家族みんなが安心してくらせる住まいにするために、家庭内事故の対策はとても大切。
新築・リフォームの際にはぜひ考えておきたいですね。
階段・段差での転倒、お風呂で溺れるなどの家庭内事故で亡くなる人の数は、実は年間1万人以上(注)もいます。交通事故で亡くなる方の数よりもずっと多いのです。新築・リフォームの際に、家庭内事故対策やバリアフリー化を考えておくことの重要性がこのデータからもわかりますね。
家庭内事故の中でも大怪我につながりやすい転倒・転落。階段は、足を踏み外して転落することがないよう、勾配を緩やかにすること、手すりをつけることなどが対策として考えられます。小さい子どもがいる場合は、ハイハイして上がって転落する事故を防ぐためにベビーフェンスを設ける方法があります。
また、夜に階段を昇り降りするとき、通常の照明だけでは足元に影ができますが、「LED階段足元照明」を設置すれば、夜も足元を照らすことができ、転倒・転落防止につながります。
高齢者にはちょっとした段差もキケン。できるだけ床の段差をなくすこと、段差のあるところは色や素材を変えるなど、リビングや玄関のバリアフリー化が対策になりますね。
また、コードにつまずいて転ぶ事故も起きています。できるだけ延長コードを使わずに済むようにコンセントを配置することも対策法のひとつです。テレビ、パソコン、電話につなぐ電源コードやケーブルを1カ所にまとめることのできる「マルチメディアコンセント」というアイテムもあります。
マルチメディアコンセント
浴室はさまざまな事故防止対策を施しておきたい場所です。
まずは転倒防止のための対策。高齢者に限らず、若い人でもプラスチック製の浴室用ブーツが滑って転ぶことがあります。洗い場の床、浴槽の底は、滑りにくい素材にする、手すりをつける、などの対策が考えられます。
次に溺れる事故の対策。高齢者がお風呂で溺れる事故が、特に冬場に多く発生しています。寒い浴室の中で熱いお風呂に入り、血圧の急変によって気を失う「ヒートショック」がお風呂で溺れる原因の一つと考えられています。「浴室暖房乾燥機」で浴室に入る前にあらかじめあたためておけば、ヒートショックの防止になります。