防災をろう! 災コラム

公開日:2026.09.01

非常持ち出し袋の中身は何を入れる?必要なものリストから重さの目安まで解説

非常持ち出し袋を用意しようと思っても、「何を入れればいいの?」「本当にこれで足りる?」と迷う方は少なくありません。実は、防災グッズは多ければよいわけではなく、まずは持ち出せることが大切です。

本記事では、総務省消防庁のチェックシートをもとに、非常持ち出し袋の中身を徹底解説します。100円ショップで揃うものと専門品を選んだほうがよいもの、詰め方や置き場所も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

「これで足りているのか」を自分で判断できる状態を目指して、順に確認していきましょう。

カテエネ防災コラム編集部

中部電力ミライズがお届けする「カテエネ防災コラム」。電気・ガスをはじめ、お客さまの暮らしに関わる多様なサービスを提供する中で、皆さまの「もしも」に備える防災サポートもおこなっています。「for 保存食ローリングストックプラン」の展開や、「TSUNAGU STORE(ミライズコネクト運営)」「カテエネWEB商店」などのチャネルを通じた防災への取り組み、そしてお客さまから寄せられるリアルな声を大切にしながら、今日から実践できる有益な防災ノウハウを発信します。

1 非常持ち出し袋とは?

非常持ち出し袋とは、災害が起きたときにすぐ持って避難するための袋です。自宅で避難生活を送るための備蓄とは目的が異なるため、準備するものや量も変わります。

まずは、備えの種類と役割の違いから見ていきましょう。

自宅避難用・持ち歩き用とは役割が異なる

防災グッズは、目的別に「持ち出し用」「自宅避難用」「持ち歩き用」の3種類に分けられます。

種類 目的 入れ物の例 量の目安
持ち出し用 すばやく運び出して避難する リュック 1日分程度
自宅避難用 自宅で避難生活を送る コンテナボックス、衣装ケース、キャリーバッグ 最低3日分、できれば1週間分
持ち歩き用 外出先で被災したときに備える いつものカバン、ポーチ、巾着袋 最小限
種類持ち出し用
目的すばやく運び出して避難する
入れ物の例リュック
量の目安1日分程度
種類自宅避難用
目的自宅で避難生活を送る
入れ物の例コンテナボックス、衣装ケース、キャリーバッグ
量の目安最低3日分、できれば1週間分
種類持ち歩き用
目的外出先で被災したときに備える
入れ物の例いつものカバン、ポーチ、巾着袋
量の目安最小限

非常持ち出し袋は、このうち1つ目の「持ち出し用」にあたります。持ち出し袋に1週間分の水や食料を入れると重くなりすぎるため、自宅避難用の備蓄とは分けて準備するのが基本です。

自宅避難用と持ち歩き用の中身は、下記の記事で詳しく解説しています。

防災グッズに本当に必要なものとは?【持ち出し用・自宅避難用・持ち歩き用のチェックリストあり】

一次持ち出しと二次持ち出しで分ける

持ち出し袋は、一次持ち出し品と二次持ち出し品に分けておくと、必要なものを整理しやすくなります。

  • ・一次持出品:避難するときに最初に持ち出すもの。津波の危険があるなど、一刻も早く安全な場所へ移動すべき状況で使用
  • ・二次持出品:被災後の数日間を過ごすために必要なもの。3日~1週間程度を想定した分量

分けて準備するメリットは、詰めすぎを防げる点にあります。「今すぐ持ち出す必要がないもの」を二次に回せば、一次は本当に必要なものだけで済ませることができます。

判断に迷ったときは、「これがないと今すぐ困るか」を基準にしてください。今すぐ困らないものは、二次持ち出しか自宅避難用の備蓄に回します。

2 非常持ち出し袋の中身リスト

非常持ち出し袋の中身は、総務省消防庁が公開している「非常用持出品チェックシート」を基準にするのがおすすめです。チェックリストはさまざまなWebサイトにありますが、公的機関のものを軸にすると判断がぶれません。

ここでは最低限必要なものと、余裕があれば足したいものに分けて紹介します。

分類 品目
貴重品類 現金(10円玉を含む)、預金通帳、印鑑、保険証、免許証
避難用具 懐中電灯、携帯ラジオ、予備の乾電池、ヘルメット・防災ずきん
生活用品 厚手の手袋、毛布、缶切り、ライター・マッチ、ナイフ、携帯用トイレ
救急用具 救急箱、処方箋の控え、胃腸薬・便秘薬・持病の薬、生理用品
非常食品 乾パン、缶詰、栄養補助食品、アメ・チョコレート、飲料水
衣料品 下着・靴下、長袖・長ズボン、防寒用ジャケット・雨具
感染症対策物品 マスク、手指消毒用アルコール、石けん、ウェットティッシュ、体温計
その他 携帯用カイロ
分類貴重品類
品目現金(10円玉を含む)、預金通帳、印鑑、保険証、免許証
分類避難用具
品目懐中電灯、携帯ラジオ、予備の乾電池、ヘルメット・防災ずきん
分類生活用品
品目厚手の手袋、毛布、缶切り、ライター・マッチ、ナイフ、携帯用トイレ
分類救急用具
品目救急箱、処方箋の控え、胃腸薬・便秘薬・持病の薬、生理用品
分類非常食品
品目乾パン、缶詰、栄養補助食品、アメ・チョコレート、飲料水
分類衣料品
品目下着・靴下、長袖・長ズボン、防寒用ジャケット・雨具
分類感染症対策物品
品目マスク、手指消毒用アルコール、石けん、ウェットティッシュ、体温計
分類その他
品目携帯用カイロ

出典:総務省消防庁|非常用持出品チェックシート

最低限必要なもの

まずは、命と健康に直結する次の8項目を備えるようにしましょう。

  • ・水・食料
  • ・携帯トイレ
  • ・懐中電灯・携帯ラジオ・モバイルバッテリー
  • ・救急用品・常備薬
  • ・衛生用品
  • ・現金
  • ・衣類・アルミシート
  • ・家族構成別に足すもの

これらは避難所で必ず配られるとは限らず、届くまでに時間がかかることもあります。

水・食料

非常持ち出し袋に入れる水と食料は、1日分を目安に準備しましょう。具体的には、水は1人あたり1.5L、食事は3食分を想定します。

それ以上の量は袋に入れず、自宅の備蓄として確保します。理由は、水は1Lで約1kgあり、3日分を袋に入れると重量の大半を水が占めてしまうためです。

食料は、調理不要でそのまま食べられるものを選ぶようにしましょう。消防庁のチェックシートに挙げられているのは、乾パン・缶詰・栄養補助食品・アメ・チョコレートです。

なお、袋に入れた食料は放置すると期限が切れてしまいます。管理方法は、後述するローリングストックの見出しで解説しますので、ぜひ参考にしてください。

携帯トイレ

携帯トイレは、1人1日5回程度を目安に用意しましょう。必要な数は、次の式で計算できます。

1日の回数×家族の人数×日数

1人1日5回として3人家族が3日分を持ち出し袋に入れる場合、5回×3人×3日で45回分が目安です。ただし45回分をすべて袋に入れると、かさばって重くなります。持ち出し袋には1日分(5回×3人=15回分)を入れ、残りは自宅の備蓄に回す分け方が現実的です。

避難所のトイレは、断水すると使えなくなることがあります。回数には個人差がありますが、1人1日5回程度を目安に計算してください。

懐中電灯・携帯ラジオ・モバイルバッテリー

この3つは、停電と通信障害への備えとしてまとめて用意しておきましょう。

懐中電灯は、1人に1本が理想です。消防庁のチェックシートでも、1人に1つ用意したいものとされています。

携帯ラジオで選びたいのは、電池が切れても情報を得られる手回し式やソーラー充電式です。小型でFMとAMの両方を聴けるものが扱いやすく、予備電池も多めに用意します。

モバイルバッテリーは容量20,000mAh程度が目安です。20,000mAhのバッテリーで、容量2,500mAhのスマートフォンを約4.8回充電できる計算になります(充電効率により実際の回数は変動します)。

バッテリーは使わなくても自然に放電するため、3カ月〜6カ月に1回は残量を確認してください。

出典:エレコム株式会社|災害に備えたモバイルバッテリーの選び方。万一の際の充電手段も解説

救急用品・常備薬

救急用品は、けがの手当てと体調不良の両方に対応できるように揃えるようにしましょう。具体的には、絆創膏・ガーゼ・包帯・消毒薬・鎮痛剤・風邪薬・胃腸薬などです。避難所では医薬品がすぐに手に入らないこともあり、最初の数日は手持ちでしのぐ想定が必要になります。

持病がある場合は、常備薬とお薬手帳を必ず入れてください。お薬手帳があれば、薬が切れたときに医療機関で処方内容を正確に伝えられます。

また、消防庁のチェックシートに含まれている項目の1つが、処方箋の控えです。原本を入れる必要はなく、コピーでも役割は果たせます。

衛生用品

衛生用品は、水が使えない状況を前提に選びます。断水すると手洗いや入浴ができなくなり、体を清潔に保つ手段が限られるためです。

入れておきたいものは次のとおりです。

  • ・不織布マスク
  • ・水に流せるトイレットペーパー
  • ・ウェットティッシュ
  • ・ドライシャンプー
  • ・歯磨きシート

いずれも軽く、かさばりにくい品目です。とくにウェットティッシュは、手や体を拭くほか、食器の代わりに使う皿を拭くなど幅広い用途で活用できます。

必要な道具を一度に揃えたい場合には、「カテエネWEB商店」の防災リュックセットがおすすめです。災害はいつ起こるかわからないため、思い立ったタイミングで備蓄しておきましょう。

現金

現金は1万円程度を目安に、千円札と小銭で用意しましょう。

災害時は停電や通信障害でキャッシュレス決済が使えなくなり、ATMからお金を引き出せなくなることも考えられます。高額紙幣ばかりだと、お釣りが用意できず買い物を断られる場合もあります。

消防庁のチェックシートには、10円玉が項目として挙げられています。これは公衆電話用です。災害時、公衆電話は携帯電話より通信規制を受けにくく、連絡手段として機能することがあるため、小銭はこうした場面でも役立ちます。

衣類・アルミシート

衣類と下着は、1人1セット入れるようにしましょう。避難所ではすぐに着替えを調達できず、服が濡れている場合、体温が奪われるためです。

圧縮袋を使うと、衣類のかさを減らせます。季節を問わず選びたいのは、けがや虫刺されからも身を守れる長袖・長ズボンです。

アルミシートは、1人1枚あると防寒に役立ちます。薄いアルミの膜で体を包み、体温が逃げるのを抑えられる防災用品です。たたむと手のひらサイズになるため、重さを気にせず入れることができます。

家族構成別に足すもの

ここまでの品目に加えて、家族の状況に応じて以下のものを追加するようにしましょう。避難所で配られない、あるいは配布まで時間がかかるものが中心です。

対象 足すもの
乳幼児 哺乳瓶、液体ミルク、離乳食、紙おむつ、おしりふき
女性 生理用品、サニタリーショーツ
高齢者 入れ歯の洗浄剤、杖、補聴器と予備電池
ペット ペットフード、移動用のキャリーケース
対象乳幼児
足すもの哺乳瓶、液体ミルク、離乳食、紙おむつ、おしりふき
対象女性
足すもの生理用品、サニタリーショーツ
対象高齢者
足すもの入れ歯の洗浄剤、杖、補聴器と予備電池
対象ペット
足すものペットフード、移動用のキャリーケース

農林水産省も、乳幼児や高齢者など食事に配慮が必要な家族がいる場合は、個別の準備が必要だとしています。

子どもがいる家庭では、好きなお菓子を少し入れておくのもよいでしょう。慣れない環境で過ごす時間が長くなるため、いつもの味は気持ちの支えになります。

推奨・余裕があれば入れたいもの

最低限揃ったら、重さに余裕がある範囲で追加していきます。順番を守ることが大切で、季節のアイテムより先に水と携帯トイレを確保してください。

また、余裕があれば汎用性の高いものを入れておくと安心です。それぞれ詳しく解説します。

推奨|季節のアイテム

季節のアイテムは、最低限を揃えたうえで加えるようにします。避難時には、季節に応じた暑さ・寒さへの備えも必要です。

  • ・夏:冷却シート、塩分タブレット、うちわ、虫よけ
  • ・冬:使い捨てカイロ、手袋、ニット帽、厚手の靴下

いずれも軽く、袋の隙間に入れられるものばかりです。

ただし、重量に制約がある場合は水と携帯トイレを優先します。季節のアイテムは避難所で配布されることもありますが、水とトイレは配布を待てない品目だからです。

半年に一度、夏物と冬物を入れ替える運用にしておくと、季節外れのものを持ち歩かずに済みます。

余裕があれば|汎用性の高いもの

さらに余裕があれば、1つで複数の用途をまかなえるものを追加しましょう。品目を増やすのではなく、選び方の基準を持つ方が持ち出し袋を軽くできます。

品目 使い道
ポリ袋 給水袋、防寒、汚物入れ、雨よけ
ガムテープ(布) 補修、メモ書き、目印、包帯の代用
大判のタオル 防寒、日よけ、けがの応急処置、枕
ロープ・ひも 洗濯物干し、荷物の固定、仕切り
品目ポリ袋
使い道給水袋、防寒、汚物入れ、雨よけ
品目ガムテープ(布)
使い道補修、メモ書き、目印、包帯の代用
品目大判のタオル
使い道防寒、日よけ、けがの応急処置、枕
品目ロープ・ひも
使い道洗濯物干し、荷物の固定、仕切り

たとえばポリ袋は、頭と腕を通す穴を開ければ簡易的な雨具にもなります。こうした「1つで何役もこなすもの」を選ぶと、袋の中身を減らすことができます。

反対に、用途が1つしかない便利グッズは、優先度を下げて構いません。

3 100円ショップで揃うもの・専門品を選んだほうがよいもの

非常持ち出し袋の中身は、100円ショップで揃うものと専門品を選んだ方がよいものに分かれます。判断の基準は、性能の差が避難生活に直結するかどうかです。

100円ショップで揃うもの 専門品を選んだほうがよいもの
ポリ袋、ジッパー付き袋 保存食(保存期間が5年前後の商品がある)
軍手、厚手の手袋 携帯トイレ(凝固剤の処理能力と防臭性に差がある)
ホイッスル モバイルバッテリー(容量と安全性に差がある)
ウェットティッシュ、マスク 懐中電灯(明るさと点灯時間に差がある)
圧縮袋、洗面用具 リュック本体(強度と背負い心地に差がある)
100円ショップで揃うものポリ袋、ジッパー付き袋
専門品を選んだほうがよいもの保存食(保存期間が5年前後の商品がある)
100円ショップで揃うもの軍手、厚手の手袋
専門品を選んだほうがよいもの携帯トイレ(凝固剤の処理能力と防臭性に差がある)
100円ショップで揃うものホイッスル
専門品を選んだほうがよいものモバイルバッテリー(容量と安全性に差がある)
100円ショップで揃うものウェットティッシュ、マスク
専門品を選んだほうがよいもの懐中電灯(明るさと点灯時間に差がある)
100円ショップで揃うもの圧縮袋、洗面用具
専門品を選んだほうがよいものリュック本体(強度と背負い心地に差がある)

100円ショップの製品が劣っているわけではありません。大切なのは、品目ごとに選ぶことです。

たとえば、ポリ袋やホイッスルなどは、100円ショップの商品でも十分に活用できます。一方、携帯トイレは凝固剤の性能によって処理できる量やにおいの抑え方が変わり、避難生活の快適さに直結します。

予算を理由に準備が止まってしまっている場合は、まずは、100円ショップで揃う品目から始めてみましょう。数百円でも、何もない状態からは大きく前進します。

4 非常持ち出し袋の重さの目安

一次持ち出し袋の重さの目安は、男性で15kg、女性で10kg程度とされています。これは、神奈川県が一次持出品の目安として示しているものです。

農林水産省は、非常用持ち出し袋の目的は素早く安全に移動することだとしたうえで、「背負って走れる重さ」にとどめることが重要としています。同省の記事では、約5kgの非常用持ち出し袋の例が紹介されています。

重さの目安はあくまで参考です。実際に荷物を入れた状態で背負い、無理なく避難できる重さに調整しましょう。小さな子どもを抱えて避難する可能性がある場合は、その状況も想定して重さを確認することが大切です。

重すぎた場合は、次の順番で削っていきましょう。

  1. 二次持ち出しや自宅備蓄に回せるもの(水や食料の2日目以降の分)
  2. 用途が1つしかない便利グッズ
  3. 季節のアイテム(避難所で配布される可能性があるもの)

また、家族全員分を1つの袋にまとめる必要はありません。大人がそれぞれ1つずつ持ち、子どもの分は大人の袋に分散させる方法もあります。

大人が1人で子どもを連れて避難する状況も想定し、「片方の大人だけで持ち出せる構成」にしておくと安心です。

参考:
神奈川県|非常持出品を準備しよう
広島県|「みんなで減災」はじめの一歩
農林水産省|災害を想定した備えが大切

5 非常持ち出し袋の選び方と詰め方・置き場所

非常持ち出し袋は、リュック型を選び、重いものを上・体に近い側に詰め、避難経路上に置きます。

押さえておきたいのは、同じ中身でも避難のしやすさが変わるという点です。

市販セットと自分で揃える方法の違いもあわせて確認します。

  • ・両手が空くリュック型を選ぶ
  • ・重いものは上・体に近い側に詰める
  • ・避難経路上に置く
  • ・市販の防災セットと自分で揃える方法を比べる

両手が空くリュック型を選ぶ

非常持ち出し袋は、両手が空くリュック型を選びましょう。避難中は、手すりをつかむ、子どもの手を引く、転んだときに手をつくといった動作が必要になります。

ショルダーバッグやトートバッグは、荷物が重くなると片側に負担がかかりやすくなります。また、キャリーバッグは階段や砂利道、ぬかるみなどでは移動しにくくなることがあります。

マンションの高層階では、停電でエレベーターが止まってしまった場合階段での避難になります。その状況で車輪付きのバッグを運ぶのは、現実的ではありません。

リュックは、肩ベルトが幅広で、腰ベルトが付いているものを選ぶと重さが分散されます。

重いものは上・体に近い側に詰める

水などの重いものは、リュックの上のほう、体に近い側に入れます。重心が体の近くで高い位置にあるほど、背負ったときに前後のブレが小さくなるためです。

これは登山の荷造りで使われている考え方で、長時間歩いても疲れにくくなります。

詰める順番は次のとおりです。

  1. 下段:軽くてかさばるもの(衣類、アルミシート、タオル)
  2. 中〜上段の背中側:重いもの(水、モバイルバッテリー、缶詰)
  3. 上段・外ポケット:すぐ使うもの(懐中電灯、軍手、現金、救急用品)

懐中電灯は、暗い中で取り出す場面を想定し、外ポケットなど手探りでも届く位置に入れるようにしましょう。

避難経路上に置く

非常持ち出し袋は、玄関など避難時に必ず通る場所に置きます。押し入れやクローゼットの奥にしまい込むと、地震で物が倒れて取り出せなくなる可能性があるため注意しましょう。

神奈川県も、過去の地震災害では家屋が倒壊して非常持出品を取り出せないケースが多かったとしています。

置き場所を決めるときの条件は次の3つです。

  • ・避難時に必ず通る動線上にある
  • ・上に重い物が載っていない
  • ・家族全員が場所を知っている

玄関に置くスペースがない場合は、寝室の出入口付近も候補になります。夜間に被災する可能性を考えると、寝ている場所から近いことにも意味があります。

市販の防災セットと自分で揃える方法を比べる

非常持ち出し袋を準備する方法としては、市販の防災セットを活用する方法と、自分で必要なものを揃える方法があります。どちらがよいかは、準備にかけられる手間や重視したい点によって変わります。

比較項目 市販の防災セット 自分で揃える
手間 一度の購入で基本が揃う 品目ごとに選ぶ時間が必要
費用 まとめ買いで1点あたりの費用を抑えやすい 手持ちの物を使えば費用を抑えられる
中身の適合 家族構成に合わせた調整が別途必要 最初から自分の家庭に合わせられる
品質 防災用として選定されている 自分で見極める必要がある
比較項目手間
市販の防災セット一度の購入で基本が揃う
自分で揃える品目ごとに選ぶ時間が必要
比較項目費用
市販の防災セットまとめ買いで1点あたりの費用を抑えやすい
自分で揃える手持ちの物を使えば費用を抑えられる
比較項目中身の適合
市販の防災セット家族構成に合わせた調整が別途必要
自分で揃える最初から自分の家庭に合わせられる
比較項目品質
市販の防災セット防災用として選定されている
自分で揃える自分で見極める必要がある

市販セットを買った場合も、そのままでは完成しません。乳幼児用品や常備薬など、家庭ごとに必要なものは自分で追加する必要があります。

一つひとつ買い揃える時間が取れない場合は、市販の防災セットを土台にするのがおすすめです。ぜひ「カテエネWEB商店」の防災リュックセットを活用してみてください。

6 非常持ち出し袋の食料はローリングストックで管理するのがおすすめ

非常持ち出し袋に入れた食料は、ローリングストックで管理しましょう。

ローリングストックとは、日常的に食べている食品を多めに買っておき、消費した分を買い足すことで、常に一定量を家庭に確保しておく方法です。この方法を取り入れると、袋に入れた食料が期限切れのまま放置されるのを防ぎやすくなります。

もう1つの効果は、点検の習慣がつくことです。食料を入れ替えるタイミングで袋を開ければ、電池の残量や衣類のサイズも自然に確認できます。とくに小さいお子さんがいる家庭では、1年で服のサイズが変わります。

食料の入れ替えを「袋全体を見直す日」として使うと、点検が別の作業になりません。

ローリングストックについては、下記の記事で詳しく解説しています。ぜひこちらも参考にしてください。

ローリングストックとは?始め方や備えるメリット・デメリット、必要なものを解説
ローリングストックにおすすめの非常食は?スーパーで揃う備蓄リストを解説

7 非常持ち出し袋の中身に関するよくある質問

非常持ち出し袋を準備するときに、疑問になりやすい点をまとめます。袋そのものの選び方、中身の入れ替え時期、マンションでの必要性の3点です。

  • ・リュックは普段使いのもので代用できますか?
  • ・中身は何年ごとに入れ替えますか?
  • ・マンションでも非常持ち出し袋は必要ですか?

リュックは普段使いのもので代用できますか?

条件を満たしていれば代用できます。防災専用の製品でなくても、避難に必要な機能を備えていれば役割は果たせます。

確認したい条件は次の3つです。

  • ・背負ったときに両手が空く
  • ・中身を入れた状態で走れる
  • ・雨に濡れても中身が守られる(防水カバーやポリ袋で代用可)

登山用やアウトドア用のリュックは、これらの条件を満たしているものが多くあります。

いずれにしても、常に備えておけるように、使わなくなったリュックを活用するなど、避難用として専用のものを用意するのがおすすめです。

中身は何年ごとに入れ替えますか?

品目によって期限が異なるため、一律の年数では管理できません。目安は次のとおりです。

品目 入れ替えの目安
食料・水 賞味期限に応じて(普段の食事で消費しながら補充)
乾電池 使用推奨期限に応じて(年1回は残量を確認)
モバイルバッテリー 3カ月〜6カ月に1回、残量を確認して再充電
衣類 半年に1回、季節とサイズに合わせて入れ替え
リュック本体 生地の劣化やファスナーの不具合が出たら交換
品目食料・水
入れ替えの目安賞味期限に応じて(普段の食事で消費しながら補充)
品目乾電池
入れ替えの目安使用推奨期限に応じて(年1回は残量を確認)
品目モバイルバッテリー
入れ替えの目安3カ月〜6カ月に1回、残量を確認して再充電
品目衣類
入れ替えの目安半年に1回、季節とサイズに合わせて入れ替え
品目リュック本体
入れ替えの目安生地の劣化やファスナーの不具合が出たら交換

リュック本体は、使わなくても紫外線や湿気で生地が劣化します。年に1回、袋を開けるときに縫い目やファスナーを確認しましょう。

例えば、季節の変わり目に合わせて年に2回点検する運用にすると、衣類の入れ替えも同時に済ませることができます。

マンションでも非常持ち出し袋は必要ですか?

マンションでも必要です。建物が無事でも、火災や周辺の被害によって避難が必要になる場合があるためです。

一方で、マンションは耐震性が比較的高く、自宅にとどまる在宅避難になるケースも多くあります。そのため、持ち出し袋と自宅の備蓄を両方そろえる形が基本です。

高層階では、停電でエレベーターが止まると階段での移動になります。階段を降りることを想定すると、袋の重さは低層階よりも重要な条件です。

小さなお子さんを抱っこして降りる可能性がある場合は、その状況でも無理なく持ち運べる重さに調整しましょう。

8 非常持ち出し袋は詰め込むより持ち出せることを優先しよう

非常持ち出し袋の中身は、「背負って避難できる範囲」で決めることが大切です。一度にすべてを揃えようとせず、まずは最低限必要なものから準備していきましょう。

まずは水500mLと携帯トイレ、懐中電灯だけを入れたリュックを玄関に置いてみてください。

もう1つ大切なのが、入れた食料をローリングストックで管理することです。食べて買い足す流れができれば、袋は放置されず、点検の機会も自然に生まれます。

家族構成や住まいの条件によって、必要なものは変わります。この記事のリストを土台に、ご家庭に合わせて調整してみてください。

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