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コラム

公開日:2025.11.6

V2Hとは?仕組みとメリット・デメリット、選び方をわかりやすく解説

volume 07

V2Hとは?
仕組みとメリット・デメリット、選び方を
わかりやすく解説

V2Hとは、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)に蓄えた電力を家庭で活用するための機器や仕組みのことです。停電時には非常用電源としても利用できます。もちろん家庭内の電気を使って効率よく電気自動車等の充電もおこなえます。

この記事では、V2Hの概要や仕組みをわかりやすく解説します。導入するメリット・デメリット、選び方のポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

1 そもそもV2Hとは?

ここでは、V2Hの意味や仕組みをわかりやすく解説します。

1.1. V2Hの意味

V2Hとは、電気自動車のバッテリーに蓄えた電力を家庭で使えるようにするシステムです。「Vehicle to Home」の略称で、「車から家へ」という意味があります。

電気自動車から家に送電するだけでなく、一般的な充電設備のように家庭から車への充電にも対応しています。

1.2. V2Hの仕組み

電気自動車のバッテリー内の電気は直流ですが、家庭の照明や家電製品は交流で動きます。そのため、このままでは車のバッテリーに貯めた電気を家で使えません。

そこで役立つのがV2Hです。V2Hは直流を交流に変え、車のバッテリーに蓄えた電気を家庭で使えるようにします。さらに、交流から直流への変換機能もあるため、家庭の電気を使って車を充電することもできます。

太陽光発電と組み合わせれば、日中に発電した電気を車に充電して走行させることが可能です。

このように、V2Hは家への電力供給と車への充電を双方向でおこなえるという特徴を持っています。

2 V2Hが注目されている理由

V2Hは2012年から販売が開始されましたが、近年その注目度がさらに高まっています。ここでは、V2Hが注目されている4つの理由を紹介します。

2.1. 電気料金の高騰

2022年の燃料輸入価格の高騰により発電コストが増加するなど、近年は電気料金が上昇傾向にあります。こうした背景から、電気代の負担を少しでも軽減するためにV2Hへの関心が高まっています。

例えば、太陽光発電と組み合わせて利用すれば、昼間に作った電気を使って車を充電することが可能です。車を使用せずに充電が残っている場合は、災害時などに使うこともできます。

このような電力のやり取りによって電力会社からの購入電力を減らせるため、節電効果が期待できます。

2.2. 脱炭素社会の実現

V2Hが注目を集めている背景には、日本が脱炭素社会の実現を目指していることがあります。具体的には、以下のような目標が掲げられています。

目標 内容
日本の2030NDC 温室効果ガス46%削減(2013年度比)を目指し、さらに50%の高みに向けて挑戦を続ける
日本の2035/2040NDC
  • 2035年度に温室効果ガス60%削減(2013年度比)を目指す
  • 2040年度に温室効果ガス73%削減(2013年度比)を目指す
2050年カーボンニュートラル 2025年までに温室効果ガスの排出量を全体としてゼロにする

V2Hを太陽光発電と組み合わせて活用することで、温室効果ガスの削減に繋がります。そのため、これらの設備の普及は、温室効果ガス削減目標の達成に向けた重要な一歩として期待されています。

2.3. 政府がV2H導入を推進している

日本政府がV2Hの導入を推進していることも、注目が高まっている理由の一つです。

環境省は、再生可能エネルギー関連設備の導入を支援する「地域脱炭素推進交付金」という事業を実施しています。こちらの事業は、脱炭素化に取り組む地方公共団体に交付金を提供し、太陽光発電やV2Hなどの設備導入を促進するものです。

また、地方公共団体向けだけでなく、国や自治体による個人向けの補助金制度も整備されており、一般家庭でも負担を抑えて設備を導入しやすい環境が整いつつあります。

2.4. 防災対策の強化

V2Hは、防災対策の観点からも注目されています。日本は台風や地震、土砂災害などの自然災害が多く、災害にともなう停電が発生する可能性があるためです。

V2Hを設置しておけば、電気自動車のバッテリーに貯蔵した電気を非常時の電源として活用できます。停電時でも電力を確保できるため、もしものときの安心に繋がります。また、気象警報が出た場合に、AI連携などで電気自動車に自動で充電する機能がついている機器もあります。

3 V2Hと関連設備の違い

V2Hと関連が深い設備として「EV充電設備」と「蓄電池」があります。
ここでは、V2Hと関連設備の違いを解説します。

3.1. 電気自動車充電設備との違い

電気自動車充電設備とV2Hは、いずれも電気自動車を充電できるシステムです。

ただし、電気自動車の充電設備は車の走行にしか電力を使えません。一方、V2Hは車に蓄えた電気を家庭にも供給できます。

自宅での車の充電だけが目的であれば電気自動車充電設備で十分ですが、非常用電源としての活用も検討している場合はV2Hの設置が必要です。

3.2. 蓄電池との違い

蓄電池とは、電気を一時的に貯蔵し、必要なときに電気機器に送電できる装置です。蓄電池単体では電気自動車に充電できませんが、V2Hは車のバッテリーに直接電力を送ることが可能です。

また、両者にはバッテリー容量にも違いがあります。V2Hには蓄電機能がないため、電力は電気自動車に蓄えます。それぞれの容量の目安は以下のとおりです。

  • 家庭用蓄電池(大容量タイプ):約10kWh
  • 電気自動車:約20〜70kWh(100kWh以上の車種あり)

このように、V2Hと電気自動車を活用するほうが、より多くの電力を確保できる可能性が高いです。そのため、非常用電源を確保したい方にとっても、V2Hを導入する意味合いは大きいでしょう。

蓄電池についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事で家庭用蓄電池の種類やメリット・デメリットを紹介しているので、ぜひあわせてご覧ください。

4 V2Hの種類と特徴

V2Hは、ほかの設備との連携の有無によって2つのタイプがあります。ここでは、それぞれの特徴をわかりやすく解説します。

4.1. 太陽光蓄電池連系タイプ

太陽光蓄電池連系タイプは、電気自動車・太陽光発電・蓄電池を連携させて運用するシステムです。

各設備を連携させることで、以下のように太陽光発電の余剰電力を柔軟に活用できます。

  • 車に充電する
  • 蓄電池に充電する
  • 電力会社へ売電する

また、太陽光発電で作った電気を直流のまま車に充電できるため、変換ロスが少なく、エネルギーを効果的に活用できます。

4.2. 単機能タイプ

単機能タイプは、電気自動車と家との電力供給に特化したシステムです。太陽光発電とは直接繋がっていないため、発電した電力を車に充電する際には、以下のように電気を変換する必要があります。

  1. 太陽光発電で直流の電気を作る
  2. パワーコンディショナ(注)で交流に変換する
  3. V2Hで再び直流に変換し、電気自動車に充電する

このように、単機能タイプは太陽光蓄電池連系タイプよりも変換回数が多く、そのぶん変換ロスが大きくなるのが特徴です。

  • (注)太陽光発電でつくった直流の電気を交流に変換する装置です。

5 V2Hを導入する4つのメリット

V2Hを導入すると、電気料金の節約や災害時の備えなど、さまざまなメリットがあります。ここでは、V2Hの導入で得られる4つのメリットを紹介します。

5.1. 災害時の非常電源になる

V2Hは車に充電した電力を家庭に供給できるため、災害などによる停電時の非常用電源としても役立ちます。

出力の大きいタイプであれば、200VのIHクッキングヒーターやエアコンなど、複数の家電製品を同時に使うことも可能です。また、一般的に電気自動車は家庭用蓄電池より多くの電力を蓄えられるため、車種や電力の使い方にもよりますが、1〜2日程度は普段に近い生活が送れます。

5.2. 電気料金の節約に役立つ

V2Hを導入すると、夜間など電気料金が安い時間帯に電気自動車に充電し、家庭で利用することで、電力会社から購入する電力量を減らせます。

さらに、太陽光発電システムと組み合わせれば、発電した電気を効率よく電気自動車に充電し、その電気を活用できるため、電気料金の節約につながります。

加えて、太陽光蓄電池連系タイプのV2Hであれば、発電した電気を自宅と電気自動車に自動的に分配できるため、電気を無駄なく使えて、より電気料金をより安く抑えることが可能です。

節約効果や太陽光発電について理解を深めたい方は、以下の記事で太陽光発電の仕組みやメリット・デメリットを紹介しているので、ぜひあわせてご覧ください。

5.3. CO2排出量の削減に繋がる

V2Hと太陽光発電を組み合わせることで、電力会社から購入する電力量を減らせます。現在、日本の電力の約7割は火力発電によって賄われているため、太陽光発電で作った電力を使用することで、電力由来のCO2排出量の削減が期待できます。

脱炭素化社会の実現に向けて個人で貢献できるので、環境への意識が高い方にとって太陽光発電とV2Hを導入する意義は大きいでしょう。

5.4. 短時間で電気自動車を充電できる

V2Hは、電気自動車を短時間で充電できます。一般的な200V普通充電設備と比べると、V2Hは最大約2倍(注)のスピードで充電が完了します。そのため、充電が終わるまでの待ち時間によるストレスを軽減できるでしょう。

  • (注)ニチコン プレミアムモデルの場合。機種によって充電スピードが異なります。
  • (注)契約電力や家庭での電気使用状況、バッテリーの充電量によって異なります。

6 V2Hを導入する2つのデメリット

V2Hを導入するメリットは複数ありますが、その一方で注意すべきデメリットも存在します。ここでは、V2Hを導入する際の2つのデメリットを紹介します。

6.1. 導入と維持にコストがかかる

V2Hを導入すると、長期的には電気料金の削減が期待できますが、設備の設置と維持にはコストがかかります。導入時には本体費用と設置費用としてまとまった資金が必要で、定期的なメンテナンスも欠かせません。

こうした負担を軽減するには、国や自治体が実施している補助金制度の活用がおすすめです。補助金制度には利用条件があり、自治体によって内容が異なるため、お住まいの地域の制度や申請方法を事前に確認しましょう。

6.2. 電気自動車が必要になる

V2Hは発電機能や蓄電機能を持たないため、家庭に電気を供給するには電気自動車が不可欠です。そのため、現在所有していない方は、V2Hとあわせて車の準備も進める必要があります。

また、V2Hは太陽光発電がなくても利用できますが、電気料金の節約や脱炭素化に貢献したい方とっては、太陽光発電をセットで導入する価値が大きいです。ただし、太陽光発電の導入にも、V2Hと同様にまとまった初期費用がかかります。

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7 V2Hの導入条件はある?

V2Hを導入する際には、所有車や住宅など、設置に関わる条件を確認することが大切です。ここでは、V2Hの主な導入条件を紹介します。

7.1. 対応車種を所有している

V2Hを利用するには、V2H機器に接続可能な電気自動車を所有している必要があります。

電気自動車の中にはV2H機器に対応していない車種もあるため、その場合システムを利用できません。特に輸入車の場合はV2H非対応の車種が多いので、該当する方は注意が必要です。

また、V2H機器のメーカーや機種によって対応車種が異なるケースもあるため、事前に確認しておくことをおすすめします。

7.2. 駐車場付きの戸建住宅に住んでいる

V2H機器の設置は、車と自宅とを有線ケーブルで繋ぐ必要があります。

そのため駐車場と自宅が離れている場合はケーブルが接続できず、システムを利用できません。集合住宅にお住まいの方や、戸建住宅でも自宅に駐車場がない方は、V2Hの導入が難しいことを理解しておきましょう。

7.3. V2Hと家庭の電気設備を接続する

V2Hを導入するには、電力会社が所有する配電線とV2H機器を接続するための承諾が必要です。なぜなら、太陽光蓄電池連系タイプのV2Hが、電力会社から発電可能な機器とみなされるためです。

ただし、承諾手続きは設置業者が担当するので、ご自身で手続きをおこなう必要はありません。

8 V2Hシステムの選び方

V2Hの効果を最大限に引き出すには、選び方が重要です。ここでは、V2Hシステムを選ぶ際に押さえておきたい5つのポイントを紹介します。

8.1. 対応している電気自動車か

電気自動車の中にはV2H非対応の車種もあるため、事前に対応状況を確認することが大切です。

多くのV2H機器は「CHAdeMO」という急速充電方式を採用しています。そのため、CHAdeMO規格の急速充電口を搭載されていない車種は、V2Hに対応していない可能性が高いです。所有車がCHAdeMO規格に対応しているかは、自動車メーカーの公式サイトで確認しましょう。

また、設置するV2H機器の機種によっても対応車種が異なる場合があるため、V2Hのメーカーの公式サイトもあわせてチェックすることをおすすめします。

8.2. 設置場所はあるか

V2Hを導入する際は、自宅に設置場所があるかを確認しましょう。

V2H機器の大きさや自宅の駐車スペースの広さによっては、設置が難しい場合があります。また、充電ケーブルの長さには制限があるため、電気自動車の充電口とV2H機器の距離も考慮しなければなりません。

V2H機器は定期的なメンテナンスが必要なので、保守点検がしやすいスペースの確保も求められます。

そのため、V2Hの導入を検討している方は、自宅の駐車場に十分な広さがあるかを確認する必要があります。また、設置場所を決める際は、工事担当者とよく相談しながら進めることが大切です。

8.3. 電気容量(出力)は十分か

V2H機器の自立運転時の最大出力が大きいほど、一度に利用できる電力量が増えます。電気自動車に蓄えた電気を家庭で使う場合、出力が大きいほど多くの家電製品を同時に使用できます。

そのため、家庭の電力の使用状況を踏まえたうえで、十分な出力を持つV2H機器を選ぶことが大切です。

8.4. 余剰電力を活用できるか

余剰電力を活用できるかどうかも、V2H選びで重要なポイントです。

太陽光蓄電池連系タイプのV2Hであれば、太陽光発電でつくられた余剰電力を電気自動車や蓄電池に効率よく充電できます。単機能タイプのV2Hでも太陽電池と連携できる製品はありますが、電気自動車に充電する際の変換ロスが大きくなりがちです。

そのため、太陽光発電と組み合わせて余剰電力を効率的に活用したい方には、太陽光蓄電池連系タイプのV2Hがおすすめです。

9 V2H導入を検討するなら補助金制度の活用も検討しよう

V2H機器に対応する車両を購入する際は、国の補助金制度を活用できる場合があります。例えば、一般社団法人次世代自動車振興センターのCEV補助金があります。

対象となる車両は、以下のとおりです。

  • 電気自動車(EV)
  • プラグインハイブリッド自動車(PHEV)
  • 燃料電池車(FCV)
  • 超小型モビリティ
  • ミニカー
  • 側車付二輪自動車・原動機付自転車

補助金制度には対象製品や申請方法、対象期間などが定められているため、購入前に必ず確認しておきましょう。

また、補助金額や上限額は車種によっても異なりますので、詳細は以下にてご確認ください。

10 太陽光発電と蓄電池でV2Hのメリットを最大化できる

V2H機器を設置すると、電気自動車を短時間で充電できるメリットがあります。

さらに、V2Hを最大限に活かしたい方は、太陽光発電や蓄電池との併用がおすすめです。これらの設備と組み合わせることで、以下のような使い方が可能になります。

  • 昼間は太陽光で発電した電力を車や蓄電池に充電する
  • 夜間は車や蓄電池から家庭へ電力を供給する
  • 災害時には電気自動車や蓄電池を非常用電源として活用する

このように複数のシステムを組み合わせることで、エネルギーの自給自足や災害時の備えに繋がります。そのため、V2H機器の導入を検討する際は、太陽光発電や家庭用蓄電池の設置もあわせて考えてみましょう。

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11 まとめ

V2Hを導入することで、電気自動車のバッテリーに蓄えた電気を家庭で利用できるほか、停電時には非常用電源としても活用できるといったメリットがあります。

ただし、本体や設置にかかる初期費用が負担となり、導入をためらう方もいるでしょう。

そのような方は、リースサービスの利用がおすすめです。中部電力ミライズの「カテエネリース」では、初期費用0円でV2Hを導入可能で、月々のリース料金のみで利用できます。リース期間が満了すると設備が無償譲渡となるため、以後のリース料金がかかりません。

V2Hプランのほかに、太陽光発電と組み合わせた「太陽光発電+V2Hプラン」があります。シミュレーションを通じて最適なプランをご提案しますので、お気軽にご相談ください。

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