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コラム

公開日:2025.12.25

太陽光発電のパワーコンディショナとは?仕組みや種類、選び方を解説

volume 13

太陽光発電の
パワーコンディショナとは?
仕組みや種類、
選び方を解説

パワーコンディショナは、太陽光発電システムで発電した電気を家庭内で使うために不可欠な機器です。しかし、具体的な役割や蓄電池との違いについて、把握できていない方も多いのではないでしょうか。

この記事では、パワーコンディショナの仕組みや種類、選び方のポイントを解説します。また、交換費用の目安や寿命についても紹介しているので、パワーコンディショナの導入や買い替えを検討している方はぜひ参考にしてください。

1 パワーコンディショナとは?

パワーコンディショナ(以下パワコン)は、電気の「直流」と「交流」を変換し、太陽光発電システム全体を安全かつ効率的に制御するための機器です。太陽光発電パネルで発電した直流の電気はそのままでは家庭内で使えないため、パワコンを使用して「交流」に変換することで照明やエアコン、冷蔵庫などの家電製品が利用できるようにしています。

また、パワコンは蓄電池と混同されやすいですが、両者の役割は異なります。蓄電池は発電した電気を貯めて必要なときに使うための機器です。一方、パワコンは電気を変換する役割を担っています。

また、パワコンは、大きく分けて以下の種類があります。

  • 太陽光発電用パワコン
  • 蓄電池用パワコン
  • ハイブリッド型パワコン

ここからは、基本的な仕組みに触れてから、蓄電池が関わるハイブリッド型などについても解説します。

2 パワーコンディショナの仕組みと役割

ここでは、パワコンの仕組みと、家庭での役割を解説します。

2.1. 家庭で電気を使えるまでの流れ

太陽光発電システムで発電した電気を家庭で使えるようになるまでの流れは以下のとおりです。

  1. 太陽光パネルに太陽光が当たる
  2. 半導体が光エネルギーを電気に変える
  3. パワコンが発電した電気を直流から交流に変換する
  4. 家庭内で電気を使用する

太陽光パネルに太陽光が当たると直流の電気がつくられ、その電気をパワコンで交流に変換します。変換された電気は家庭内で分配され、家電製品の電源として利用されます。

使いきれずに余った電力は電力会社に売ることができるため、売電収入を得ることも可能です。

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太陽光発電とは?仕組みとメリット・デメリット、導入方法をわかりやすく解説

2.2. パワーコンディショナの役割

ここでは、パワコンの主な役割を5つ紹介します。

2.2.1. 家で使える電気のかたちに変える

太陽光発電システムで発電される電気は「直流」ですが、家庭内で使用する電気は「交流」です。そのため、直流のままでは家電製品を使えないため、太陽光用パワコンは直流を交流に変換し、家庭内で電気を使えるようにしています。

また、近年、家庭で電気をより賢く使うために、太陽光発電とあわせて蓄電池を導入する動きが広がっています。ただし、蓄電池は基本的に直流でしか充電できないため一度交流に変換された電気は蓄電池用パワコンで再び直流に戻して、充電します。なお、発電した直流の電気をそのまま充電できる「ハイブリッド型」もあります。

このように、太陽光用パワコンと蓄電池用パワコンは、それぞれの家庭で電気をつかえる形に変換する役割を担っています。

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2.2.2. 天気に合わせて発電をムダなく活用する

太陽光は、天候や時間帯によって日射量が変化するため、太陽光発電システムの発電量は一定ではありません。そのため、パワコンには発電状況に応じて出力を調整する「MPPT(最大電力点追従制御)」機能が搭載されています。

例えば、曇りなどで日射量が不安定な場合でも、MPPTによってその条件下で発電量を最大化できる電流と電圧の組み合わせを自動で探します。これにより、発電のムダを減らし、発電した電気を家庭内で最大限活用できるのです。

2.2.3. 家電製品が壊れないように電気の品質を整える

太陽光発電システムで発電した電気は、電圧が不安定になることがあります。そのまま電気を使用すると、家電製品に負担がかかり、誤作動や故障の原因になる恐れがあります。

パワコンは発電した電気の電圧や周波数を適切な範囲に整え、家庭内で使う電気の品質を安定させる重要な役割を担っています。

2.2.4. 電力会社に電気を送れるようにする

電気は電圧の高い場所から低いところへ流れる性質を持っており、発電した電気を電力会社に売電するには電圧を高める必要があります。

パワコンには電圧を適切な範囲に調整する機能があるため、電力会社へ送電できるようになります。安定した売電をおこなうには、パワコンが欠かせない機器といえるでしょう。

なお、太陽光発電システムを電力会社の送電線に接続する契約を「系統連系(けいとうれんけい)」といいます。系統連系することで、電力会社から不足分の電気を購入したり、余った電気を売電したりできます。

2.2.5. 蓄電池と連携してムダなく電気を使う

近年、災害時の備えや電気代の節約といった観点から、太陽光発電とあわせて、蓄電池の導入を検討されるケースも増えてきました。ハイブリッド型のパワコンを導入すれば、太陽光発電システムと蓄電池を連携し、電気を効率的に活用することができます。

「ハイブリッド型」は太陽光発電システムと蓄電池を1台で制御できるタイプで、昼間に発電した電気を家庭で使用するか蓄電池に貯めるかを自動で判断して切り替えます。さらに、災害などで停電した場合でも、蓄電池に貯めた電気や太陽光で発電した電気を家庭内に供給できるため、安心です。

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3 パワーコンディショナがないと起こること

通常、太陽光発電システムにはパワコンが必ず設置されます。しかし、その役割を理解するために、あえて「もしなかったら?」を考えてみると、その重要性がはっきりみえてきます。

パワコンがないと起こること

  • 発電した電気を家庭内で使えない
  • 発電効率が下がる
  • 売電ができない

家庭内で使用できるのは交流の電気ですが、太陽光発電システムで発電されるのは直流です。太陽光パネルには直流を交流に変える機能がないため、変換機能を持つパワコンを設置していなければ、発電した電気を家庭内で使えません。

さらに、パワコンには発電量を最大化する「MPPT(最大電力点追従制御)」機能や、売電に必要な電圧調整機能も搭載されています。これらの機能がないと、発電効率が低下します。例えば、発電量が落ちやすく、太陽光パネルだけでは発電効率が大幅に低下してしまいます。

また、発電した電気を売電するには、電圧を適切な範囲に収まるように調整する必要があります。電圧の調整もパワコンが担っているため、設置されていなければ電圧が安定せず売電できません。

4 パワーコンディショナの種類

パワコンは産業用や家庭用に大別されますが、設置場所と機能によっても種類が分かれます。ここでは、家庭用パワコンの特徴を種類別に解説します。

4.1. 設置場所による分類

まず、設置場所によるパワコンの分類を見ていきましょう。

4.1.1. 屋内型

屋内型は、家の中に設置するタイプのパワコンです。コンパクトなサイズの製品も多く、一般住宅で採用されています。

屋内に設置すると湿気やホコリの影響を受けにくく、雨風にさらされることもありません。パワコンへのダメージが少なく、メンテナンスや点検の頻度を抑えやすくなります。

4.1.2. 屋外型

屋外型は、住宅の壁面や屋外の専用スペースに設置するタイプのパワコンです。室内のスペースを使わないため、屋内型のように場所を占有しません。産業用の太陽光発電システムで多く採用され、一般住宅でも屋内設置が難しい場合に導入されています。

屋外型は防水・防塵性能を高めた製品が多く、雨風にさらされる環境でも耐えられる設計です。それでも屋外に設置する分ダメージが蓄積しやすく、屋内型に比べるとメンテナンスの頻度は増える傾向があります。

4.2. 機能による分類

次に、機能によるパワコンの分類を見ていきましょう。

4.2.1. 単機能型

単機能型は、1台で1つの機器を管理するタイプのパワコンです。

太陽光発電システムと蓄電池の併用で単機能型を設置する場合、太陽光パネルと蓄電池にそれぞれ1台ずつのパワコンが必要となります。単機能型を検討する際には、2台分の設置スペースを確保できるかを確認しておくことが大切です。

4.2.2. ハイブリッド型

ハイブリッド型は、1台で太陽光発電システムと蓄電池を制御できる一体型のパワコンです。

単機能型では、太陽光発電システムで発電した直流の電気を交流に変換し、蓄電池に貯める際には再度直流に変えなければなりません。一方、ハイブリッド型では発電した電気を直流のまま蓄電池に貯められるため、変換ロスが少なくなります。

また、高性能な製品が多く、発電した電気を家庭内で使うまでのエネルギーの損失も少ないので、電気を効率よく活用できます。

4.2.3. V2H/EV対応型

V2H/EV対応型とは、太陽光発電システムとV2Hを連携させるパワコンです。

V2Hとは「Vehicle to Home」の略称で、電気自動車(EV)に貯めた電気を家庭で使えるようにする仕組みを指します。例えば、太陽光発電システムで発電した電気を電気自動車に充電したり、電気自動車に一旦充電した電気を家庭内で使用したりできます。

太陽光発電システムと電気自動車で電気を有効活用したい方は、V2H/EV対応型の導入を検討しましょう。

5 パワーコンディショナ導入時に確認したいポイント

パワコンは単体で選ぶものではなく、太陽光発電システムや蓄電池を導入する際に設置されるのが一般的です。パワコンも太陽光パネルや蓄電池と同様に製品によって性能や機能が異なるため、選び方のポイントを知っておくと安心です。

ここでは、パワコンの導入時に確認したい9つのポイントを紹介します。

5.1. 電力変換効率

電力変換効率とは、太陽光発電システムで発電した電力を直流から交流に変換する際の効率を示す数値です。数値が大きいほどエネルギーロスが少なく、家庭内で使える電力や売電収入が増えやすくなります。

住宅用のパワコンでは、変換効率95%が一般的です。そのため、導入時には検討中の製品が一般的な変換効率を上回っているかを確認しておきましょう。

5.2. 最大定格出力

最大定格出力とは、パワコンで変換・供給できる電力の最大値を指します。太陽光パネルの出力容量がパワコンの最大定格出力を超えると、発電した電気を直流から交流に変換できなくなります。

家庭で電気を使うためには、太陽光発電システムの出力に見合った製品を選ぶことが大切です。

5.3. 対応システムの種類

パワコンには、対応システムの数や種類に応じて以下のようにさまざまなタイプがあります。

  • 単機能型
  • ハイブリッド型
  • V2H/EV対応型

太陽光発電システムだけを導入する場合は、単機能型で十分です。しかし、将来的に蓄電池の追加予定がある場合は、1台で太陽光発電システムと蓄電池を制御できるハイブリッド型を設置する選択肢もあります。

理想とする電気の使い方を実現するためにも、現在使いたいシステムや将来的に導入予定のシステムに合わせて製品を選びましょう。

5.4. 安全機能のチェック

パワコンを選ぶ際は、安全機能の確認も重要です。パワコンは、家庭で安心して電気が利用できるようにするために設計されています。過電流や過電圧など異常を検知すると、自動で停止する保護機能を備えています。代表的な安全機能は以下のとおりです。

  • 漏電遮断機能(漏電ブレーカー連携)
    漏電を検出した際に回路を遮断し、感電や火災を防ぎます。
  • 絶縁監視機能
    絶縁不良を検知し、システムの安全性を確保します。
  • 雷サージ対策
    落雷による過電圧から機器を保護し、故障リスクを低減します。
  • 温度異常検知機能
    パワコン内部の温度が異常に上昇した場合、動作を停止して火災を防ぎます。

家庭用のパワコンには、これらの安全機能が標準的に搭載されています。一方で、雷サージ対策の強度や遠隔監視機能の有無など、機能の種類やレベルは製品によって異なるため、導入時には仕様を確認しておくと安心です。

5.5. 設置場所・条件

パワコンを導入する際には、屋内と屋外のどちらに設置するかを考える必要があります。

屋内に設置する場合は設置スペースも確認したうえで、生活に支障のないサイズの製品を選ぶことが大切です。一方で屋外に設置する場合は、設置スペースに加え、防水・防塵機能も確認する必要があります。

また、ケーブルが長いほど電気のロスが増えるため、配線の距離も考慮し、自宅に最適な製品を選びましょう。

5.6. 運転音の大きさ

パワコンの運転音は、一般的に30〜40デシベル程度で、静かな会話や図書館の環境に近いレベルです。ただし、製品によって音の大きさは異なるため、静音設計かどうかを確認しましょう。

また、運転音が小さい製品でも、寝室の近くなどに設置すると気になる場合があります。トラブルを避けるため、設置場所も慎重に検討することが大切です。

5.7. 保証年数・内容

パワコンの保証年数や内容は、メーカーによって異なります。

無償で保証延長が受けられるメーカーであれば、機器が故障した際の負担を長期的に軽減できるでしょう。また、メーカーによっては自然災害保証が付いており、落雷や飛来物によるトラブルに無償で対応してもらえるケースもあります。

パワコンを長期的に使用するためにも、各社の保証期間や保証内容を比較しましょう。

5.8. 非常時の自立運転機能

非常時に備えるなら、「自立運転機能」が搭載されたパワコンを選ぶのがおすすめです。

自立運転機能があれば、停電時に自立運転モードに切り替えると、太陽光発電システムの一部の電力を家庭内で使えるようになります。さらに、蓄電池を併用して太陽光発電システムで発電した電気を貯めておけば、非常時に使える電力量をより多く確保できます。

防災対策を強化したい場合は、自立運転機能が搭載された製品の導入を検討しましょう。

5.9. 出力制御への対応

パワコンの導入時には、将来の出力制御への対応も視野に入れておきましょう。

出力制御とは、電力の需給バランスを保つために、太陽光発電などの発電量を一時的に抑える仕組みです。
電力は基本的に貯めておくことができないため、発電量と消費量が常に一致するように、需給バランスが調整されています。しかし、太陽光発電は天候によって、発電量が大きく変動するため、晴天時には需要を超える発電をすることで、電力系統の周波数を乱すなど、電力の品質を低下させる恐れがあります。こうした事態を防ぐために、状況に応じて、出力を一時的に制限されることがあります。

現在、一般的な住宅用太陽光発電システム(10kW未満)は出力制御の対象外ですが、将来的に対象となる可能性があります。そのため、出力制御への対応ができるパワコンを選んでおくと安心です。

6 パワーコンディショナの費用相場

経済産業省の資料によると、新築住宅で太陽光発電システムを導入する場合、パワコンの2024年の相場は1kWあたり5万円です。一般的な住宅用太陽光発電システムの容量は3〜5kWが多いため、15〜25万円程度の費用がかかると想定されます。

また、パワコンの交換費用は42.3万円が相場です。故障に備えて計画的に交換費用を準備しておく必要があります。

7 パワーコンディショナの寿命と交換目安

パワコンは、設置してから永続的に使えるものではなく、いずれ交換が必要になります。ここでは、パワコンの寿命の目安や交換時期のサイン、交換を怠った場合のリスクを解説します。

7.1. 寿命の目安

パワコンの寿命は機種や使用環境によって異なりますが、一般的に10〜15年程度です。これに対し、太陽光パネルの法定耐用年数は17年ですが、実際には20〜30年程度稼働できる場合も多く、そのため、パワコンの方が比較的早めに交換が必要な機器といえるでしょう。

寿命が短くなる主な原因には、半導体や電子部品の劣化、内部の可動部分の摩耗などがあります。パワコンは常時稼働しているため、経年劣化が進みやすいことを理解しておきましょう。

7.2. 交換時期のサイン

パワコンが劣化し寿命が近づくと、以下のような症状が見られることがあります。

  • 異音
  • 発電量の低下
  • 頻繁なエラー表示
  • 運転停止

運転時に音が出るのは正常ですが、これまでに聞いたことがない異音がする場合は故障の可能性があります。

発電量の低下は、太陽光パネルの汚れや故障が原因かもしれません。しかし、パワコンの劣化により変換効率が低下している可能性も考えられます。

エラー表示は一時的なものであれば問題ありませんが、頻発する場合は不具合の可能性を疑いましょう。また、運転が停止してしまう場合は寿命が近く、交換時期に入っている可能性が高いです。

7.3. 交換しないリスク

パワコンが寿命を迎えても交換しない場合、以下のようなリスクがあります。

  • 電気の変換効率の低下で、自家消費や売電量が減少する
  • 停止期間中は売電収入が得られない
  • 火災が発生する可能性がある

寿命を迎えたパワコンは変換効率が低下するため、家庭内で使える電気が少なくなります。発電量の減少により売電量も減り、パワコンが不調で運転停止していると売電収入を得られません。

また、故障したまま使い続けると内部が過熱し、火災につながる恐れもあります。発電した電気を活用できないだけでなく、安全上のリスクがあるため、早めの修理や交換が重要です。

8 まとめ

パワコンは、太陽光発電システムで発電した電気を家庭内で使えるようにするために欠かせない機器ですが、運用コストの負担は決して小さくないため、いずれ来る交換時期に備えたい方は、サポートサービスの活用がおすすめです。

中部電力ミライズの「太陽光長期稼働サポートサービス」では、パワコンの交換費用に充てられる30万円を一括で受け取れます。また、パワコンの交換前におこなう太陽光発電システムの点検も実質無料(注)です。

パワコンも含め、太陽光発電システムを長く安心して使いたい方は、ぜひお問い合わせください。

  • (注)点検費用相当額(49,500円)は点検実施前にお支払いいただきますが、パワコン交換・修理費用の請求額から差し引いて請求させていただくため、点検費用は実質無料となります。
    ただし、長期稼働サポートサービスに加入しない場合は、点検費用をお返ししないため、点検費用は有償となります。

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