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くらしに役立つコラム

2024.8.20 VOL.03

エアコンの冷房・暖房にかかる電気代の目安とおすすめの節電方法を解説エアコンの冷房・暖房にかかる電気代の目安とおすすめの節電方法を解説

エアコンの冷房・暖房に
かかる電気代の目安と
おすすめの節電方法を解説

暑さや寒さを和らげてくれるエアコンは、室内で快適に過ごすために欠かせないものですが、使いすぎると電気代が気になるところです。

エアコンの電気代は、消費電力・部屋の広さ・使用時間などによって変化し、設定温度や使い方、電気料金プランなどを工夫することで節電できます。

この記事では、エアコンの電気代を抑えたい方向けに、エアコンのしくみや冷房・暖房にかかる電気代の目安、おすすめの節電方法をご紹介します。

1 エアコンのしくみを知っておこう

エアコンの電気代や節約のコツを知るために、まずはエアコンのしくみを理解しておきましょう。

ここでは、冷房・除湿・暖房のそれぞれのしくみと、冷房・暖房にかかる電気代の目安を解説します。

冷房

エアコンは、「ヒートポンプ」と呼ばれる機能を使って室内と室外の空気を交換し、部屋の温度を調整するというものです。

通常、エアコンは室内機と室外機のセットで構成されており、2つを繋ぐパイプの中には「冷媒」という物質が循環しています。

熱は温度の高い場所から低い場所へ移動する性質があり、冷房の場合、この性質を利用して室内機にある熱交換器で熱を冷媒と結びつけ、エアコンの室外機に運び出します。これにより、部屋の空気の熱が屋外に放出され、室内が涼しく保たれます。

エアコンの冷房を1時間・1ヶ月使用した場合の電気代

部屋の広さ
(冷房能力 ※1)
消費電力の平均値 1時間あたりの電気代※2 1ヶ月の電気代※3
6畳(2.2kW) 0.502kW 約15.56円 約4,201.2円
8畳(2.5kW) 0.584kW 約18.10円 約4,887.0円
10畳(2.8kW) 0.652kW 約20.21円 約5,456.7円
12畳(3.6kW) 1.045kW 約32.39円 約8,745.3円
14畳(4.0kW) 1.125kW 約34.87円 約9,414.9円
18畳(5.6kW) 1.869kW 約57.93円 約15,641.1円
  • ※1:外気温35℃、室内温度27℃の場合に、室内の空気から除去する単位時間あたりの熱量
  • ※2:消費電力×1時間×電力料金単価(31円/kWh)を乗じて算出。電力料金単価は、公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会による、令和4年7月22日改定内容に基づく
  • ※3:1ヶ月を30日とし、1日あたり9時間使用した場合

除湿

エアコンの除湿(ドライ)とは、熱交換器を利用して空気中の水分を集めて外へ排出し、乾燥した空気を再び室内に戻すことで湿度を下げる機能です。

冷房と除湿の違いは、冷房の目的が室温を下げることであるのに対し、除湿は湿度を下げることを主な目的としている点です。

除湿には以下の2種類があり、どちらも空気中の水分を取り除きますが、室温の変化の仕方や電気代が異なります。

  • 弱冷房除湿:弱めの冷房運転で温度を少し下げながら除湿
  • 再熱除湿:空気を冷やして湿気を取り除いたあと、適温に再加熱して室内に戻す

弱冷房除湿は比較的消費電力が少なく、経済的です。再熱除湿は快適さを維持しやすいものの、空気を再加熱するため、冷房や弱冷房除湿よりも電気代が高くなる傾向があります。

そのため、快適さを重視するか、電気代を節約するかに応じて、冷房と除湿を使い分けることが重要です。

なお、これらの除湿機能はエアコンの機種によって搭載されているかが異なります。今使っているエアコンがどちらなのかは、取り扱い説明書を確認してみましょう。

暖房

暖房は冷房とは逆に、外気の熱を室内に取り込むことで室温を上昇させる機能です。

まず、室内機の熱交換器が冷たい空気を、冷媒を介して室外機に送り出します。次に、室外機の熱交換器が外気の熱を集め、冷媒を循環させる装置である「圧縮機」でその熱を高温にします。高温になった空気は冷媒を介して室内機に戻され、暖風として部屋をあたためます。

一般的に、時間あたりの消費電力や電気代自体は、暖房よりも冷房利用時の方がやや高めですが、年間を通した電気代は暖房の方が高い傾向があります。

これは、夏よりも冬のほうが設定温度と外気温の温度差が大きくなりやすいことと、使用期間の目安が暖房のほうが1ヶ月ほど長いためです。

冷房・暖房使用時の外気・室内温度の差、試用期間の目安

  外気温度 室内温度 温度差 使用期間の目安
冷房 35℃ 27℃ 8℃ 5月23日~10月4日の134日間
暖房 7℃ 20℃ 13℃ 11月8日~4月16日の159日間

ただし、消費電力や電気代は、エアコンのメーカーや製品、使用する地域の気候などの諸条件によっても異なるため、詳細はご使用のエアコンの製品本体や取扱説明書、メーカーの公式ホームページなどで確認することをおすすめします。

エアコンの暖房の1時間・1ヶ月あたりの電気代

部屋の広さ
(暖房標準能力 ※1)
消費電力の平均値 1時間あたりの電気代※2 1ヶ月の電気代※3
6畳(2.4kW) 0.485kW 約15.03円 約3,156.3円
8畳(2.8kW) 0.575kW 約17.82円 約3,742.2円
10畳(3.6kW) 0.796kW 約24.67円 約5,180.7円
12畳(4.2kW) 1.021kW 約31.65円 約6,646.5円
14畳(5.1kW) 1.265kW 約39.21円 約8,234.1円
18畳(6.7kW) 1.767kW 約54.77円 約11,501.7円
  • ※1:外気温が7℃、室内温度が20℃の場合に、室内の空気に加える単位時間あたりの熱量
  • ※2:消費電力×1時間×電力料金単価(31円/kWh)を乗じて算出。電力料金単価は、公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会による令和4年7月22日改定内容に基づく
  • ※3:1ヶ月を30日とし、1日あたり7時間使用した場合

2 エアコンの電気代はどうやって決まる?

エアコンの電気代は、以下の計算式で求められます。

電気代=消費電力(kW) × 使用時間(時間) × 電力料金目安単価(円/kWh)

「1kW=1,000W」であるため、消費電力が(W)で記載されている場合は、(W)の数値を1,000で割ると(kW)に換算できます。

電力料金目安単価とは、1時間あたりの電気料金の目安です。金額は、公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会の令和4年7月22日改定内容によると、「冷房時・暖房時共通で31円/kWh(税込)」とされています。

例えば、10畳用のエアコン(消費電力の平均値(*)は0.652kW)を1時間使用する場合、計算式は次のようになります。(*出典:経済産業省 資源エネルギー庁 省エネ性能カタログ 2023年版

電気代=0.652(kW) × 1(時間) × 31(円/kWh)=約20.21円

1ヶ月を30日とし、1日9時間使用した場合、電気代は1ヶ月あたり約5,456.7円と計算できます。

3 エアコンの設定温度を低く・高くしすぎずに快適に過ごすには?

エアコンは室内外の温度差を小さくすることで、少ないエネルギーで効率的に冷暖房をおこなえるため、省エネ効果が期待できます。

具体的には、エアコンの設定温度を夏は高め(28℃程度)に設定し、冬は低め(20℃程度)にすることで節電できます。

ここでは、エアコンの設定温度を適切に保ちながら快適に過ごすための具体的な方法を、梅雨前から初秋の時期と、晩秋から冬のシーズンごとに解説します。

梅雨前~初秋(除湿・冷房)

梅雨前から初秋にかけて、除湿・冷房を使用する際には、次のポイントを意識すると良いでしょう。

  • サーキュレーターや扇風機を併用する
  • 窓からの熱を避ける
  • 遮光カーテンを使用する
  • 除湿機を併用する
  • 帰宅時間に合わせてタイマーを設定する

サーキュレーターや扇風機をエアコンと併用することで、冷気が部屋全体に広がり、エアコンの設定温度を上げても快適に過ごせるようになります。扇風機は直接体に当てるのではなく、反対側の壁に向けて使うことがポイントです。

また、窓からの熱が入ると冷房効率が悪くなるため、遮光カーテンなどで直射日光を防ぐと効果的です。湿度が高いと快適さが損なわれることから、除湿器を併用することもおすすめです。

帰宅してすぐに蒸し暑い室内を冷やすには「冷房」が効果的ですが、エアコンは起動時に多くの電力を消費し、冷房の設定温度が低いほど運転効率が悪くなります。帰宅後すぐに快適に過ごすには、帰宅時間に合わせてタイマーを設定して外出することも一つの方法です。

カテエネ研究所「第4回:エアコンは朝からつけっぱなしがいい?それとも部屋が暑くなるまでガマンする?」
カテエネ研究所「エアコン・冷房vs除湿」

晩秋~春先(暖房)

晩秋から春先にかけての暖房使用時のポイントは、以下のとおりです。

  • 暖房使用時もサーキュレーターを活用する
  • 複数の部屋で暖房を使うよりも一つの部屋に集まる
  • 隙間を塞ぐ
  • 加湿器を併用する

エアコンとサーキュレーターを併用し、部屋の暖かい空気を循環させることで、暖房効率が向上します。

複数の部屋で暖房を使うと電気代が高くなるため、可能であれば一つの部屋に集まって過ごすこともおすすめです。また、室内の人数が増えると、体からの発熱の相乗効果で室温が上がるため、エアコンの消費電力を低減できる可能性もあります。

窓からの冷気を防ぐためには、カーテンや窓周りの隙間を埋めるテープや断熱シートなどを活用し、暖房効率を高めると良いでしょう。

ほかにも、加湿器を利用することで体感温度が上昇し、エアコンの設定温度を下げても快適に過ごしやすくなります。

カテエネ研究所「エアコン・暖房」

4 エアコンの節電をするには?

エアコンの電気代を抑えるためには、節電をすることが大切です。ここでは、具体的な節電方法を6つご紹介します。

自動運転を活用しよう

エアコンの電気代を節約するために、手動で「微風」や「弱風」に切り替えているという方も多いでしょう。しかし、冷房時の風量設定は自動運転を活用したほうが効率的です。

自動運転の場合、部屋が冷えるまでは強風、その後は微風に自動で切り替わり、もっとも効率的かつ快適に冷えるよう風量が調整されます。

エアコンは、始動時や部屋を冷やす際に多くの電力が消費されて電気代が高くなります。微風や弱風では部屋がなかなか冷えず、結果的に余分な電力を使うことになるため、実は強風のほうが電気代を節約できます。

また、自動運転に設定すると、エアコンが室温に合わせて最適な風量で運転してくれるため、手動で風量を調整する手間もかからず、取り入れやすいでしょう。

エアコンをつけっぱなしにするほうが節電になることも

エアコンの電気代が高くならないよう、こまめに「運転・停止」をおこなっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。状況によっては、エアコンは連続して運転させるほうが節電に繋がる場合もあります。

長時間留守にする場合は消すほうが良いですが、短時間の場合はエアコンをつけっぱなしにするほうが、温度効率が良くなります。エアコンは始動時にもっとも電力が消費されるため、短時間で頻繁にオン・オフするよりも、連続運転させるほうが電気代を節約できるためです。

具体的には、数分や30分から1時間程度の外出時は、つけっぱなしにしておくほうが電気代を抑えられます。ただし、3時間や半日など長時間外出する場合は、エアコンを消したほうが節電になります。

フィルターや室外機を掃除する

エアコンの室内機のフィルターや室外機を定期的に掃除するだけでも、電気代を節約することができます。目安は、2週間に1度程度です。

フィルターはエアコンが吸い込んだ空気中のホコリやゴミをキャッチし、目詰まりすると空気の吸引が悪くなり、エアコンの効率が低下し、結果として電気代が高くなってしまいます。また、室外機の内部が汚れると、熱交換器がスムーズに作動せず、冷暖房効果が低下します。

エアコンの取扱説明書やメーカーの公式サイトを参考に、定期的に清掃し、余分な電力の発生を防ぎましょう。

カテエネ研究所「エアコン・掃除 」

室外機に直射日光が当たらないようにする

室外機には日除けを設置するか、日陰に設置するなどし、直射日光が当たらないようにすることも重要です。室外機は部屋の中の熱を外に放出する際に多くの電力を使用するため、室外機自体が高温になると、電気代が上昇しやすくなります。

特に夏場は、室外機が直射日光や地面からの反射光にさらされて周辺が高温になり、熱を効率的に放出することが難しくなります。これにより、余分な電力を消費する恐れがあります。

室外機の設置場所は直射日光が当たらないようにするか、日陰を作る工夫が重要です。例えば、植木やサンシェードなどを設置して日陰を作ることで、室外機の周囲の温度を下げ、電気代を節約することができます。

ただし、日除けを設置する際には、室外機の吹出口をふさがないよう注意が必要です。

省エネエアコンに買い換える

新しいエアコンには省エネタイプが増えており、より効率的に電気代を節約することが可能です。そのため、長期的な視野で考えると、古いエアコンの買い替えを検討することも一つの節約方法です。

エアコンの最新機種の消費電力量は、13年前の機種と比較して約15%も削減できるとされています。

日々の電気代の節約効果が高く、買い替え費用を差し引いても総合的に節約に繋がることがあるため、一度検討してみると良いでしょう。

カテエネ研究所「エアコンの買い換え効果」

電気料金プランを変更する

エアコンの電気代を節約するためには、まずは日々の電気の使い方や使用量を把握することが大切です。そのうえで、必要に応じて電気料金プランを見直すこともおすすめです。

特に、暑がり・寒がりな方ほどエアコンを長時間使用する傾向があるため、電気料金プランの見直しによって節約に繋がりやすくなります。

中部電力ミライズでは、一人ひとりのライフスタイルに合った電気料金プランを選択できます。例えば、一人暮らしであれば「ポイントプラン」、エアコンを複数台使用するご家族であれば「おとくプラン」がおすすめです。

中部電力ミライズの電気料金メニュー|個人のお客さま

また、日本の夏の猛暑日が増えていることから、これまでよりもエアコンの使用時間が長くなってきた方や、設定温度を下げている方も多いでしょう。そういった方々もプランの見直しを検討することで、電気代の節約に繋がります。

中部電力ミライズが提供する家庭向けWEBサービス「カテエネ」では、ご家庭の電気料金やガス料金、使用量をウェブで確認できます。電気の使用状況がグラフ化されており、似たような家庭と比較できたり、家電ごとの使用量を確認できたりするため、省エネ意識を高められます。

カテエネの電気使用量のグラフ

また、中部電力ミライズの公式LINEアカウントと連携することで、電気の使用量や電気料金をトーク上で気軽にチェックできます。

LINEで料金などをお知らせ!!
カテエネでできること

5 まとめ

エアコンの一般的な電気代は、10畳の部屋の場合、1ヶ月の使用で冷房が約5,456.7円(1日9時間使用した場合)、暖房は5,180.7円(1日7時間使用した場合)ほどが目安です。

エアコンの電気代の節約方法として、次のような工夫があげられます。

  • 自動運転を活用する
  • 短時間で頻繁にオン・オフするよりは、連続運転の方が節電になることも
  • フィルターや室外機を掃除する
  • 室外機に直射日光が当たらないようにする
  • 省エネエアコンに買い換える
  • 電気料金プランを変更する

さらに、電気料金を節約する方法として、カテエネではポイント制度をご利用いただけます。電気のご使用実績やコラムをチェックすることでポイントがたまり、たまったポイントは電気料金のお支払いにも活用できます。

電気は毎日使うものですので、おトクに使えるカテエネをぜひご活用ください。

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