• 地元の人たちに愛され、親しまれている食材をテーマに中部5県下をめぐり、その魅力をご紹介します。
    ※「農食」とは、新鮮な農産物をその土地で食べることを意味する造語です。

  • カテエネ 農食ツーリズム
  • 第16回

    袋井市のクラウンメロンを訪ねて

    静岡県袋井市は約80年前からメロン栽培が盛んな地域です。なかでも王冠マークのシールが目印の「クラウンメロン」はとても甘くてジューシー!糖度、熟度、形などの厳しい品質基準をクリアした、メロンの中でも最高級の品質を誇るブランドとされています。今回は、「静岡県温室農業協同組合クラウンメロン支所」の総務副部長であり、「クラウンメロン」栽培歴30年以上のベテラン、村松恭光(むらまつやすみつ)さんの温室を訪ねました。
    (注)取材は2016年4月におこないました。
  • 袋井市のクラウンメロン

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見る・聞く美しい網目模様は健康の証。メロンの王様「クラウンメロン」

温室ごとに定植時期をずらすことで、1年中収穫できる

村松さんは9棟の温室で「クラウンメロン」を栽培しています。約30℃に保たれた温室の中は、少し汗ばむほど。最初に案内された温室では、定植(注)されたばかりの苗が整然と並び、2つめの温室では葉が少し大きくなり、3つめの温室では花が咲き、4つめの温室では小メロン(小さなメロン)が実をつけていました。このように温室ごとに定植時期をずらす栽培は「クラウンメロン」の特徴のひとつ。そして、独自改良を重ねた約20種もの品種を季節に合わせて育てることで、周年栽培を実現し、美味しい「クラウンメロン」を1年中提供しています。
(注)苗床で育てた苗を、畑や温室内に植えかえること。

  • 大きな葉がつき始めた苗。支柱に沿って生長します。

  • 黄色いメロンの花。1本の木に3個の小メロンがなるよう、手作業で交配させます。

  • 交配から約7日の小メロン。3個から最も優れた小メロンを1個残す「一木一果(いちぼくいっか)」栽培で、全ての養分を1個に集中させます。

メロン栽培に最適な気候と、より良い環境のための工夫

袋井市は温暖で、日照時間も長く、メロン栽培には最適な気候です。さらに、生長に重要な役割を果たす「太陽光」をより効率よく取り入れるため、ビニールハウスより太陽光の透過率が高いガラス温室とし、南側の屋根を大きくするなどより良いメロンを育てる工夫がされています。

  • 南側の屋根の面積が広い「スリークォーター型」のメロン栽培専用のガラス温室。

  • 北側の苗にも太陽光が十分当たるよう、ひな壇式に段差をつけています。

網目模様はなぜできる?

網目模様の正体は、表面と内側の生長のズレによるものです。内側の生長のスピードが少し早いため、大きくなろうとする内側に押されて表面が少しずつ割れていきます。その割れ目が盛りあがり、独特の網目模様が生まれるのです。
「クラウンメロン」の美しい球形と規則正しい網目模様はすくすくと健康に育った証です。

  • 2mほどに生長した「クラウンメロン」の木。1本の木におよそ30~32枚の葉がつきます。

  • 定植から約75日で収穫。りっぱに育った美しい網目模様の「クラウンメロン」。最高級品の市場価格は1玉3万円を超えるものも!

栽培方法は同じ。それでも差が出る奥深さ

「クラウンメロン」は、組合作成の詳細なマニュアルに沿って栽培されるものの、生産農家によって品質に差が出ます。例えば、雨によるわずかな湿度や気温の変化を見逃さず、こまめに換気窓を開け閉めしたり、生長に合わせて水分量を細かくコントロールしたりと、愛情込めて育てた「クラウンメロン」は、ほぼ球形で網目模様がよく揃い、美しく食味も優れた一玉に仕上がります。
村松さんの栽培する「クラウンメロン」はつねに品質が高く、約220軒ある生産農家の中でも一目置かれる存在です。
「メロンのことが気になって1日も仕事を休めません。でも生長を見守りながら過ごす時間は楽しい。思いがけない美人さん(品質の良いメロン)に育つと嬉しいですね」と、栽培のやりがいを語ってくれました。

  • 温室の様子は毎日チェック。少しの変化も見逃さない観察力が必要です。

  • 生産農家の村松恭光さん。

  • 「クラウンメロン」は王冠マークが目印

    メロンのブランド化を目指して「静岡県温室農業協同組合クラウンメロン支所」が発足したのは1964年のこと。厳しい品質基準をクリアした品に、王冠マークのシールを貼って出荷したのが「クラウンメロン」の始まりです。

食べる日本中で「クラウンメロン」専門店はここだけ!「メロー静岡」

観光客にも人気の「生メロンジュース」と「メロンソフトクリーム」

東名高速道路「袋井IC」から2分ほどの場所にある「メロー静岡 袋井本店」は、袋井観光センターの隣にあり、観光バスも立ち寄るお店です。
おすすめは、「クラウンメロン」をそのまましぼった「生メロンジュース(400円税込)」。芳醇でリッチな「クラウンメロン」ならではの味わいが口に広がります。
同じく人気の「メロンソフトクリーム(400円税込)」は、バニラソフトクリームに、冷凍の「クラウンメロン」がたっぷりとトッピングされています。

  • 袋井ICが近く、大きな通りに面していて訪れやすい「メロー静岡袋井本店」。

  • テレビでも紹介された、大人気の「生メロンジュース(400円税込)」(手前)。

  • 「メロンソフトクリーム」は、冷凍の「クラウンメロン」のサクッとした歯ごたえで美味しさ倍増!

手軽に味わえるハーフカットメロンは、店内でも飲食OK

「クラウンメロン」をそのまま味わいたい方にはハーフカットメロン(1,500円~税別)や、食べやすい大きさのカットメロン(1,200円~税別)がおすすめです。購入したものを店内でカットしてもらって、その場で食べることもできます。

  • お店の方が食べやすくカットしてくれた「クラウンメロン」。よく熟し、皮のギリギリまで甘い!

  • ちょうど食べ頃のものをカットしているのがうれしい。

買うオーナー自ら買いつけるから、高品質&リーズナブルが魅力

幅広いランクの中から、用途に合ったものを

「メロー静岡」オーナーの寺田宏幸(てらだひろゆき)さんは、ご自身も「クラウンメロン」生産農家だった経験をいかし、産地の袋井市で「クラウンメロン」が買える場所を作りたいと、専門店をオープンしました。
店内には、寺田さんがセレクトした質のいい「クラウンメロン」がランク別にずらりと並び、しかも市場価格より約20%~30%もリーズナブル。全国から注文が入ります。

  • ランク別に陳列された「クラウンメロン」。

  • 最高級ランクの「富士」。桐の箱(箱代は別途)に入れた贈答用も人気。

  • オーナーの寺田宏幸さんと奥さまの博子さん。

おみやげコーナーも充実!

「メロー静岡」は「クラウンメロン」を使った加工品も充実しています。店舗は「袋井本店」の他、掛川駅すぐにある「掛川駅南店」、「メローパーラーJR掛川店」の3店舗です。

  • 「クラウンメロン」のプリンやゼリーなども充実している店内。

  • 漬け物にするとポリポリとした食感がたまらない「小メロン(1袋200円~税別)」。

  • 地元のパン屋さんが焼くメロンパン(194円税込)もベストセラー商品。

  • ネット注文による全国発送もおこなっています。

  • アクセス&インフォメーション 株式会社メロー静岡 袋井本店

    静岡県袋井市堀越538-1(袋井観光センター隣)
    Tel:0538-42-3056 フリーダイヤル 0800-200-4056(携帯からも可)
    営業時間 9時~18時
    他に、メロー静岡掛川駅南店、メローパーラーJR掛川店もあり
    新しいウィンドウを開きます株式会社メロー静岡ホームページ(ネット注文が可能です)
    ■車でのアクセス 東名高速道路「袋井IC」から約2分
    ■電車でのアクセス JR東海道本線「袋井駅」からタクシーで約10分

学ぶ豊かな緑に包まれ、心静まる聖域

地域の方にも、観光客にも愛される「法多山(はったさん)・尊永寺(そんえいじ)」

東名高速道路「袋井IC」から車で20分ほどの場所に、袋井市の観光名所として人気の高い「法多山・尊永寺」があります。725年にできた高野山真言宗の別格本山で、静岡県では5本の指に入るほど敷地の広いお寺です。
門前商店街を抜けると、国指定重要文化財である「仁王門」が現れ、その先には参道が続きます。右手には200本以上の大木の杉並木が続き、神聖な気持ちに包まれます。

  • 国指定重要文化財の「仁王門」。仁王像がにらみをきかせます。

  • 参道の杉の木は樹齢400年を超える大木もあり、市の景観重要樹木(注1)に指定。

  • 本堂まで約250段の階段が続きます。

(注1)参道の下馬門から石段下までの約550mの杉並木。

参拝後もゆっくり楽しめる境内

約10万坪ある境内は、ゆっくりと景色を楽しみながら参拝しても、1時間ほどで回ることができます。
月に1度「功徳日(観音縁日)」があり、この日に参拝するとご利益が深くなるとか。7月10日の功徳日に合わせて、9日(前夜祭)と10日の2日間にわたっておこなう「万灯祭」をはじめ、さまざまな催しがあるので、祭事などの日にちを調べて行くのもおすすめです。

  • 香炉のケムリは、悪いものを祓ってくれるニャ。オイラも全身に浴びておいたニャ。

  • 階段を上ると広い本堂がお目見え。

  • ご協力いただいた内山田真(うちやまだまこと)さん(左)、奈須一臣(なすかずおみ)さん(右)。

  • 7月の「万灯祭」。1つひとつ市民の願いが込められた灯籠が境内を鮮やかに照らし出す。
    (注)2016年は、7月9日(土)、10日(日)に開催されます。

6月に見頃の「あじさい」と名物の「厄除(やくよけ)だんご」

境内には四季折々の花が植えられ、6月中旬からは「あじさい」が見頃を迎えます。特に下山道に咲く1,000株以上のあじさいは雨の日に花色が鮮やかさを増し、梅雨の時期を彩ります。
また、境内で買える「厄除だんご(一皿200円税込)」は、150年以上前から参拝客に愛される名物だんご。もっちりしただんごにあんこがたっぷりかかって、つい次の1本に手がのびてしまう、クセになる美味しさです。

  • 境内を彩る1,000株以上のあじさい。

  • 5月~6月は新緑の美しい季節。木漏れ日あふれる境内で森林浴を。

  • お子さまや女性にも食べやすい一口サイズの「厄除だんご」。

  • 法多山の小川を再現したホタル公園にはゲンジボタルが生息。

  • アクセス&インフォメーション 法多山・尊永寺

    静岡県袋井市豊沢2777 Tel:0538-43-3601
    新しいウィンドウを開きます法多山・尊永寺ホームページ
    ■車でのアクセス 東名高速道路「袋井IC」から約20分
    ■電車でのアクセス JR東海道本線「袋井駅」からタクシーで約20分

作る今日はおうちで農食レストラン

今回はメロンを使ったレシピを紹介するニャ

高級フルーツの代表とされるメロンは、ビタミンCやカロテン、食物繊維が豊富です。カットしてそのままいただくのが定番ですが、あえてひと手間かけてサラダやスイーツにすると、メロンの果汁や香りを存分に楽しめるだけでなく、おもてなし度もぐんとアップします。

蓮沼 あいさん

農食シェフ蓮沼 あい

食品メーカーへのレシピ提供や撮影協力、広告・雑誌でのレシピ紹介をはじめ、飲食店のプロデュースや料理イベントまで幅広く手がけ、食育をテーマにしたテレビ番組にも出演中。
ウェブサイト新しいウィンドウを開きますhttp://ai-hasunuma.com

メロンとえびの地中海風サラダメロン&生ハムの定番コンビに匹敵する
見た目にも美しいサラダのオードブル。
おもてなしの一品としてもおすすめ。

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〈材料(2人分)〉
  • メロン(正味) 300g
  • えび(8~10尾) 200g
  • チコリ 1/2個
  • パプリカ 1/4個
  • オリーブ 6粒
  • ミントの葉 10枚
  • ピンクペッパー 適宜
  • 片栗粉 大さじ2
A(マリネ液)
  • 白ワインビネガー 大さじ2
  • 塩 小さじ1/2
  • こしょう 少々
  • 砂糖 小さじ1/2
  • オリーブオイル 大さじ2
B
  • 水 2カップ
  • 塩 小さじ1
  • 白ワインまたは酒 大さじ2
〈作り方〉
  1. えびは竹串などで殻のすき間から背わたを取り、片栗粉でもんで水洗いする
  2. 鍋にBを入れて沸かし、1を入れて中火で1分加熱する(Point1)。火を止め、そのまま冷めるまで置いておく(余熱で火を通す)。えびが冷めたら殻をむく
  3. メロンは皮をむいて種を取り、3cm角に切る(Point2)。チコリは葉をはがして斜め半分に切る。パプリカは種を取って約5mmの薄切りにする
  4. ボウルにAのオリーブオイル以外を入れてよく混ぜ、オリーブオイルを少しずつ加えながらマリネ液を作る。ミントの葉と2のえびをマリネ液に30分以上漬けておく(Point3)
  5. 皿にメロン、チコリ、パプリカ、えび、ミントの葉、オリーブを彩りよく盛りつけ、マリネ液も回しかける。あればピンクペッパーや飾り結びしたメロンの皮(3のメロンの皮を約5mm幅に切って形よく結ぶ)をそえる
おいしく作るポイント
ポイント1

殻ごとゆでることで、えびのプリプリ感をキープします

ポイント2

くし形切りにしてから、皮をカットします

ポイント3

ミントの葉も一緒にマリネ液に漬けこむと、爽やかに仕上がります

メロンのぷるぷる杏仁豆腐牛乳と一緒にメロンを温めることで
メロンの香りがいっそう引き立ち
風味豊かでリッチな杏仁豆腐に。

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〈材料(2~4個分)〉
  • メロン(正味) 300g
    うち200gはトッピング用
  • 水 大さじ2
  • 粉ゼラチン 5g
  • 牛乳 200cc
  • 砂糖 30g
  • 生クリーム(脂肪分35%程度) 100cc
  • アーモンドエッセンス 10滴
(シロップ)
  • 水 60cc
  • 砂糖 大さじ2
  • アーモンドエッセンス 2~3滴
〈作り方〉
  1. メロンは皮をむき1/3の分量を7~8mm角に切る。残り2/3のトッピング用のメロンは2cm角に切る。粉ゼラチンは水(大さじ2)でふやかしておく
  2. 鍋に牛乳、砂糖、1の7~8mm角に切ったメロンを入れ弱火にかけてよく混ぜながら溶かす(Point1)。鍋のまわりに泡が小さく出てきたら火を止め、ふやかしておいたゼラチンを入れてよく混ぜあわせる。ゼラチンが溶けたら生クリームを加えて混ぜる
  3. 2の鍋底に氷水をあてて冷やし、粗熱を取る。アーモンドエッセンスを加えて混ぜ、グラスまたは器に流し入れ、冷蔵庫で3時間以上冷やし固める
  4. 耐熱容器にシロップの材料の水と砂糖を入れ、ラップをせずに電子レンジで1~2分加熱する。粗熱がとれたらアーモンドエッセンスを入れ、トッピング用のメロンを加えて冷蔵庫で2時間以上冷やす(Point2)
  5. 冷えて固まった3の上に4のシロップとメロンをのせ、1のメロンの皮を飾りつける
おいしく作るポイント
ポイント1

牛乳は沸騰すると舌触りが悪くなるので、弱火でゆっくりと温めます

ポイント2

シロップにメロンを加えて冷やすとメロン風味が増します

メロンスムージーのグラニテグラニテとは半凍結させた氷菓のこと。
メロンのグラニテとフレッシュな果肉
2つの食感を楽しめるスイーツです。

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〈材料(2人分)〉
  • メロン(正味) 250g
  • はちみつ 大さじ1
  • レモン汁 小さじ1
  • 水 80~100cc
  • バニラアイス(市販品) 適量
  • ミント 適量
  • トッピング用メロン 適量
〈作り方〉
  1. メロンは皮をむいて種を取り、一口大に切ってミキサーに入れる。レモン汁、はちみつ、水を加えて撹拌し、なめらかなスムージーを作る(Point1)
  2. バットや密閉容器などに移し、冷凍庫で半日ほど冷やし固める。固まり始めた頃、途中で1度、フォークでかき混ぜておくと空気をふくんでふんわりと仕上がり、グラニテを作りやすくなる
  3. 2をフォークで削り出すようにしてグラニテを作る(Point2)
  4. 器に3、バニラアイスを盛りつけ、食べやすい大きさに切ったメロンを飾る
おいしく作るポイント
ポイント1

はちみつや水の量は、メロンの糖度や果汁量に合わせて調整しましょう

ポイント2

溶けやすいので、いただく直前にグラニテを作るのがポイント

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