具類の転倒・落下・移動を防ぐ
地震の揺れで家具が倒れたり移動したりすると、けがにつながるだけでなく、避難経路をふさいでしまうことがあります。まずは、寝室や子ども部屋など長時間過ごす場所を中心に、倒れた家具が人や出入口をふさがない配置になっているか確認しましょう。
そのうえで、タンスや本棚などの家具は、転倒防止金具などを使って固定します。突っ張り棒などの器具を使う場合は、家具や天井の状態に合った方法で取り付けることが大切です。
また、万が一家具が倒れた場合に備えて、寝ている人の上に倒れてこない位置に置く、避難経路や出入口をふさがないように配置する、といった対策もおこないましょう。
■地震を経験した人の声
太い突っ張り棒を購入し、タンスを固定していました。2016年の熊本地震を経験しましたが、タンスはびくともせず、突っ張り棒のおかげで倒れることはありませんでした。
地震対策として、天井との間に棒を立てる器具で固定していました。しかし天井自体があまり強くなく、実際の地震では天井がたわんでしまい、何度もの大きな揺れで倒れ、ガラスの扉は割れ、中の食器も散乱してめちゃくちゃになってしまいました。
ガラスの飛散を防いでけがを防止する
地震では、窓ガラスや食器棚のガラス、照明などが割れたり落下したりして、破片が床に散らばることがあります。飛散防止フィルムを貼るなど、ガラスが割れたときに破片が飛び散りにくくする対策をしておきましょう。
飛散防止フィルムは、ガラスが割れた際に破片の飛散を抑えるためのシートです。窓ガラスや食器棚のガラス扉などに貼っておくことで、けがや避難時の危険を減らすことにつながります。
その他、食器棚には、揺れを感知すると扉が開きにくくなる「耐震ラッチ」を取り付ける方法もあります。棚の中の食器が飛び出して割れるのを防ぐ対策として有効です。
照明についても、落下しないよう固定されているか、取り付け部分に緩みがないかを確認しておきましょう。
■地震を経験した人の声
食器棚の扉に耐震ロック(耐震ラッチ)を取り付けていたため、激しい揺れでも棚の中身が飛び出さず、床に割れたガラスや食器が散乱するのを防ぐことができました。
それまでの地震では食器棚からコップや皿が落ちなかったため、耐震ロックを付けていませんでした。しかし、震度6弱の地震ではコップや皿が多数落下し、食器棚の対策をしておけばよかったと感じました。
枕元に懐中電灯・スリッパ・ホイッスルを置く
夜間に地震が起きると、停電で周囲が見えにくくなったり、割れたガラスや物が床に散らばったりすることがあります。暗い中でも安全を確認しながら行動できるよう、枕元など手の届く場所に懐中電灯・スリッパ・ホイッスルを備えておきましょう。
懐中電灯は足元や周囲を照らすのに、底の厚いスリッパや靴はガラス片などから足を守るのに役立ちます。ホイッスルは、家具などの下敷きになり声を出しにくい場合に、自分の居場所を知らせる手段になります。
特別な防災用品を新しく揃えなくても、普段使っている懐中電灯やスリッパなどから準備できます。まずは、すぐ手に取れる場所に置いておきましょう。
■地震を経験した人の声
枕元に懐中電灯とスリッパ、ホイッスルを用意していました。夜中に強い揺れが起きた際、暗闇の中で棚から食器が落ちて部屋中に破片が散らばりましたが、すぐにスリッパを履くことができたため、足の裏をけがせずに安全に移動できました。
家屋や塀の強度を確認する
家屋の耐震診断を受けたり、ブロック塀などにひび割れや傾きがないか確認したりして、住まいの強度を確認しておきましょう。必要に応じて補強することも大切です。
耐震診断とは、建物が地震の揺れに対してどの程度の耐震性を備えているかを確認するものです。
建築された時期は、耐震性を確認する際の一つの手がかりになります。例えば、京都市では、昭和56年(1981年)5月以前に建てられた建築物について、過去の地震で大きな被害を受けた建物が多かったとして注意を呼びかけています。
参考:地震の備えは日頃から | 京都市防災ポータルサイト
耐震診断や補強工事には、自治体の補助制度を利用できる場合があります。制度の内容や対象条件は自治体によって異なるため、お住まいの市区町村で確認してください。
3 地震の備え2. 非常持ち出し袋を準備する
避難が必要になったときにすぐ持ち出せるよう、水や食料、衛生用品など必要なものをあらかじめリュックにまとめておきましょう。
非常持ち出し袋に入れるものリスト
非常持ち出し袋には、避難先までの移動や避難先で当面必要になるものをまとめます。主なものをカテゴリごとに確認しておきましょう。
| カテゴリ | 中身の例 |
|---|---|
| 水・食料 | 飲料水、そのまま食べられる食品 |
| 携帯トイレ | 袋タイプの簡易トイレ、凝固剤 |
| 明かり・情報 | 懐中電灯、携帯ラジオ、モバイルバッテリー |
| 救急用品・常備薬 | ばんそうこう、消毒液、処方薬、お薬手帳の写し |
| 衛生用品 | ウェットシート、歯みがきシート、マスク |
| 現金 | 小銭を含む現金 |
| 衣類・保温 | 下着、靴下、アルミシート |
| カテゴリ | 水・食料 |
|---|---|
| 中身の例 | 飲料水、そのまま食べられる食品 |
| カテゴリ | 携帯トイレ |
|---|---|
| 中身の例 | 袋タイプの簡易トイレ、凝固剤 |
| カテゴリ | 明かり・情報 |
|---|---|
| 中身の例 | 懐中電灯、携帯ラジオ、モバイルバッテリー |
| カテゴリ | 救急用品・常備薬 |
|---|---|
| 中身の例 | ばんそうこう、消毒液、処方薬、お薬手帳の写し |
| カテゴリ | 衛生用品 |
|---|---|
| 中身の例 | ウェットシート、歯みがきシート、マスク |
| カテゴリ | 現金 |
|---|---|
| 中身の例 | 小銭を含む現金 |
| カテゴリ | 衣類・保温 |
|---|---|
| 中身の例 | 下着、靴下、アルミシート |
非常持ち出し袋は、必要なものを詰め込みすぎると重くなり、避難時に持ち運びにくくなります。家族構成や避難先までの距離なども考えながら、自分で持ち運べる量にまとめましょう。
停電時などは、電子マネーやクレジットカードを利用できない場合もあるため、現金も用意しておくと安心です。また、その際は必ず千円札や、自動販売機や公衆電話で使用可能な、100円、10円などの硬貨も準備するようにしましょう。
非常持ち出し袋の具体的な中身や重さの目安については、「非常持ち出し袋の中身は何を入れる?必要なものリストから重さの目安まで解説」で詳しく紹介しています。
家族構成に応じて必要なものを追加する
乳幼児や高齢者、ペットがいる家庭では、一般的な防災用品に加えて、それぞれに必要なものも準備しておきましょう。
- ・乳幼児:哺乳瓶、粉ミルクや液体ミルク、離乳食、紙おむつ、おしりふき
- ・女性:生理用品、サニタリーショーツ、防犯ブザー
- ・高齢者:入れ歯洗浄剤、杖、補聴器と予備電池、常備薬
- ・ペット:ペットフード、水、移動用のキャリーケース、リード
特に、処方薬や補聴器の予備電池など、本人にとって必要性が高く、すぐに代わりを用意しにくいものは忘れずに入れておきましょう。処方薬を使用している場合は、お薬手帳の写しも一緒に用意しておくと、避難先で薬の情報を確認するときに役立ちます。
また、家族全員分を1つのリュックにまとめると重くなりやすいため、自分で背負える人はそれぞれのリュックに分けて持つようにしましょう。
■地震を経験した人の声
母は持病があり、毎日決まった時間に薬を飲んでいるため、薬を防災リュックに入れておいてよかったと思いました。
子どもが退屈してぐずってしまったため、気を紛らわせるためのお菓子やおもちゃを用意していてよかったです。
0次・1次・2次に分けて整理
防災用品は、外出時に持ち歩く「0次」、避難時に持ち出す「1次」、自宅での生活に備える「2次」の3つに分けて準備すると、それぞれ必要な場面で使いやすくなります。
| 段階 | 使う場面 | 中身の例 | 置き場所 |
|---|---|---|---|
| 0次 | 外出先で被災したとき | ホイッスル、モバイルバッテリー、常備薬、小銭 | カバンの中 |
| 1次 | 自宅から避難するとき | 非常持ち出し袋一式 | 玄関、寝室 |
| 2次 | 自宅で生活を続けるとき | 水、食料、携帯トイレ、カセットコンロ | クローゼットや押入れ、車 |
| 段階 | 0次 |
|---|---|
| 使う場面 | 外出先で被災したとき |
| 中身の例 | ホイッスル、モバイルバッテリー、常備薬、小銭 |
| 置き場所 | カバンの中 |
| 段階 | 1次 |
|---|---|
| 使う場面 | 自宅から避難するとき |
| 中身の例 | 非常持ち出し袋一式 |
| 置き場所 | 玄関、寝室 |
| 段階 | 2次 |
|---|---|
| 使う場面 | 自宅で生活を続けるとき |
| 中身の例 | 水、食料、携帯トイレ、カセットコンロ |
| 置き場所 | クローゼットや押入れ、車 |
0次は、普段のカバンなどに入れて持ち歩く最低限の備えです。1次は避難するときに持ち出すもの、2次は自宅で生活を続ける場合に備えて用意しておくものです。
必要なものを一から揃えるほか、防災用品がまとめられたセットを活用する方法もあります。「カテエネWEB商店」では、防災セットや防災グッズを取り扱っています。
4 地震の備え3. 水と食料を備蓄する
地震後は、停電や断水、物流の混乱などで、普段どおりに水や食料を手に入れられないことがあります。日頃から、家族の人数に合わせて数日分を備蓄しておきましょう。
水は1人1日3L、3日分が目安
飲料水は、1人1日3Lを目安に、最低3日分を備えておきましょう。農林水産省でも、飲料水は1人1日3L程度を目安としています。
参考:農林水産省|大事な水、どうやって備えますか?
3Lには、飲む分だけでなく、調理に使う水も含まれます。家族の人数ごとにまとめると、必要量は次のとおりです。
| 家族の人数 | 3日分 | 2Lペットボトル換算 |
|---|---|---|
| 1人 | 9L | 約5本 |
| 2人 | 18L | 9本 |
| 3人 | 27L | 約14本 |
| 4人 | 36L | 18本 |
| 家族の人数 | 1人 |
|---|---|
| 3日分 | 9L |
| 2Lペットボトル換算 | 約5本 |
| 家族の人数 | 2人 |
|---|---|
| 3日分 | 18L |
| 2Lペットボトル換算 | 9本 |
| 家族の人数 | 3人 |
|---|---|
| 3日分 | 27L |
| 2Lペットボトル換算 | 約14本 |
| 家族の人数 | 4人 |
|---|---|
| 3日分 | 36L |
| 2Lペットボトル換算 | 18本 |
4人家族なら2Lのペットボトルで18本分です。6本入りのケースで3箱と考えると、置き場所のイメージがつきやすくなります。
なお、トイレを流したり手を洗ったりする生活用水は、この3Lに含まれていません。生活用水は別に確保する必要があります。
食料は3日分、できれば1週間分
食料は最低3日分、できれば1週間分を家族の人数に合わせて備えておきましょう。農林水産省では、災害時に備えて最低3日分、できれば1週間分程度の食品を家庭で備蓄することを案内しています。
参考:農林水産省|災害時に備えた食品ストックガイド
備蓄する食品は、主食・主菜・副菜などを組み合わせ、災害時でも食事をとれるように準備しておくことが大切です。あわせて、加熱せずに食べられるものや、少ない水で調理できるものも用意しておくと役立ちます。
■地震を経験した人の声
非常持ち出し袋と3日分の食料・飲料水を備蓄していました。しかし備蓄は足りておらず、断水が長引いた時に飲料水がすぐに底をつきそうになり困りました。この経験から、備蓄は最低1週間分は必要だと感じ、見直すきっかけになりました。
非常食は食べ慣れたものを用意
備蓄する食料は、普段から食べ慣れているものを優先的に選ぶことをおすすめします。レトルト食品やパックご飯、缶詰、乾麺など、日常の食事で使っている常温保存できる食品も備蓄に活用できます。
普段使う食品を少し多めに買い、食べた分を買い足していく方法が「ローリングストック」です。日常の食事に取り入れながら備蓄できるため、賞味期限を確認しながら食品を入れ替えやすくなります。
家族によって食べられるものや好みが異なる場合は、それぞれが無理なく食べられる食品も用意しておきましょう。
なお、食品の買い足しや入れ替えを自分で管理するのが難しい場合は、定期的に保存食が届くサービスを活用する方法もあります。
中部電力ミライズの「for 保存食ローリングストックプラン」では、1人3日分相当の保存食セットを年1回お届けします。本サービスを備蓄の土台としながら、家族人数や必要量に応じて追加の食料・飲料水を備えておくと安心です。
5 地震の備え4. 家族で話し合っておく
地震は、家族が別々の場所にいるときに起こることもあります。連絡が取れない場合や、すぐに合流できない場合に備えて、安否確認の方法や集合場所、避難時の行動をあらかじめ話し合っておきましょう。
安否確認の方法と集合場所を決める
家族で、少なくとも次のことを決めておきましょう。
- 1. 集合場所(自宅、指定避難所、それぞれが行けない場合の第2候補)
- 2. 連絡手段の優先順位
- 3. その場にとどまるか、移動するかの判断基準
災害時は、携帯電話がつながりにくくなることがあります。電話だけに頼らず、災害用伝言ダイヤル「171」や災害用伝言板など、複数の連絡方法を確認しておきましょう。
■地震を経験した人の声
地震のあと家族に連絡しようとしましたが、回線が混み合ってなかなかつながりませんでした。災害用伝言ダイヤルの使い方など、連絡が取れない場合の方法を家族であらかじめ話し合っておけばよかったと思いました。
学校や職場にいる家族は、すぐに帰宅できない場合があります。子どもがいる家庭では、学校の引き渡しルールも確認しておきましょう。
決めた内容は、スマートフォンだけでなく紙にも書いておくと、通信や電源が使えない場合にも確認できます。
避難場所と避難経路を確認する
まず、自宅や学校、職場の近くにある避難場所を確認しておきましょう。災害の種類によって適した避難場所が異なるため、自治体のハザードマップなどで事前に確認することが大切です。
ハザードマップとは、災害時に危険が想定される場所や避難場所などを示した地図で、自治体のWebサイトなどで公開されています。
避難場所を確認したら、そこまでの経路も実際に歩いて確かめておきましょう。地図を見るだけでは気づきにくい危険を確認できます。
- ・ブロック塀や自動販売機など、倒れる可能性のあるもの
- ・夜間に街灯がなく暗くなる場所
- ・川や地下道など、通れなくなる可能性がある場所
また、避難が必要になったときに必ず避難所へ行くとは限りません。自宅や周囲の状況を確認し、安全を確保できる場合は、自宅にとどまる「在宅避難」が選択肢になることもあります。
地域の危険度を把握する
自分が住む地域のリスクを、事前に調べておきましょう。東京消防庁は「自治体の防災マップ等で、自分の住む地域の地域危険度を確認しておく」よう呼びかけています。
同じ市内でも、地盤の強さや建物の密集度によって、想定される被害は変わります。確認しておきたいのは、次の点です。
- ・揺れやすい地盤かどうか
- ・火災が広がりやすい地域かどうか
- ・津波や液状化の想定があるか
あわせて、家族での役割分担も決めておきましょう。東京消防庁は、出火防止や初期消火などの役割を家族で分担しておくことを推奨しています。「地震が起きたら誰がブレーカーを落とすか」を決めておくだけでも、慌てずに動けます。
参考:地震に対する10の備え | 東京消防庁
6 地震の備え5. 火災対策をする
地震では、揺れによる被害だけでなく、その後に発生する火災にも備えておく必要があります。特に電気が原因となる火災を防ぐため、日頃から対策しておきましょう。
地震火災の原因は電気が過半数を占める
総務省消防庁「令和2年版消防白書」によると、東日本大震災の本震による火災では、原因が特定されたもののうち過半数が電気に起因していました。
電気が原因となる地震火災の一つが「通電火災」です。停電後に電気が復旧した際、倒れた電気ストーブや損傷したコードなどから出火することがあります。避難して家を空けている間に発生すると、火災の発見が遅れるおそれもあります。
■地震を経験した人の声
慌てるあまり、ブレーカーを落とさずに避難行動に移ってしまったため、通電火災の危険性を考慮して、事前に適切な手順を確認しておくべきだったと反省しました。
中部電力パワーグリッドでは、地震後の電気の取り扱いについて、次のように案内しています。
- ・家の外に避難するときは、停電復旧時に電気の消し忘れによる災害が起きないよう、分電盤のブレーカーを切る
- ・火事の危険があるため、コンセントから家電製品のプラグを抜く
- ・屋内配線や家電製品が水に濡れた場合は、漏電のおそれがあるため使わない
- ・感電のおそれがあるため、切れて垂れ下がった電線には触れない
感震ブレーカーと住宅用火災警報器を設置する
地震後の電気火災を防ぐために、感震ブレーカーを設置しておきましょう。感震ブレーカーは、一定以上の揺れを感知すると、自動で電気を止める装置です。避難などで家を空けている場合でも作動するため、地震後の電気による出火を防ぐ対策になります。
感震ブレーカーには、コンセントに差し込むタイプや、分電盤に取り付けるタイプなどがあります。あわせて、火災を早く発見するために住宅用火災警報器も設置しておきましょう。
住宅用火災警報器は、設置後も定期的な確認が必要です。特に次の点を確認します。
- ・ボタンを押すなどして、正常に作動するか
- ・本体の交換時期を過ぎていないか
消火用品を備える
地震後に火災が発生した場合の初期消火に備えて、住宅用消火器などを用意しておきましょう。
家庭で用意できる消火用品には、次のようなものがあります。
- ・住宅用消火器
- ・エアゾール式簡易消火具
消火器には使用期限があるため、本体の表示を確認し、期限を過ぎていないか定期的に確認しましょう。
7 なぜ水や食料を3日分以上備える必要がある?
大規模な地震が起きると、停電や断水、物流の停止などによって、水や食料をすぐに手に入れられないことがあります。そのため、家庭では最低3日分の水や食料を備えておくことが大切です。
また、食料品店やコンビニが営業できなかったり、営業していても商品が不足したりする可能性があります。地震が起きてから買い揃えるのではなく、日頃から必要な量を備蓄しておきましょう。
■地震を経験した人の声
地震直後に水が出なくなってしまって、トイレを流す水すらなくて一番困りました。暗い中コンビニに行っても長蛇の列で、食べ物を買うことすらできなくて、日頃から少しでも缶詰や水を買っておくべきだったと心から痛感しました。
水や食料とあわせて、断水時に備えた携帯トイレも準備しておきましょう。内閣府の調査では、3日分以上の携帯トイレを備蓄している人は27.2%で、飲料水の69.8%を大きく下回っています。
参考:内閣府|防災に関する世論調査(令和7年8月調査)
8 地震が発生したときに取るべき行動

地震が起きたときは、揺れている間と揺れが収まった後で取るべき行動が変わります。慌てず動けるよう、基本的な流れを確認しておきましょう。
- ・揺れている間:身の安全を確保する
- ・揺れが収まった後:火元や周囲の安全を確認する
- ・その後:情報を確認し、必要に応じて避難する
それぞれ確認しましょう。
揺れている間は身の安全を最優先にする
揺れている間は、まず身の安全を確保しましょう。丈夫な机やテーブルの下に入り、頭を守ります。近くに机がない場合は、物が落ちたり倒れたりするおそれの少ない場所で、クッションやカバンなどを使って頭を守ってください。
慌てて屋外へ飛び出すと、窓ガラスや看板、瓦などの落下物でけがをするおそれがあります。
また、火を使っている場合も、揺れている最中に無理に消しに行かず、まずは安全な場所で揺れが収まるのを待ちましょう。
揺れが収まったら火元と避難経路を確認する
揺れが収まったら、火元や室内の状況を確認します。火を使っていた場合は、自分の安全を確保したうえで火を止めましょう。出火している場合は、無理のない範囲で初期消火をおこない、危険を感じたらすぐに避難してください。
移動するときは、割れたガラスや倒れた家具に注意します。室内でもスリッパや靴を履き、足を保護してから動きましょう。
避難が必要になる場合に備えて、ドアや窓が開くかも確認しておきます。屋外では、ブロック塀や落下物などに近づかないよう注意してください。
■地震を経験した人の声
揺れが収まった後も少しパニックになってしまい、裸足で部屋の中をうろうろしてしまったので、割れた食器で足の裏をけがしてしまいました。冷静に靴下を履いて、スリッパを履くことができればよかったと反省しています。
正しい情報を確認して必要に応じて避難する
身の安全を確保したら、自治体や消防、テレビ、ラジオなどから災害情報を確認し、避難が必要か判断します。SNSには不確かな情報が流れることもあるため、公的機関など信頼できる情報を確認しましょう。
■地震を経験した人の声
情報を確認した後に、次に何をすればよいのかわからなくなってしまいました。事前に、揺れが収まった後の行動や避難の判断基準などを確認しておけばよかったと思います。
避難する場合は、周囲の状況を確認しながら安全な場所へ移動します。沿岸部など津波のおそれがある地域では、津波情報や地域の避難ルールに従って速やかに避難してください。
9 地震の備えに関するよくある質問
最後に、地震の備えに関するよくある質問に答えます。
地震の備えはまず何から始めたらいいですか?
まずは、寝室や普段長く過ごす場所の家具配置を確認しましょう。倒れた家具が人や出入口をふさがないかを確認し、必要に応じて固定します。
備蓄は何日分あれば安心ですか?
水や食料は最低3日分、できれば1週間分を目安に備えておきましょう。農林水産省でも、最低3日分から1週間分程度の備蓄を案内しています。
防災グッズは100均で揃えても大丈夫ですか?
100円ショップで揃えられる防災用品もあります。ただし、ヘルメットやモバイルバッテリーなどは、価格だけでなく性能や安全性も確認して選びましょう。
地震の備えとして赤ちゃんがいる場合は何を用意すればいいですか?
粉ミルクや液体ミルク、哺乳瓶、離乳食、紙おむつ、おしりふきなどを用意しておきましょう。母子健康手帳の写しや抱っこひもなど、普段の育児で必要なものもあわせて確認しておくと安心です。
地震の備えとして高齢者がいる場合は何を用意すればいいですか?
常備薬やお薬手帳の写し、予備の眼鏡、補聴器の予備電池など、本人が日常的に必要としているものを準備しておきましょう。杖などを使っている場合は、避難時に持ち出せるよう置き場所も確認しておきます。
10 地震の備えはすぐできることから始めよう
地震への備えでは、家の中の安全対策、非常持ち出し袋、水や食料の備蓄、家族での話し合い、火災対策など、事前に確認しておきたいことが複数あります。
すべてを一度に揃えるのではなく、まずは自宅の備えを確認し、不足しているものから準備していきましょう。
本記事のチェックリストも活用しながら、定期的に備えを見直してみてください。