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【種類別】換気扇の電気代はいくら?
ここでは、家庭に一般的に設置されている5種類の換気扇について、電気代を比較して紹介します。
キッチンの換気扇(レンジフードなし)を24時間つけっぱなしにすると、電気代は約19.2円です。レンジフード付きの換気扇を「強」で使用した場合は約21.6円で、レンジフードなしの換気扇とほぼ同じ電気代となります。
トイレの換気扇は消費電力が低いため、24時間稼働で約2.4円と、表の中ではもっとも電気代が安くなっています。
お風呂の換気扇を「排・急速」モードで24時間使用した場合の電気代は、約4.8円です。ただし、日常的な使用では消費電力の低い通常運転モードを併用することが想定されるため、実際の電気代はより抑えられるでしょう。
また、24時間換気システム(8畳用/第1種換気)は、1日使用すると約4.8円の電気代がかかります。
一般的に、戸建ての24時間換気システムの設置数は8畳用4個と6畳用2個の計6個が目安とされています。そのため、1個あたりの電気代は表のとおりとなりますが、実際の電気代は家庭ごとの設置数や使用状況によって異なる点に注意が必要です。
なお、以下の記事では、世帯・季節・地域別の電気代平均額を紹介しています。ご家庭の電気料金が適切かどうか判断する参考になりますので、ぜひあわせてご覧ください。
電気まるわかり通信「わが家の電気代は高い?世帯・季節・地域別の平均額、原因と節約ポイント」
- ※参考:
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換気扇をつけっぱなしにするメリット
2003年7月1日に施行された建築基準法の改正(※)で、機械換気設備の設置が義務付けられたことにより、換気扇を常時稼働させている家庭が増えています。
ここでは、換気扇をつけっぱなしにすることで得られる4つのメリットを紹介します。
- ※参考:国土交通省 改正建築基準法
2.1. 空気の入れ替えができる
換気扇を常時稼働させると、室内や浴室の空気を入れ替えられます。窓を開けずに換気できるため、寒い季節や雨の日に便利です。
新鮮な外気を取り込むことで室内の空気が滞ることを防ぎ、快適な生活環境を保てます。
2.2. カビや結露を予防できる
換気することで室内の湿気を排出し、カビや結露の発生を予防できます。特に、浴室やキッチンなどの湿気がこもりやすい場所では、換気扇をつけっぱなしにすることで湿度調整が可能です。
また、湿気による結露を防ぐことで窓やサッシの腐食を防ぎ、建物の寿命を延ばすことにも繋がります。
2.3. においを抑えられる
料理や生活臭など、室内にこもりがちなにおいを抑えるためにも、換気扇は有効です。
具体的には、キッチンの換気扇を稼働させて、調理中に発生する油のにおいや煙を外に逃がすことで、部屋中ににおいが広がるのを防げます。また、トイレや浴室でも、換気扇を使用することで生活臭を軽減でき、清潔感を保てます。
2.4. シックハウス症候群を予防できる
シックハウス症候群とは、建具や家具に含まれる化学物質が原因で引き起こされる健康問題です。有害な化学物質が室内にこもると、頭痛やめまい、のどの痛みなどの症状を引き起こす可能性があります。
換気扇を常時稼働させることで室内の空気を新鮮に保てるため、シックハウス症候群の予防に効果的です。24時間換気システムがない住宅では、建物内の換気扇すべてを常時稼働させると、同様の効果が期待できます。
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換気扇をつけっぱなしにするデメリット
換気扇をつけっぱなしにすることで得られるメリットがある一方で、電気代がかかることをはじめとしたいくつかのデメリットも存在します。
ここでは、換気扇を常時稼働させることで生じる4つのデメリットについて説明します。
3.1. 音が気になる場合がある
換気扇の運転中は音が発生します。
例えば、キッチンの換気扇を強力なモードで稼働させると、比較的大きな音が発生することがあります。キッチンの近くでテレビを視聴したり、電話したりする際には、換気扇の音が気になる場合もあるでしょう。
音の感じ方には個人差がありますが、静かな環境を好む方にとっては、換気扇の音が不快に感じられる可能性があります。
3.2. 冷暖房の効率が下がる
換気扇をつけっぱなしにしながらエアコンを使用すると、冷暖房の効率が低下することがあります。これは、換気扇が室内の空気を入れ替える際に、エアコンで調整された温度の空気も一緒に外に逃がしてしまうためです。
設定温度を維持するためにエアコンが余分な電力を消費すれば、電気代の増加にも繋がってしまいます。
以下の記事では、エアコンの冷房・暖房にかかる電気代の目安と節電のコツを紹介しています。エアコンを効率的に使用したいとお考えの方は、あわせてご覧ください。
電気まるわかり通信「エアコンの冷房・暖房にかかる電気代の目安とおすすめの節電方法を解説」
3.3. 掃除の回数が増える
換気扇をつけっぱなしにすることで、フィルターやファンにほこりや汚れがつきやすくなります。
特にキッチンでは、調理中に発生した油や煙がフィルターやファンに付着し、油汚れが蓄積しやすいため、定期的な掃除が必要です。
掃除を怠ると換気扇の性能が低下し、必要以上に電気代がかかる原因にもなります。
3.4. 電気代がかかる
換気扇をつけっぱなしにすると、短時間使用した場合と比較して電気代がかかります。
ただし、換気扇の電気代はほかの家電製品と比べると比較的低く、適切に使用すれば、かかる電気代に見合ったメリットが得られます。
換気扇の種類や使用する状況、電気料金プランなどを家庭の状況に合わせて選択することで、電気代と快適性のバランスを取って使用できるでしょう。
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換気扇の電気代を節約するポイント
ここでは、換気扇の電気代を節約するポイントを5つ紹介します。以下の内容を参考に、無駄な電気代を抑えつつ、快適な室内環境をつくりましょう。
4.1. 換気する際は閉め切りにする
換気する際は、換気したい場所を閉め切ると、外気の影響を受けずに効率的に空気を入れ替えられます。
例えば、浴室の扉を開けたままにすると、湿気が部屋全体に広がってしまい、換気に時間がかかります。閉め切ることで空気の流れが制限され、換気扇がより効率的に機能するため、電気代の節約に繋がります。
なお、以下の記事では、換気しながらエアコンの暖房を効率よく利用する方法を紹介しています。暖まりつつ、感染症予防対策の一環として換気もしたいとお考えの方は、ぜひご覧ください
カテエネ研究所「換気しながら、暖かい部屋で過ごしたい!この冬、効率の良い暖房活用法って?」
4.2. 定期的に換気扇の掃除をする
換気扇の性能を維持するためには、定期的な掃除が欠かせません。特に、レンジフードやキッチンの換気扇は油汚れが付着しやすいため、月に一度の掃除をおすすめします。
掃除の際は、フィルターを外して柔らかい布やスポンジで拭きます。汚れが落ちにくいときは、中性洗剤を浸したスポンジでやさしく拭き取りましょう。このとき、洗剤が残らないよう、しっかり洗い流す必要があります。
定期的に掃除することで換気扇の本来の性能が発揮され、余分な電力消費を防げます。
4.3. エアコン使用時は換気扇を「弱」にする
エアコンと換気扇を同時に使用する場合、換気扇の設定を「弱」にすることで電気代を節約できます。これは、換気扇が強力に稼働すると、エアコンで調整された空気が外に排出されてしまい、エアコンの運転効率が低下するためです。
換気扇を「弱」にすることで、必要最小限の換気をしながらエアコンの効率を維持し、家庭全体の電気代を抑えられます。
4.4. 最新の換気扇にする
古い換気扇は、最新のモデルと比較して消費電力が大きい傾向にあります。使用年数が長い換気扇は本来の性能を発揮できていない可能性もあるため、最新の換気扇への交換を検討しましょう。
特に、レンジフードの最新モデルは、より手入れしやすい形となっていたり、コンロの点火と連動して運転を開始したりと、使い勝手のよさが向上しているのも魅力です。
4.5. 電力会社や電気料金プランを見直す
電力会社や電気料金プランの見直しも、電気代を節約するために重要です。特に、長期間同じプランを利用している場合、見直すことで電気代をより節約できる可能性があります。
例えば、「【種類別】換気扇の電気代はいくら?」で紹介したお風呂の換気扇を24時間使用した場合の電気代は約4.8円ですが、中部電力ミライズの「おとくプラン」を利用すると約2.4円(注)となります。
中部電力ミライズに切り替えた場合の電気料金が気になる方は、以下でシミュレーション可能です。
中部電力ミライズ「電気プラン」
また、電気代を節約するためには、まず家庭全体で使用している電気使用量や電気代を把握することも大切です。中部電力ミライズが提供する「カテエネ」を利用すると、電気の使用量を見える化でき、省エネ意識の高まりや節約の習慣化が期待できます。
自分に合った電力会社や電気料金プランを選ぶことで、換気扇だけでなく、家全体の電気代を効果的に節約できるでしょう。
- (注)中部電力ミライズのおとくプランにおいて、最初の120kWhまで21.20円 /1kWhで計算した場合。