防災を知ろう! 防災コラム

公開日:2026.10.30

大雨対策は何をすればいい?今すぐできる備えと警戒レベル別の行動

大雨対策は、自宅周辺の災害リスクや避難先、備蓄の状況を確認することから始めましょう。2026年8月には千葉県で記録的な豪雨が発生し、9月には名古屋市でも観測史上1位となる1時間104.5mmの猛烈な雨を記録しました。大雨は身近な地域でも起こり得るため、雨が強まる前から備えておくことが大切です。

中部電力ミライズが2026年にカテエネ会員3,889人に実施した調査では、食料・飲料水を「十分に準備している」と答えた人は8.87%、防災グッズは6.48%でした。何から手をつければよいかわからず、十分に備えられていない場合でも、できることから少しずつ進めていきましょう。

本記事では、大雨で想定される被害や危険度の確認方法を解説したうえで、「普段の備え」「大雨が予想されるとき」「被害が出たとき」の3つのタイミングに分けて、家庭でできる対策を紹介します。

(注)本記事の体験談は、カテエネ防災コラム編集部が2026年9月に募集した台風に関するアンケートから、大雨や停電・断水など本記事に関連する回答を抜粋したものです。趣旨を変えない範囲で表現を整えています。

■カテエネ防災コラム編集部

中部電力ミライズがお届けする「カテエネ防災コラム」。電気・ガスをはじめ、お客さまの暮らしに関わる多様なサービスを提供する中で、皆さまの「もしも」に備える防災サポートもおこなっています。「for 保存食ローリングストックプラン」の展開や、「TSUNAGU STORE(ミライズコネクト運営)」「カテエネWEB商店」などのチャネルを通じた防災への取り組み、そしてお客さまから寄せられるリアルな声を大切にしながら、今日から実践できる有益な防災ノウハウを発信します。

1 極端な大雨の発生頻度は増加傾向にある

日本では、短時間に強い雨が降る回数が増えています。気象庁の「日本の気候変動2025」によると、1976~1985年と2015~2024年を比べた発生回数は、1時間降水量50mm以上で約1.5倍、80mm以上で約1.7倍になっています。

出典:気象庁 | 大雨や猛暑日など(極端現象)のこれまでの変化-全国(アメダス)の1時間降水量50mm以上、80mm以上、100mm以上の年間発生回数

こうした傾向を踏まえると、大雨への備えはますます重要になっているといえます。自宅周辺の災害リスクを確認し、大雨の予報が出る前に準備しておきましょう。

2 大雨で想定される被害

大雨では、浸水・土砂災害だけでなく、停電や断水が起こることもあります。自宅に直接被害がなくても、買い物や通勤・通学に影響する場合があります。ここでは、主な被害と、気をつけるべきことについて解説します。

浸水・冠水|川から離れていても浸水する

川から離れた場所でも、住宅や道路が水につかるおそれがあります。川の水があふれる「外水氾濫」のほか、下水道や側溝の排水が追いつかず、雨水があふれる「内水氾濫」があるためです。

低い土地やアンダーパス、地下・半地下は特に注意が必要です。住宅では、床下浸水でも泥の除去や乾燥が必要になる場合があります。床上まで水が入ると、家具や家電、床や壁にも被害が及び、普段どおりの生活が難しくなります。

また、浸水や冠水は、雨がやんだあとにも起こることがあります。上流で降った雨の影響で、下流の川が時間差で増水し、氾濫する場合があるためです。大雨が過ぎた後も、河川の水位や自治体の避難情報を引き続き確認しましょう。

写真:大雨から6日後も、田んぼと道路が冠水している様子(2026年9月27日、千葉県/カテエネ防災コラム編集部撮影)

■大雨の被害経験者の声

40代 男性
(京都府)

近くの河川が氾濫し、自宅付近まで避難区域になりました。自宅自体に被害はありませんでしたが、翌日、地下鉄の駅が水没していることがわかり、その後数週間は電車で通勤できませんでした。

土砂災害|前兆がないまま起きることもある

土砂災害は、前兆が見られる場合もあれば、前兆がないまま発生する場合もあります。斜面が崩れる「がけ崩れ」、土砂や石が水と一緒に流れる「土石流」、斜面の一部が滑り落ちる「地すべり」があり、いずれも命に関わる被害につながります。

次のような変化に気づいた場合は、すぐに斜面や沢から離れ、安全を確保してください。

  • ・斜面から水が噴き出す
  • ・がけから小石が落ちてくる
  • ・山鳴りや地鳴り、普段と違う土のにおいがする
  • ・沢や井戸の水が濁る

ただし、ここで紹介した前兆が見られなくても、土砂災害が発生する場合があります。また、前兆を確認してからでは避難が間に合わないこともあります。そのため、土砂災害の危険がある地域では、前兆の有無にかかわらず、気象情報や自治体の避難情報をもとに早めに避難しましょう。

停電|大雨で電気が止まる理由

大雨では、土砂崩れで電柱が倒れたり、電気設備が浸水したりして、停電することがあります。また、風が強まった場合は、倒木や飛来物による電線の損傷も停電の一因です。

マンションやビルでは、建物内の受変電設備が浸水した場合、その建物では停電が長引くこともあります。周辺で電気が復旧していても、建物側の設備に点検や修理が必要な場合は、すぐに電気を使えるとは限りません。

停電中は、照明や冷蔵庫、エアコンを使用できません。マンションでは給水ポンプやエレベーターも停止するため、断水や移動への影響にも注意が必要です。

断水|蛇口から水が出なくなる2つの理由

蛇口から水が出なくなる原因は、水道そのものが止まる場合と、建物側で給水ポンプが停止し、水を送れなくなる場合に分けられます。

原因 起こること
水道そのものが止まる 大雨で水源の濁りが強くなり、浄水処理が難しくなる場合や、水道施設・水道管が被害を受けた場合に断水する
建物側で水を送れなくなる 水道本管に水が来ていても、停電で給水ポンプ(貯水槽のポンプや増圧ポンプ)が止まり、各部屋に水を送れなくなる
原因水道そのものが止まる
起こること大雨で水源の濁りが強くなり、浄水処理が難しくなる場合や、水道施設・水道管が被害を受けた場合に断水する
原因建物側で水を送れなくなる
起こること水道本管に水が来ていても、停電で給水ポンプ(貯水槽のポンプや増圧ポンプ)が止まり、各部屋に水を送れなくなる

マンションでは、住戸自体が浸水していなくても、停電で給水ポンプが止まると水が出なくなることがあります。そのため、停電とあわせて断水にも備えておきましょう。

■大雨の被害経験者の声

40代 男性
(京都府)

夜から停電になり、マンションが貯水槽から電気で水をくみ上げて使用していたため、水も使えなくなってしまいました。予想外の出来事だったのでかなり困り、水ぐらいは用意しておけばよかったと思いました。

感染症|浸水後は衛生環境の悪化にも注意する

大雨の後は、浸水による衛生環境の悪化にも注意が必要です。厚生労働省は、災害時には感染症のリスクが高まり、被災した家屋の清掃中に感染するおそれもあると案内しています。

浸水した家の片付けでは、泥や汚水に直接触れないようにし、作業後は手を洗いましょう。避難所では、手洗いや咳エチケットを徹底し、周囲に感染を拡げない配慮も必要です。

参考:被災した家屋での感染症対策|厚生労働省

3 普段からやっておきたい大雨対策

大雨の予報が出る前に、自宅周辺の災害リスクや避難先を確認し、家の点検、備蓄、家族との話し合いを進めておきましょう。ここでは対策を7つに分けて紹介します。全部を一度に済ませる必要はありません。チェックリストでできていない備えを確認し、取り組みやすいものから進めましょう。

ハザードマップで自宅の浸水リスクを確認する

まず、自宅や職場、学校の周辺に浸水・土砂災害のリスクがあるかを確認しましょう。ハザードマップは、国土交通省の「ハザードマップポータルサイト」から、各自治体が公開するハザードマップを確認できます。川から離れた場所でも、内水氾濫の想定がないかを確認してください。

出典:重ねるハザードマップ(名古屋市周辺)

浸水が想定される場所では、ハザードマップの色分けが示す水の深さにも注目します。一般的な住宅では、0.5m程度が1階の床の高さ、3m程度が2階の床付近に相当します。

加えて、自宅で安全を確保できない場合に備え、避難先と、そこまでの経路・移動時間も調べておきます。指定緊急避難場所は災害の種類ごとに指定されているため、選んだ場所が洪水や土砂災害に対応しているかも確かめましょう。

■確認チェックリスト

  • 自宅・職場・学校の浸水想定区域と土砂災害警戒区域を確認した
  • 自治体の内水ハザードマップがある場合は、あわせて確認した
  • 洪水・土砂災害に対応した避難先を確認した
  • 避難経路と移動時間を確認し、川沿いや低い道を避けられるようにした

雨どい・側溝・排水溝を掃除しておく

雨水がスムーズに流れるよう、側溝やベランダ・駐車場の排水口を、安全に手が届く範囲で掃除しておきましょう。落ち葉や土砂が詰まっていると、水があふれて敷地内や室内に流れ込む原因になります。

雨どいや屋根、アンテナ、塀なども、地上から見える範囲で詰まりや破損、ぐらつきがないか確認します。屋根に上るなど危険を伴う作業は避け、高所の点検や修理は専門業者に相談してください。

掃除や点検は天候が穏やかなうちに済ませ、雨が強まったら作業を続けないでください。

■確認チェックリスト

  • 安全に手が届く範囲で、側溝やベランダ・駐車場の排水口の詰まりを取り除いた
  • 雨どいに詰まりや破損がないか、地上から見える範囲で確認した
  • 屋根・アンテナ・塀などの状態を、安全な場所から確認した
  • 自分で点検・修理が難しい箇所は、業者への相談を検討した

浸水を防ぐ道具を用意する(土のう・水のう・止水板)

玄関や勝手口からの浸水に備え、土のうや水のう、止水板などを用意しておきましょう。設置する場所と使い方も調べ、大雨が予想されたときに対応できるようにしておきます。

家にあるごみ袋と水で作れる「水のう」は、浅い浸水に対する応急対策に使えます。45L程度のごみ袋を二重にし、半分程度まで水を入れ、空気を抜いて口をしっかり結んで作ります。出入口に隙間なく並べたり、段ボール箱に入れて並べたりする方法があるため、袋や箱を用意し、作り方を覚えておきましょう。

土のうや市販の止水板も、自宅の出入口に合うものを選び、設置方法を確かめておきます。ただし、これらの道具ですべての浸水を防げるわけではありません。避難の準備もしておきましょう。

■確認チェックリスト

  • 水のう用のごみ袋や、土のう・止水板などを用意した
  • 道具の設置場所と使い方を確認した
  • 水のうや土のうを、無理なく運べるか確認した
  • 設置しても避難経路をふさがないことを確認した

トイレ・浴室・洗濯機の排水口の逆流対策を知っておく

大雨で下水道の排水が追いつかなくなると、トイレや浴室、洗濯機の排水口から下水が逆流することがあります。室内まで汚水があふれると、清掃や消毒にも手間がかかります。

逆流を抑えるには、便器の中や排水口の上に水のうを置く方法があります。前述の作り方を参考に、設置場所に合う大きさと置き方を確認しておきましょう。

また、大雨の際にトイレや排水口から「ポコポコ」と音がするときは、排水が流れにくくなっている可能性があります。逆流のおそれがあるため、こうしたときはトイレや浴室、洗濯機などの水の使用を控えることを、あらかじめ家族で共有しておきましょう。

■確認チェックリスト

  • トイレ・浴室・洗濯機の排水口の位置を確認した
  • 水のうを置く場所と方法を、家族で共有した
  • 「ポコポコ」と音がするときは、水の使用を控えると共有した
  • 便器に置いた水のうは使用前に取り除き、流さないと共有した
  • 逆流がおさまらない場合の相談先を確認した

防災グッズを揃える

停電・断水に備えるグッズは、「明かり」「情報」「熱源」「トイレ」の4つに分けて揃えます。電気や水が使えない場合も、明かりや情報を確保し、食事の準備やトイレの使用ができるように備えます。

用途 用意するもの 備え方のポイント
明かり 懐中電灯・LEDランタン 部屋数や使う場所に合わせて複数用意する
情報 モバイルバッテリー・充電ケーブル・電池式ラジオ・予備の乾電池 スマートフォンの充電と、ラジオでの情報収集に備える
熱源 カセットコンロ・対応するガスボンベ 停電中も食事を温めたり、お湯を沸かしたりできるようにする
トイレ 携帯トイレなど 断水などでトイレが使えなくなった場合に備え、家族の人数と備える日数に合わせて用意する
用途明かり
用意するもの懐中電灯・LEDランタン
備え方のポイント部屋数や使う場所に合わせて複数用意する
用途情報
用意するものモバイルバッテリー・充電ケーブル・電池式ラジオ・予備の乾電池
備え方のポイントスマートフォンの充電と、ラジオでの情報収集に備える
用途熱源
用意するものカセットコンロ・対応するガスボンベ
備え方のポイント停電中も食事を温めたり、お湯を沸かしたりできるようにする
用途トイレ
用意するもの携帯トイレなど
備え方のポイント断水などでトイレが使えなくなった場合に備え、家族の人数と備える日数に合わせて用意する

何から揃えるか迷う場合は、カテエネWEB商店の防災セットなども活用できます。常用薬や子ども用品を追加し、持ち出すものはすぐ取り出せる場所にまとめ、置き場所を家族で共有しておきましょう。

必要なグッズの詳細は、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:防災グッズに本当に必要なものは?持ち出し用・在宅避難用・持ち歩き用リスト

関連記事:非常持ち出し袋の中身は何を入れる?必要なものリストから重さの目安まで解説

■確認チェックリスト

  • 懐中電灯・LEDランタンを用意し、置き場所を家族で共有した
  • モバイルバッテリー・充電ケーブル・電池式ラジオと、予備の電池を用意した
  • カセットコンロと対応するカセットボンベを用意した
  • 携帯トイレなど、水を流さずに使える用品を家族分用意した
  • 持ち出し品に常用薬などを加え、すぐ取り出せる場所に置いた

水と食料は最低3日分、できれば1週間分を備蓄する

水と食料は、家族の人数に合わせて最低3日分、できれば1週間分を用意しましょう。大雨では、自宅が被害を受けなくても、停電や道路の通行止めで買い物や調理が難しくなることがあります。

水は、飲料用と調理用を合わせて1人1日おおよそ3Lが目安です。食料は常温保存できるものを中心に、加熱せずに食べられるものも揃えましょう。必要に応じて、食物アレルギーに対応した食品や乳幼児のミルク・離乳食など、家族に必要なものも忘れずに用意します。

備蓄したままでは、気づかないうちに賞味期限が切れていることもあります。期限の近いものから普段の食事で活用し、食べた分を買い足す「ローリングストック」で、備蓄を続けていきましょう。

保存食の買い足しを続けるのが負担な方は、年1回保存食が届く「for 保存食ローリングストックプラン」も活用できます。家族の人数と備える日数に合わせ、水や足りない食料を追加しておきましょう。

関連記事:ローリングストックにおすすめの非常食は?スーパーで揃う備蓄リストを解説

■確認チェックリスト

  • 飲用・調理用として、1人1日約3Lを目安に水を用意した
  • 最低3日分、できれば1週間分の食料を家族分用意した
  • 加熱しなくても食べられる食品と、家族に必要な食品を揃えた
  • 食品の期限を確認し、食べた分を買い足す方法を決めた

家族の連絡手段と、通勤・通学時のルールを決める

大雨で家族と連絡が取れない場合も想定し、安否確認の方法や合流場所、帰宅・待機のルールを決めておきましょう。

学校や保育園の待機・引き渡しルールと、迎えを担当する人を確認します。休校・運休情報の確認先も決め、帰宅や迎えが危険な場合は無理に移動しないと共有してください。

安否確認には、音声で伝言を残す災害用伝言ダイヤル(171)や、インターネット上で伝言を登録できる災害用伝言板(web171)も利用できます。これらのサービスには体験利用日があるため、その機会に家族で使い方を確認しておきましょう。

■確認チェックリスト

  • 連絡が取れない場合の安否確認の方法と、安全な合流場所を決めた
  • 学校・保育園の待機・引き渡しルールと、迎えを担当する人を確認した
  • 休校・運休情報の確認先を決めた
  • 移動が危険な場合は、無理に帰宅や迎えをしないと共有した
  • 171・web171の使い方と、家族で使う電話番号を確認した

4 大雨が予想されるときにしておきたい対策

大雨の予報が出たら、雨が強まる前に備えを最終確認しましょう。屋外作業や買い物は安全なうちに済ませ、避難が必要な場合は、ほかの準備よりも安全な場所への移動を優先してください。

防災グッズ・備蓄を確認する

大雨の予報が出たら、水・食料の不足や期限切れを確認します。携帯トイレや常用薬など、家庭で欠かせないものも確かめましょう。

懐中電灯やラジオが使えることを確認し、スマートフォンやモバイルバッテリーの充電も済ませましょう。持ち出し品もまとめておきます。買い足しが必要でも、雨が強まってから無理に外出しないでください。

■確認チェックリスト

  • 水・食料の量と期限、携帯トイレ・常用薬の不足を確認した
  • 懐中電灯・ラジオが使えることと、予備の電池を確認した
  • スマートフォンとモバイルバッテリーを充電した
  • 非常持ち出し品を、すぐ持ち出せる状態にした

家の浸水対策をする

雨や風が強まる前に、側溝やベランダの排水口に新たな詰まりがないか、安全に手が届く範囲で確かめましょう。

家電や貴重品、重要な書類を上階などに移し、水のうなどで出入口からの浸水や排水口の逆流に備えます。すでに道路が冠水している場合は屋外に出ず、避難や安全確保を優先してください。

■確認チェックリスト

  • 安全に作業できるうちに、側溝や排水口の詰まりを確認した
  • 家電・貴重品・重要な書類を、浸水しにくい場所へ移した
  • 出入口と排水口に必要な対策を、避難を遅らせずにおこなった

停電・断水に備える

停電してから暗い部屋で探し回らなくて済むよう、懐中電灯やLEDランタンを家族がそれぞれ使える場所に置きましょう。

断水に備え、水道が使えるうちに清潔な容器へ水をくみ置きします。浴槽などには生活用水を貯められますが、飲用には使わないでください。

水を貯めた浴槽への転落事故を防ぐため、小さな子どもがいる家庭では浴室の施錠などもおこないましょう。

■確認チェックリスト

  • 懐中電灯・LEDランタンを、家族がすぐ使える場所に置いた
  • 飲用・調理用の水を確保した
  • 生活用水をためる場合は、飲用水と区別した
  • 小さな子どもが、水をためた浴槽に近づかない対策をした

避難の準備をする

今回の大雨に合わせて避難先と経路を確認します。指定避難所などは必ず開設されるとは限らないため、自治体のWebサイトや防災メールで確かめ、行き先を家族で共有しましょう。

雨具や歩きやすい靴、持ち出し品を手元にまとめましょう。高齢者や乳幼児など、避難に時間がかかる人がいる場合は、早めに移動を始めます。

避難のため自宅を離れるときは、安全に操作できる状態であれば分電盤のブレーカーを切ります。電気が復旧した際の火災(通電火災)を防ぐためです。ただし、浸水した場所で電気設備に触れたり、操作のために避難を遅らせたりしないでください。

■確認チェックリスト

  • 避難先の開設状況と、安全に移動できる経路を確認した
  • 行き先と連絡方法を家族で共有した
  • 雨具・歩きやすい靴・非常持ち出し品を用意した
  • 避難に時間がかかる人がいる場合は、早めに移動できるよう準備した
  • 避難時のブレーカーの取り扱いを確認した

参考:大雨のときは - 災害時の注意点|中部電力パワーグリッド

5 大雨の警戒レベルごとの危険度と確認方法

雨の降り方だけで安全かどうかを判断せず、気象庁や自治体の情報も確認しましょう。雨が弱まっても、川の増水や土砂災害の危険が続く場合があります。

雨の強さと危険度の目安

気象庁による雨の強さと、周囲の状況の目安は次のとおりです。

1時間雨量 雨の強さ 雨の降り方・周囲の状況の目安
10mm以上20mm未満 やや強い雨 地面からの跳ね返りで足元がぬれ、水たまりができる
20mm以上30mm未満 強い雨 どしゃ降りとなり、傘をさしていてもぬれる
30mm以上50mm未満 激しい雨 バケツをひっくり返したように降り、道路が川のようになる
50mm以上80mm未満 非常に激しい雨 滝のように降り、視界が悪くなる。車の運転は危険
80mm以上 猛烈な雨 息苦しさを感じるほどの雨。傘は役に立たない
1時間雨量10mm以上20mm未満
雨の強さやや強い雨
雨の降り方・周囲の状況の目安地面からの跳ね返りで足元がぬれ、水たまりができる
1時間雨量20mm以上30mm未満
雨の強さ強い雨
雨の降り方・周囲の状況の目安どしゃ降りとなり、傘をさしていてもぬれる
1時間雨量30mm以上50mm未満
雨の強さ激しい雨
雨の降り方・周囲の状況の目安バケツをひっくり返したように降り、道路が川のようになる
1時間雨量50mm以上80mm未満
雨の強さ非常に激しい雨
雨の降り方・周囲の状況の目安滝のように降り、視界が悪くなる。車の運転は危険
1時間雨量80mm以上
雨の強さ猛烈な雨
雨の降り方・周囲の状況の目安息苦しさを感じるほどの雨。傘は役に立たない

※気象庁「雨の強さと降り方」をもとに作成

警報は雨量だけで全国一律に決まるものではありません。地面にたまった水や川への流れ込みなども踏まえるため、雨量だけで安全を判断しないでください。

警戒レベルと避難情報の見方

避難で覚えておきたいのは、危険な場所にいる人は警戒レベル4までに全員避難することです。警戒レベル5を待ってはいけません。レベル3では、高齢者など避難に時間がかかる人と、その支援者が避難を始めます。

警戒レベル 主な避難情報など とるべき行動
1 早期注意情報 今後の気象情報を確認し、災害への備えを意識する
2 レベル2大雨注意報など 避難先・経路・持ち出し品を確認する
3 高齢者等避難 危険な場所にいる高齢者など、避難に時間がかかる人は避難する
4 避難指示 危険な場所にいる人は全員避難する
5 緊急安全確保 災害が発生・切迫しているため、直ちに命を守る行動をとる
警戒レベル1
主な避難情報など早期注意情報
とるべき行動今後の気象情報を確認し、災害への備えを意識する
警戒レベル2
主な避難情報などレベル2大雨注意報など
とるべき行動避難先・経路・持ち出し品を確認する
警戒レベル3
主な避難情報など高齢者等避難
とるべき行動危険な場所にいる高齢者など、避難に時間がかかる人は避難する
警戒レベル4
主な避難情報など避難指示
とるべき行動危険な場所にいる人は全員避難する
警戒レベル5
主な避難情報など緊急安全確保
とるべき行動災害が発生・切迫しているため、直ちに命を守る行動をとる

※気象庁「新たな防災気象情報について(令和8年~)」をもとに作成

2026年5月29日から、防災気象情報の名称にもレベルの数字が付くようになりました。例えば、大雨については「レベル3大雨警報」「レベル4大雨危険警報」「レベル5大雨特別警報」として伝えられます。

気象庁などの情報は、自治体が出す「高齢者等避難」「避難指示」とは別の情報です。自治体からの避難指示が出ていなくても、レベル3・4相当の情報が発表されたら、キキクルや河川の水位を確認し、自ら避難を判断してください。

キキクルや自治体情報の確認方法

気象庁の「キキクル」は、土砂災害・浸水・洪水の危険度を地図で確認できる情報です。普段はハザードマップで災害リスクを調べ、大雨の際はキキクルで今の危険度を確認します。

  • 1. 気象庁のキキクルを開き、自宅や現在地を表示する
  • 2. 土砂災害・浸水・洪水を切り替え、周辺と避難経路の色を確認する
  • 3. 自治体のホームページや防災メールで、避難情報と避難先の開設状況を確認する

黄色は注意、赤は警戒、紫は危険、黒は災害切迫を示します。黒を待つと逃げ遅れるおそれがあるため、紫になるまでに危険な場所から離れましょう。

河川の水位は国土交通省の「川の防災情報」でも確認できます。様子を見に現地へ行かないでください。

6 大雨のときに避けるべき行動

大雨のときは、家や車を守ろうとして危険な場所に近づいたり、避難を先延ばしにしたりすると、命に関わることがあります。自分と家族の安全を優先し、次の行動は避けましょう。

避けたい行動 危険な理由・代わりにすること
川・側溝・田んぼの様子を見に行く 増水した流れに巻き込まれるおそれがある。河川の水位は公式情報で確認する
冠水した道路を車で通る わずか30cm程度の浸水でも走行不能になる場合がある。引き返して冠水していない道を選ぶ
冠水した道を歩く 段差や、ふたが外れたマンホールが見えず、転落するおそれがある。無理に通らず、冠水していない安全な経路を選ぶ
地下・半地下にとどまる 急に水が流れ込むと逃げ道を失う。浸水が始まる前に離れる
避難を暗くなるまで先延ばしにする 足元や周囲の危険が見えにくくなる。危険が予想される場合は明るいうちに移動する
「これまで浸水していないから大丈夫」と考える 過去の経験を超える雨が降ることがある。現在の危険度を確認する
切れた電線や、電線が触れている物に近づく 感電するおそれがある。離れて電力会社へ連絡する
避けたい行動川・側溝・田んぼの様子を見に行く
危険な理由・代わりにすること増水した流れに巻き込まれるおそれがある。河川の水位は公式情報で確認する
避けたい行動冠水した道路を車で通る
危険な理由・代わりにすることわずか30cm程度の浸水でも走行不能になる場合がある。引き返して冠水していない道を選ぶ
避けたい行動冠水した道を歩く
危険な理由・代わりにすること段差や、ふたが外れたマンホールが見えず、転落するおそれがある。無理に通らず、冠水していない安全な経路を選ぶ
避けたい行動地下・半地下にとどまる
危険な理由・代わりにすること急に水が流れ込むと逃げ道を失う。浸水が始まる前に離れる
避けたい行動避難を暗くなるまで先延ばしにする
危険な理由・代わりにすること足元や周囲の危険が見えにくくなる。危険が予想される場合は明るいうちに移動する
避けたい行動「これまで浸水していないから大丈夫」と考える
危険な理由・代わりにすること過去の経験を超える雨が降ることがある。現在の危険度を確認する
避けたい行動切れた電線や、電線が触れている物に近づく
危険な理由・代わりにすること感電するおそれがある。離れて電力会社へ連絡する

すでに冠水しているなど、外へ出るほうが危険な場合は、無理に避難先へ向かわず、建物内のより高い場所などへ移って、命を守る行動をとってください。

7 大雨で被害・トラブルが起きたときの対処法

被害が出たら、まず命を守る行動をとります。片付けや修理は、安全を確認してからおこないましょう。

建物が浸水したら

外への移動が危険な場合は、建物内の高い場所や、斜面・川から離れた側へ移ってください。ただし、倒壊や上階までの浸水が想定される場合は、上階でも安全とは限りません。

水が引き、安全を確認できたら、片付け前に被害状況と浸水の高さを撮影しましょう。罹災証明書や保険の手続きに役立ちます。浸水した家電は電源を入れず、メーカーや販売店に相談してください。

清掃時は手袋・底の厚い靴・長袖を着用し、泥や汚水に直接触れないようにします。作業後の手洗いなどを徹底し、衛生面に注意します。

参考:災害時の感染症対策|厚生労働省

車が浸水してしまったら

冠水した道路で車が動かなくなった場合は、車内にとどまらず、早めの脱出を優先してください。水位が上がると水圧でドアが開けにくくなるため、窓からの脱出や緊急脱出ハンマーの使用も想定しておきましょう。

水が引いた後も、自分でエンジンをかけず、販売店や整備工場へ相談してください。一度浸水した車は、走行できる状態でも電気系統などが損傷している可能性があるため、点検を受ける必要があります。

停電したら

停電したら、まず懐中電灯などで足元を照らし、安全を確保しましょう。スマートフォンのライトを使う場合は、連絡や情報収集に必要なバッテリーを使い切らないようにします。

電気機器のスイッチを切り、安全にできる場合はプラグを抜きます。冷蔵庫は開閉を減らし、庫内の冷気を保ちましょう。自宅を離れるときは、安全に操作できる状態ならブレーカーを切ってください。

復旧状況は電力会社の停電情報で確認します。周囲の住宅では電気が使えていても自分のマンションだけ停電している場合は、建物側の設備に被害が出ている可能性があるため、管理会社などの案内も確認しましょう。

関連記事:停電対策をはじめよう!備えるものや今すぐできる対策3つをわかりやすく解説

断水したら

断水したら、備蓄した飲用水を使い、給水場所や復旧の見通しを自治体・水道局の情報で確認します。浴槽に貯めた水は生活用水として使い、飲用・調理には使わないでください。

トイレは、排水管の破損や下水の逆流がないか、安全を確認できるまでは流さず、携帯トイレなどを使いましょう。水があっても、排水できなければ汚水があふれるおそれがあります。

排水設備に問題がないことを確認できた場合は、浴槽にためた水などをバケツにくみ、便器に直接流す方法があります。タンクには水を入れず、必要な水量や流し方は、使用しているトイレの取扱説明書やメーカーの案内に従いましょう。

■大雨の被害経験者の声

30代 女性
(千葉県)

停電と断水が重なったため、食事の準備や入浴、トイレなど普段当たり前にできていることが難しくなりました。飲み水は手元にあったものを大切に使いました。

復旧直後は濁った水が出る場合があります。濁りが続く場合は飲用を控えて、自治体や水道局に問い合わせましょう。

8 大雨対策に関するよくある質問

最後に、大雨への備えや避難の判断で迷いやすい点を確認します。

大雨に備えて、まず何をすればいいですか?

まずはハザードマップで、自宅の浸水や土砂災害のリスクを確認しましょう。そのうえで、避難先と経路を決め、水・食料などの備蓄と家族の連絡方法を確認します。大雨がすでに迫っている場合は、気象情報と避難情報の確認を優先してください。

警戒レベル3が出たら必ず避難しないといけませんか?

警戒レベル3「高齢者等避難」は、危険な場所にいる高齢者など、避難に時間がかかる人と支援者が避難を始めるタイミングです。それ以外の人も避難の準備を整え、必要に応じて自主的に避難します。危険な場所にいる人は、警戒レベル4までに全員避難してください。安全が確保できる場所にいる人まで、必ず避難先へ移動する必要はありません。

大雨対策は3つのタイミングで考えよう

大雨対策は、「普段の備え」「大雨が予想されるとき」「被害が出たとき」の3つに分けて考えましょう。

普段は自宅周辺の災害リスクを確認し、備蓄や家族のルールを整えましょう。大雨の予報が出たら、充電や浸水対策、避難先の確認を雨が強まる前に済ませます。被害が出たときは、片付けや修理よりも命を守る行動を優先してください。

まずはハザードマップで自宅と避難先を確認しましょう。普段の買い物で水や食品を少し多めに用意するなど、家族でできることを1つずつ進めておけば、大雨が迫ったときも行動に移しやすくなります。

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