• 地元の人たちに愛され、親しまれている食材をテーマに中部5県下をめぐり、その魅力をご紹介します。
    ※「農食」とは、新鮮な農産物をその土地で食べることを意味する造語です。

  • カテエネ 農食ツーリズム
  • 第12回

    岐阜県加茂郡川辺町のしいたけを訪ねて

    しいたけの栽培方法は、「原木栽培」と「菌床栽培」の2種類があることを知っていますか?短期間栽培が可能な「菌床栽培」が増えるにつれ、昔からおこなわれてきた「原木栽培」はわずか2割に減っている中、「原木栽培」にこだわって、作り続けている3兄弟が岐阜県加茂郡川辺町にいらっしゃいます。「しいたけブラザーズ」代表であり、長男の横田尚人(よこたなおひと)さんを訪ねました。
    (注)取材は2015年6月におこないました。
  • 岐阜県加茂郡川辺町の「しいたけ」

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見る・聞く3兄弟の情熱が産み出す、原木栽培のしいたけ

山間にあるハウスの中ですくすく育つ

川辺町の山間に「しいたけブラザーズ」のビニールハウスがあります。中を覗くと、ビニール越しのやわらかい陽射しの中、櫓(やぐら)のように原木が整然と積み上げられていました。そして、丸くてかわいらしいしいたけがぽこぽこと原木から顔を出しています。

  • 独自の形で積み上げられた原木。

  • カサが丸く盛り上がり、絵本に描かれるようなフォルムです。

一年中、美味しいしいたけを届けるために

山で育つ自然のしいたけは本来、春もしくは秋、年1回しか収穫できませんが、ビニールハウスで温度、湿度、光を調整することで、通年の収穫を可能にしています。
特に重要なのは昼夜の温度差で、昼は約30℃、夜は約10℃に設定します。この温度差によって、身が厚く、引き締まったしいたけに成長します。

  • 100種ほどあるしいたけの品種の中から「味と香りの良さ」で厳選した品種を栽培。

  • 直売所やスーパーに出荷する他、ハウスでしいたけ狩りもおこないます。

  • 木の栄養分をたっぷり吸い上げた、原木しいたけ。
    見るからに美味しそう!

父の情熱を継ぎ、こだわり抜いた原木栽培

3兄弟のお父さまがしいたけ栽培を始めた約40年前は「原木栽培」が主流でしたが、気候に左右されず栽培しやすい「菌床栽培」が広まると、「原木栽培」は激減しました。家業を引き継いだ3兄弟は、「木の栄養だけで育つ、美味しいしいたけをみんなに食べてほしい」という思いから、原木栽培の継続を決意。お客さまへの直売をメインとし、近隣のスーパーなどで試食会を積極的におこない、原木しいたけの魅力を根気よく伝えてきました。

  • しいたけの菌を植えつけ、原木栽培に使われるナラやクヌギの木。

  • 「しいたけ本来の香りや食感をぜひ味わってほしい」と長男の尚人さん。

  • 1本10kg以上ある重い原木を軽々と積み上げる三男の泰弘(やすひろ)さん。

  • 「原木栽培」と「菌床栽培」の違い
    • 原木にしいたけの菌を植えつけ、木の栄養だけで育てる「原木栽培」に対し、おがくずに人工栄養剤を混ぜて固めた菌床に、菌を植えつけて育てるのが「菌床栽培」です。

  • しいたけの保存方法

    新鮮なしいたけなら冷蔵庫で2~3週間保存できます。ビニール袋に入れ、湿気がこもらないよう、口をしばらずチルド室(冷蔵庫より温度が低いところ)に入れるのがおすすめです。
    また、しいたけは冷凍するとうまみが凝縮して美味しくなります。カットしてから冷凍しておけば、調理する際にそのまま使えて便利です。

  • 「しいたけブラザーズ」へ、しいたけ狩りに行こう!

    夏の暑い時期を除いた一年中、不定期でしいたけ狩りを体験できます。しいたけ狩りの実施日、
    予約状況は「しいたけブラザーズ」のホームページで確認できます。完全予約制のため、必ず電話予約してください。

    アクセス&インフォメーション 有限会社 しいたけブラザーズ

    岐阜県加茂郡川辺町鹿塩983-1 Tel:0574-53-4663
    直売所の営業時間 9時~12時、13時~17時(12時~13時は閉店) 定休日 火曜(祝日は臨時営業)
    新しいウィンドウを開きますしいたけブラザーズホームページ(ホームページからのお取り寄せも可能です)
    ■車でのアクセス
    東海環状自動車道「美濃加茂IC」で降り、国道41号バイパスを高山方面に向かう。
    「川辺鹿塩IC」を左に降り、突き当たりのT字路を左折後1.5Km

食べる町民の憩いの場所として愛される「CAFE LUCE(カフェ ルーチェ)」

「しいたけブラザーズ」のしいたけをふんだんに使用

「しいたけブラザーズ」から車で約5分、JR中川辺駅近くにある「CAFE LUCE」は、「お客さまに安心して食べてほしい」という思いから、岐阜県産など食材の産地にこだわっています。オーナーの酒向成大(さこうしげひろ)さんは、「しいたけブラザーズ」のしいたけをはじめて食べたとき、その香りと食感の良さに感動し、迷わず店で使うことに決めました。

  • 目を引く洋館のレストラン「CAFE LUCE」。

  • 店内は天井の高い開放的な空間になっています。

  • オーナーの酒向成大さん。

人気No.1は「しいたけごろごろパスタ」!

「しいたけブラザーズ」のしいたけは主にパスタ、リゾット、ピザに使われています。人気No.1は塩ソースの「しいたけごろごろパスタ(税込1,300円)」で、オイルベースのパスタにしいたけがよく合います。
14時以降の限定メニューの中で注目は、「しいたけごろごろリゾット(税込1,350円)」と「しいたけごろごろピザ(税込1,400円)」。いずれの品にも、ソテーした丸ごとしいたけを5枚ずつトッピング。肉厚のしいたけは、噛んだ瞬間にうまみがじゅわっと口に広がり、たまらない美味しさです。

  • パスタの塩味にしいたけのコク、大葉のさっぱり感が絶妙のバランス。他にトマトソース、和風ソースもあります。

  • 口に含むとしいたけの香りがふわっと広がるリゾット。14時以降の限定メニュー。

  • ぱりっと焼き上げたミックスピザの上に、丸ごと焼きしいたけをトッピング。14時以降の限定メニュー。

  • アクセス&インフォメーション CAFE LUCE(カフェ ルーチェ)

    岐阜県加茂郡川辺町中川辺161-1 Tel:0574-53-6929
    営業時間7時~18時(モーニング7時~11時、ランチ11時30分~14時)
    定休日 木曜、年末年始(12月30日~1月2日)
    ■車でのアクセス
    東海環状自動車道「美濃加茂IC」から約15分

買う川辺町のおみやげは、この2店をチェック!

手作りの加工品も見逃せない「しいたけブラザーズ」直売所

「しいたけブラザーズ」の直売所では、前日に収穫したばかりのしいたけや、天日でじっくり干した乾燥しいたけ、3兄弟のお母さまが手作りした、しいたけの加工品が並びます。中でもおすすめは平成18年度に「健康によい食品コンクール」最優秀賞を受賞した「しいたけまん(税込250円)」。尚人さんの奥さまである美由紀さんが、しいたけ嫌いなお子さまでも食べられるように工夫して作った人気商品です。

  • 「しいたけブラザーズ」のビニールハウスに隣接する直売所。

  • 保存が効いて使いやすい乾燥しいたけも人気です。

  • 「しいたけまん」は、「元祖しいたけまん」、「キーマカレー味」、「四川麻婆味」の3種類。

  • アクセス&インフォメーション 有限会社 しいたけブラザーズ

    岐阜県加茂郡川辺町鹿塩983-1 Tel:0574-53-4663
    直売所の営業時間 9時~12時、13時~17時(12時~13時は閉店) 定休日 火曜(祝日は臨時営業)
    新しいウィンドウを開きますしいたけブラザーズホームページ(ホームページからのお取り寄せも可能です)
    ■車でのアクセス
    東海環状自動車道「美濃加茂IC」で降り、国道41号バイパスを高山方面に向かう。
    「川辺鹿塩IC」を左に降り、突き当たりのT字路を左折後1.5Km

地域の人気商品が揃う「川湊の里」

「しいたけブラザーズ」から車で約5分の場所にある「川湊(かわみなと)の里」は、近隣の農家さんが持ち寄る野菜を中心に、地元企業が生産するお土産やめずらしい特産品を買うことができます。「しいたけブラザーズ」のしいたけ、乾燥しいたけ、しいたけの加工品なども取り扱っています。

  • 川辺町唯一の産地直売所として人気の高い「川湊の里」。

  • 店長の久保田日出子(くぼたひでこ)さん(左)。川辺町唯一の産地直売所としてメディアでも紹介され、注目されています。

  • 「しいたけブラザーズ」のコーナーも設けられています。

  • 3兄弟のお父さまが作るお米「アイガモ米」も買うことができます。

  • アクセス&インフォメーション 川湊の里

    岐阜県加茂郡川辺町上川辺1691番地 Tel:0574-53-2281
    営業時間 9時~16時 定休日 木曜
    ■車でのアクセス
    東海環状自動車道「美濃加茂IC」から約20分

学ぶなつかしい時代の魅力を新たに発見!「日本昭和村」

大人も子どもも大好きになる、古き良き日本がここに。

「しいたけブラザーズ」から車で約20分の場所にある「日本昭和村」は、古き良き昭和の時代を味わえるテーマパークです。
昭和30年代の里山をイメージして作られた村内には、青々と生い茂る木々の合間を清らかな小川が流れ、新鮮な空気に満たされています。メインストリートには商店のような建物が並び、万華鏡作りやそばうち教室など30種類以上の体験教室が、村のあちこちで開催されています。

  • 広報・宣伝担当の吉田れいかさんと名誉村長の中村玉緒さん。

  • 予約の要らない体験も数多くあります。

  • なつかしいお菓子が並ぶ昭和の駄菓子屋さん。

  • 昭和を彩るアイドルのプロマイドも売られています。

  • 木造校舎の中で開催!「昭和パビリオン」

    旧・宮小学校の木造校舎をそのまま移築した「やまびこ小学校」は、瓦屋根や、格子の入った窓ガラスなどが使われています。この中にある「昭和パビリオン」は、昭和の一般的な家庭の台所や居間などが見事に再現されています。

  • 校舎に入るとぎしぎしとなる木の階段や廊下がお出迎え。

  • 炊飯器もテレビも、現代のものとの違いにびっくり!

  • 今では見られない人情味あふれるデザイン。

  • 知っている世代にはなつかしく、知らない世代は新鮮な空間!

村の人気者は、ふわふわの動物!

さまざまな年代に人気の「日本昭和村」ですが、最近は若いママ世代のお客さまも多いとのこと。そのお目当ては、村内の北側にある「里山ふれあい牧場」で暮らすアルパカの「ミルク」と「ちょこ」です。ウシやヒツジ、ブタ、ウマなどたくさんの動物が暮らす牧場へ、2014年にやってきました。

  • 「里山ふれあい牧場」には、アルパカをはじめ、たくさんの動物が暮らしています。

  • 訪れた6月は毛を刈ったばかりの時期。頭と足先に残した毛がおしゃれな「ミルク(左)」と「ちょこ(右)」。

  • アクセス&インフォメーション 日本昭和村

    岐阜県美濃加茂市山之上町2292番地1 Tel:0574-23-0066
    営業時間 9時~17時 (注)12月~2月は10時~17時 年中無休 (注)12月~2月は水曜定休
    入園料 大人(中学生以上)830円 小人(4歳から小学生)400円 シニア(65歳以上)600円
    ■車でのアクセス
    東海環状自動車道「美濃加茂IC」で降りてすぐ
    ■電車でのアクセス
    JR高山本線「美濃太田駅」からバスまたはタクシーで約10分

作る今日はおうちで「農食レストラン」

今回はしいたけを使ったレシピを紹介するニャ

揚げ物、煮物、焼き物、炒め物とさまざまに調理でき、乾燥させると美味しいダシまで取れるしいたけ。じつは血圧降下作用やコレステロール値を下げる働きもあります。しかもミネラルと食物繊維が豊富で低カロリー。
今回はしいたけが主役のヘルシーメニューをご紹介します。

蓮沼 あいさん

農食シェフ蓮沼 あい

食品メーカーへのレシピ提供や撮影協力、広告・雑誌でのレシピ紹介をはじめ、飲食店のプロデュースや料理イベントまで幅広く手がけ、食育をテーマにしたテレビ番組にも出演中。
ウェブサイト新しいウィンドウを開きますhttp://ai-hasunuma.com

丸ごとしいたけコロッケしいたけの形をそのままいかした
まん丸のかわいらしいコロッケ。
じゃがいもとの相性も抜群です。

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〈材料(6個分)〉
  • しいたけ 6個
  • じゃがいも 1個
  • 豚ひき肉 70g
  • 玉ねぎ 1/4個
  • サラダ油 小さじ2
  • 塩、こしょう 各少々
バッター液
  • 卵 1個
  • 薄力粉 大さじ4
  • 水 50ml
  • パン粉 適量
  • 揚げ油
  • 千切りキャベツ、プチトマト、ウスターソース 各適宜
〈作り方〉
  1. しいたけは軸を外して石突きを取り、軸はみじん切りにする。玉ねぎもみじん切りにする
  2. フライパンに油を熱して玉ねぎを炒め、玉ねぎが透明になったらひき肉と1の軸も加えて炒め、塩こしょうをふる
  3. じゃがいもは皮をむいて4つ切りにし、洗って耐熱ボウルにいれ、軽くラップをして600Wのレンジで4分~5分加熱して柔らかくする
  4. 3をマッシャーなどでつぶし、2を加えて混ぜる
  5. 4を6等分し、しいたけの傘に詰める(Point1)
  6. バッター液の材料を混ぜ、5をさっとくぐらせたら、パン粉をつけて180℃の油で揚げる(Point2)
  7. 皿にキャベツ、プチトマトと共に盛りつけ、好みでウスターソースをかけていただく
おいしく作るポイント
ポイント1

揚げたとき形がくずれないよう、手のひらで強めに丸めます

ポイント2

しいたけ以外は火が通っているので、表面がきつね色になったらOK

鶏肉ソテー
しいたけアンチョビソース添え
しいたけの旨味たっぷりの
濃厚アンチョビソースがポイント。
鶏肉ソテーを美味しく引き立てます。

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〈材料(2人分)〉
  • 鶏もも肉 1枚(300g)
しいたけアンチョビソース
  • しいたけ 4個
  • アンチョビ 3尾
    (アンチョビペースト 大さじ1)
  • おろしにんにく 1片
  • マヨネーズ 大さじ3
  • 豆乳(無調整) 大さじ3
  • 白ワイン 大さじ1
  • オリーブオイル 小さじ1
  • タイム 2本
  • 塩、こしょう 各少々
〈作り方〉
  1. 鶏もも肉は半分に切って余分な脂を取り除き、塩こしょうをふる
  2. しいたけは軸を外して石突きを取る。軸はみじん切りにし、傘は1cm角に切る
  3. フライパンにマヨネーズとおろしにんにくを入れて加熱し、2とアンチョビを炒める(Point1)
  4. しいたけがしんなりしたら豆乳を加えて混ぜる
  5. 別のフライパンでオリーブオイルとタイム(2本)を熱し、1の皮目を下にしてカリッと焼く(Point2)
  6. 焼き色がついたらひっくり返して同様に焼き、白ワインをふってフタをし、弱めの中火で3分~4分鶏肉に火が入るまで加熱する
  7. 6を皿に盛りつけ、4のソースをかけ、タイム(分量外)を飾る
おいしく作るポイント
ポイント1

マヨネーズとアンチョビがしいたけにからむように、丁寧に炒めます

ポイント2

皮目をフライパンに押しつけながら、カリッと焼きあげます

しいたけガパオライスタイ料理で人気の炒めご飯に
しいたけをたっぷり使ったヘルシーレシピ。
目玉焼きと一緒にしいたけをトッピング!

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〈材料(2人分)〉
  • しいたけ 7個(うち2個はトッピング用)
  • 鶏ひき肉 150g
  • 赤パプリカ 1/2個
  • にんにく 1片
  • ドライバジル 小さじ1/2
  • ごはん 適量
  • 目玉焼き 2個
  • バター 20g
A
  • ナンプラー 小さじ2
  • オイスターソース 大さじ1
  • サラダ油 大さじ1
  • バジル 適量
  • 塩、こしょう 各少々
〈作り方〉
  1. しいたけは軸を外して石突きを取り、軸はみじん切りに、傘はトッピング用の2個をのぞいて乱切りにする(Point1)。赤パプリカは乱切りに、にんにくはみじん切りにする
  2. フライパンにバターをとかし、トッピング用しいたけの両面をさっと焼く。フタをして2分~3分蒸し焼きにし、塩こしょうをふって取り出す
  3. 2のフライパンにサラダ油とにんにくを入れて熱し、香りがたったらしいたけの軸を入れて炒める。しんなりしたら鶏ひき肉としいたけの傘、ドライパジルを加えて炒める。鶏ひき肉の色が変わったらAを加えてさっと炒める(Point2)
  4. 皿にごはんを盛りつけ、3をたっぷりとかける。その上に目玉焼きと2をのせ、バジルを添える
おいしく作るポイント
ポイント1

傘の部分はあえて均一にせず、1cm~3cm角のさまざまな大きさにカットします

ポイント2

ナンプラーとオイスターの香りが飛ばないよう、最後にまわし入れ、炒めすぎないようにしましょう

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